シリア難民と作るTRIBALOGYのプロジェクト終了広告
“伝統的な洋裁技術を活用!貧困に苦しむシリア難民たちに雇用を!”のキャンペーンを応援・ご支援くださったみなさま、お久しぶりです。
トライバロジーの林です。
昨年このキャンペーンを達成してから、あっという間に1年経ちました。
過去の1年間で、私たちの活動がどれだけ大きくなれた事のご報告を差し上げます。
皆様の温かいご支援で集めた資金を活用して、私達トライバロジーのメンバーにとって、とてもアクティブで有意義な1年となりました。
今年は、今まで以上に多くの数の女性達と触れ合う事が出来て、手芸技術をさらに広める事ができました。皆様からいただいた資金のお陰で、新しい機材・道具・材料等を購入する事が可能となり、それによって新しい商品を研究・開発したり、もっともっと大きい注文にチャレンジする事が可能となりました。そして、遠くに住んでいる人達にもより多く可能性を与えてあげられるようになりました。
心より感謝を申し上げます!
今年に入ってから、今まで活動してきたザルカ市とアンマン市内の参加者達以外に、もう一つ新たな活動場所を増やす事が可能となりました。
ヨルダン北部のちょうどシリアの国境の側にあるザータリ難民キャンプです。
現在ここのキャンプに住んでいる難民の人口は8万人とされています。
何もない砂漠の地帯に作られたこのキャンプでは、夏の間は暑い太陽が乾いた大地にカンカンと照らし続け、冬になると厳しい乾いた寒さが骨にまで染み込んでいくようです。
数年前はテント中の生活だったのも、現在は完全に鍵のかかるドアの付いているプレハブのキャラバンに変わったことにより、生活状況は少し改善できました。
それでも、キャンプ内の人々の家では、電気は毎日午後5時から夜中の3時までの間しか使えません。トライバロジーを通して、キャンプ内の新しい女性達にミシンの作業を教えるには、日中電気が使えないと無理です。
そこで、キャンプ内で活動している、とある国際支援団体に相談してみたところ、キャンプ内のオフィスを使わせてくれるという事になりました。
いつも優しくサポートしてくれる人々達に囲まれている私達はとても幸運です。
本当にありがたい限りです。
それ以来、ここに機材や道具をおいて、毎週女性達に通ってもらい、トレーニングを受けてもらって、仕事の受け渡しをする事ができるようになりました。
上手に100%一人で作れるようになってきたら、各自の家に仕事を持って帰ってもらい、夜電気がある時に家で作ってもらいます。
それでは、皆様に現在トライバロジーで働く女性たちを数人ほどご紹介致します。
1)アンマン郊外在住のシリア人のAさんと彼女の親戚:5年前に、昔住んでいたダマスカス郊外で”24時間以内に爆弾が落とされる”という知らせを受けた時に、Aさん達は家族と共にその町から逃げる事を決心しました。それ以来、シリア国内であちこちに移動した挙句、ヨルダンに難民として逃げてきたそうです。
普段、刺繍で稼いでいるのですが、この間初めてのミシンもトライしてみました。
2)難民キャンプ内に住むSさん。昔から刺繍が大好きで上手です。
毎週色々なデザインの刺繍に取り掛かっています。
3)難民キャンプの中に住むKさん:シリア時代からミシンのプロ。
難しくても丁寧に新しい事を何でも覚えてくれます。いつも真面目に真剣な表情で仕事に取り掛かってくれる彼女は、私たちにとって、とても大切な存在です。
4)難民キャンプの中に住むHさん:シリア時代からミシンが得意で、いつもミシンでできるプロジェクトをキャンプ内で探していたそうです。トライバロジーと出会って以来、より多くの仕事がもらえるようになって、とても喜んで下さっています。
5)難民キャンプの中に住むシリア内戦で夫を亡くしたHさん:現在一人で一生懸命小さい4人の子育てをしています。ミシンのキャリア歴はそれほど長くないのですが、いつも笑顔でポジティブに仕事に取り掛かってくれるます。現在はトレーニングを受けている最中ですが、未来にちゃんと仕事ができるようになれますように!
6)難民キャンプ内に住む、シリア内戦で背中を打たれて両足が麻痺してしまった19歳のOさん:難民としてヨルダンに来てから、色々な過程を通して初めて自分に芸術的なセンスと興味がある事を発見したそうです。手先がとても器用なので、ビーズで物を作ったりラクダの形のキーホルダーを作ったりするのがとても上手。時々描いた絵の構図には、心を捉えられるものが多いです。お兄さんの自転車に乗せられて、毎日通うキャンプ内の学校:内戦のせいで3年ほど勉強が遅れてしまっているそうです。でも、くじけずに毎日張り切って勉強に取り掛かっています。大変な状況に置かれても、いつもポジティブに笑顔で頑張るOさんの姿勢には、いつも私にも元気を与えてくれます。
7)アンマン郊外に住むLさん:小さな赤ちゃんと旦那さんと3人でひっそり暮らす23歳の彼女はホモスというシリアの町から逃げてきたそうです。小さいシンプルな四角い部屋に置かれたテレビと座るためのマットレス。ミシンを提供してあげた時には、テーブルや椅子が一つも家になかったので、マットレスをこの様に床に何枚か重ねてテーブル代わりにして使いました。負けず嫌いな彼女は、いつも強い態度で何にでもくじけません。
皆様からいただいた資金のお陰で、色々な可能性が広がりました。
現在、ヨルダン以外にも、日本、オーストラリア、アメリカやドイツ等の国々でのコラボレーションの数が増え、現在あちこちでトライバロジーの商品が購入可能となりました。
2018年には、いよいよTRIBALOGYの名前をNGOかsocial businessとして登録する予定ですので、その際にも資金が必要となる場合、貯めた資金の一部分はそちらの方にも使わせていただく予定です。
今年の初めにチャレンジしたオーストラリアの会社のためのプロジェクトでは、初めての洋服作りにも挑戦することができました。
クフィーア(アラブ人の男性が頭に巻くターバンの生地)を使って子供服やアクセサリーを作るプロジェクトです。
最初は慣れない洋服作りに恐々取り掛かっていた女性達も、最後には確実に慣れてきて、またまた新しい自信がつきました。
洋服作りの経験がゼロだった私達を信用して、お仕事を下さったMULTICULTI.COさんにも、大感謝です!
Photo credit: MultiCulti.Co
Photo credit: MultiCulti.Co
どうにかして 現実的な形で何かをやりたかった私にチャンスを与えてくださったREADYFORと皆様へ、再度感謝の言葉をお送りします。
くじけずに可能性を信じて、物事にチャレンジする 勇気をくれた皆さまへ、本当に感謝しております。
このプロジェクトで、紛争被害にあった女性達がしっかりと生計を立て、彼女達と家族の未来をもっともっと切り拓いていけるように、これからもずっと頑張っていきたいです。
今後とも温かい目で見守っていてください!!