九五式軽戦車里帰りプロジェクトが無事に終了いたしました。
NPO法人防衛技術博物館を創る会が、設立以来取り組んできた日本軍車両の里帰りと言えば「九五式軽戦車4335号車」のことを指していました。昨年末に1036名の支援者様のご厚情により無事に里帰りが実現したことで、里帰り事業の「取り組み」から「実績」になりました。
前例のないこと故に何度も壁にぶつかったり、越えられそうもないハードルが立ちはだかったり、怖気づくような深い谷が眼前に現れて足がすくんだりしました。しかし不思議なことにその都度、その都度で「戦車の神様」の御采配ではないかと思える出会いを頂き、それらの難問を無事に突破することができました・・・
想い返せば、自分はひたすら周りの人を巻き込んでジタバタしていただけですが、そんな様子を憐れんで手を差し伸べて下さったスペシャリストの方々の存在が4335号車の里帰り実現への鍵となったことは間違いありません。
この間、10年以上に渡る里帰り計画実行中に「計画全貌の詳細説明して欲しい」「戦車は輸入できるのか?その保証がなければ支援できない」「そもそも海外にあった方が幸せ、日本国内では維持できない」など否定的な多くのご意見も頂きました。
一方で2019年、2022年の2回に渡るクラウドファンディング実施時には、それらの声を打ち消すように多くの方が続々とご支援に名乗りを上げてくださり「くろがね四起修復計画」に続き、「九五式軽戦車4335号車里帰り計画」も無事に完了することが出来ました。「
「旅行」と「旅」の違いは?と聞かれれば多くの方が明確に答えられると思います。神経質で気が小さい自分は、旅行先のホテルはもちろん夕食レストランの予約まで確認しないと安心して出発できないくらいなので、「旅」に出るなんて一生ないと思っていました。しかし、振り返ってみれば「九五式軽戦車の里帰り計画」は旅行予定など全くない目的地の見えない「旅」であったと実感しております。多くの支援者様と今回の「旅」をご一緒できたことは本当に幸せな体験でした。
もちろん「旅」に出る事が不安で不安で仕方がない方が「旅程表を見せて欲しい!」とお考えになったことも自然なことと感じられます。しかし「旅」とはそもそも旅程表などとは無縁なモノ・・・
これまでの経緯を踏まえて、クラウドファンディング実行者として、博物館建設計画の発起人としてやるべきことは明確になりました。恒久的な展示実現のために博物館設置は国または地方自治体にお願いし、歴史的な部分は民間(我々NPO)の力で、現在進行形の部分は国防の根幹ですから国(防衛省)で、そして未来の部分は将来を担う子供たちへ向けての教育という観点から地元自治体である静岡県、並びに御殿場市と三人四脚で進めて参りたいと思います。
支援者のみなさまには、特定の政治活動や思想信条にはとらわれることは無いという前提の下、与党国会議員有志による「防衛技術博物館の設置を実現する議員連盟」や地元御殿場市長、静岡県議、御殿場市議のお力を借りることも必要だと言うことにご理解を頂きたいと存じます。実行者小林は自民党員ではありませんが、日本の技術産業遺産を後世に残すためにという目的に賛同して、行動してくださる議員の方々は支援者のみなさまと同じく、自分にとって大きな支えです。
最後に次なる「旅」の目的地についてのご報告です。もちろん旅程表はございません。
昨年末のみなさまからのご支援金を活用させて頂いて、本年3月にNPO法人海外渉外担当K氏と共に米国に渡り、3日間の調査実施から「旅」はスタートしました。今回の訪米の目的は、戦利品として米国に渡り数十年来の屋外展示で風雨に晒されながらも、ギリギリのタイミングで修復が間に合う「九七式中戦車」の里帰り交渉をスタートさせることでした。
九五式軽戦車4335号里帰り実現の想定外の収穫として、欧米のコレクターや博物館関係者の日本軍ファンの方々が「やっと日本にも戦車博物館が出来そうだね」と応援してくださるようになったことがあります。このため、今回の交渉も予想に反してスムーズにスタートを切ることが出来ました。
前回の九五式軽戦車里帰りは、個人オーナーとの売買交渉が絡む案件でしたので極秘裏に進めてまいりましたが、今回の交渉相手はアメリカ海軍となります。もちろんお金で解決できるお話ではありません(とはいえ、最終的な輸送費等は改めてみなさまのご厚情にすがることになると思います)し、民間団体が相手にしてもらえるレベルのお話でもありません。ですから交渉そのものは国会議員連盟のお力を借りることになります。
もちろん、並行して早博物館の設置実現へ向けての活動も進めて参ります。今後の情報発信につきましては、READYFOR様の継続支援サイトから活動報告という形で行って参ります。既にアカウントをお持ちの支援者様はフォローするだけで活動報告が届きます。もちろん、マンスリーサポーターへのご登録、ご支援もお待ちしております。
引き続き上記ページより情報発信して参りますので、情報拡散へのご協力と変わらぬご支援、ご指導をよろしくお願い致します。
実行者:小林 雅彦
【お知らせ】8月12日(土)には東京都内にて活動報告会を予定しております。詳細は上記ページ、並びにNPO公式HP並びにtwitterにてお知らせしますので、参加ご希望の方はスケジュール確保をお願い致します。