体操・新体操の情報を毎日発信する取材・報道活動を続けたい！

男子新体操に関しては、正直、私にとってはずっと「女子の隣のフロアでやっている競技」にすぎませんでした。

仕事で依頼があり、2006年（精研高校が試技順１番で団体優勝した年）や2008年（団体で小林工業高校が優勝した年）の高校総体の記事や、2008年（国士舘大学が久しぶりに団体優勝した年）、2009年（青森大学「BLUE」団体が演じられた年）の全日本選手権の記事を書いたことはありますが、どうしても女子中心に取材し、発信していました。

それが大きく変わったのは2010年のことでした。

2010年は、テレビドラマ「タンブリング」が放送された年です。あのドラマが始まる前に「ドラマも始まることだし、男子も取り上げてくださいよ」と男子の役員さんから軽く声をかけられ、「それもそうだな」と男子にも目を向け始めました。前年の全日本選手権では男子も見ていたので、ある程度、見慣れてきていたこともあり、「男子もなかなか面白いなあ」と感じ、そこから男子新体操の情報発信が爆発的に増えていきました。

そして、この年の５月。東京・多摩市の体育館で国士舘大学による演技会＋体験教室が開催されました。当時の私は、まだ国士舘の選手たちの見分けもつきませんでしたが、この体験教室での集客によっては国士舘のジュニアクラブができるかも、という話があったので取材に行きました。

ドラマの放送中とはいえ、決して視聴率のとれているドラマではなかったので、果たしてどれくらい人が集まるのか、と案じましたが、そこそこ集まり、賑やかな会となりました。そして、このとき体験に来ていた子たちの中から国士舘ジュニアRGの一期生が生まれたのでした。

今や、ジュニアの育成ではなくてはならない存在感を示している国士舘ジュニアですが、発足してやっと５年がたったところなんだな、と思うとその歴史の浅さに驚きます。年末に行われた国士舘カップは多くの参加者を集めての過密スケジュールの試合でしたが、それをきちんと運営・進行できる、そんな力も国士舘はつけてきました。５年前のあの体験教室のときは、かなりゆるりとした運営ぶりだったように記憶していますが、５年という月日は、すべての人を成長させるのだなあ、と思わずにいられません。

その記念すべき2010年５月の体験教室のときの集合写真を見つけました。「国士舘ジュニアRG」は、ここがスタートでした。そして、それはまさに私の「男子新体操元年」でもあったのです。

正直、男子新体操が面白くなりすぎて、女子新体操に興味を失いかけていた時期もありました。しかし、2013年以降、女子の進化ぷりに圧倒され、今では再び女子からも目が離せなくなりました。男女とも興味をもって観る試合は、息抜く間がなくかなり大変です。でも、それは幸せな大変さです。

すくなくとも私は、男子にも興味がわいたことで世界が大きく広がりました。

今回のプロジェクトへも、男子の指導者の方からご支援いただきました。青森大学の中田監督、青森山田高校の荒川監督、そして、BLUE TOKYO Kidsの川戸監督。2010年に私が男子新体操のよさに目覚めなかったなら、こういう方たちからの支援はあり得なかっただろうと思います。

改めて、男女あっての「新体操」だな、と感じる今日このごろ。男子ファンには女子新体操に、女子のファンには男子新体操に関心をもってもらうためにも、これからも活動していきたいと思っています。

＜今日の写真は、2010年５月の国士舘大学による「男子新体操演技会＋体験教室の集合写真」です。※山田監督の隣にいるのは向山蒼斗選手では？＞