もう焼畑ではやっていけない

 

    ローチョ村では、ここ10数年、このまま焼畑だけでは立ちいかないのではないかという不安がひろがっていました。焼畑は基本的に輪作によるつくりまわしをしていくもので、その持続性を守っていくものです。が、近年飼料用トウモロコシの単作がすすんでいます。商品経済に巻き込まれ、何よりも現金収入がほしいということなのです。ですから、トウモロコシをやめて他の作物に変えることができないのです。

 

 

    村の人たちとダイエーさんたちは、このやりかたを基本的にやめて、森を復活させ、焼畑方式を変換させ、アグロフォレストリーによる果物中心の永年作物にしようと話しあってきたのです。ところが、永年作物への転換には時間とお金がかかる。困ったということでした。

 

※トウモロコシの間にくだものの苗木を植える。来年、苗木が大きくなり、トウモロコシはやめる。

 

 

浦和北ロータリークラブの支援がすすんだ

 

   たまたま、その話を聞いた、埼玉の浦和北ロータリークラブが協力してくれることになりました。こうして森のプロジェクトが始まったのでした。「RTFプロジェクト」という名前です。リターントゥザフォーレスト、森をもとに戻そうというプロジェクトでした。そのころタイの王室プロジェクトで、コーヒーの栽培が可能になり、「よし、コーヒーを中心にしていこうということになりました。コーヒーを中心としてアボカドや梅や桃などの高地型の作目を作っていこうというものでした。浦和北ロータリークラブは、これまでの支援のシステムを大きく変えて5年間のプロジェクトにしてくれました。

 

 

   木を育てる苗木の導入、苗木の生産圃場、そして木が育つ間の豚の飼育のために、種母豚の導入、豚小屋の建築とすすんできました。しだいにプロジェクトのかたちが姿を現してきました。今年が最後の5年目です。コーヒーの生産も4年目をむかえて、1.5トン以上の生産がみこまれるようになりました。いよいよ今年が仕上げの5年目に入りますが、最後に村の方から、どうしても水道施設が欲しいといってきたのです。

    タイは雨季と乾季があり、乾季の半年間は雨がふらないのです。水が不足します。ところがこれからは、コーヒーを洗浄したり、豚小屋を洗浄するには常時水が必要なのです。飲料水用の水道施設はすでに現在使っているものがありますが、産業用の水道施設については、いま村にはないのです。これから、4トン~5トンと生産がふえていけば、水不足になります。「どうしてもほしい」ということでした。 しかし、これ以上浦和北ロータリーにお願いできません。

 

希望のある生活には、水道施設が欠かせないのです

 

   この9月、私は、その水のことで村との打ち合わせに行きました。たぶん、この村が成功すれば、それをモデルとして次々と他の村でも焼畑からの転換がすすむでしょう。となりの「ドイガーム」村でもコーヒーの栽培がすすんでいます。こうして、RTFプロジェクトの最後の仕上げとしての水道施設がほしいということでした。

   たとえば、リポ・ロチェさんは村の人ですが、彼はコーヒーに取り組んでから、4ライ(1ライ=16a)のコーヒー、5ライのアボカド、柿、梅などを植えつけるようになりました。焼畑の残りの10ライは娘婿にやり、彼は10ライと半分の土地で生きているのです。それら果物の収入でほぼ年収8万バーツ(24万円)となっています。ふつうこの村の収入は5万バーツ(15万円)くらいですから、かなりの額となってるんです。こうした希望はやがて、村の人たちの多くをしめることになるでしょう。そのための最後の願いが「水道施設が欲しい」ということなのです。

    皆さん、ぜひ協力をおねがいできませんか。この資金が集まれば、来年の2月にはいよいよ工事が始まります。そのとき、みんなで鍬入れ式をやりに行きませんか。水槽の周りには協力してくれたみなさん全員の名前を入れたいと思います。

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