アフリカ奥地の感染症対策|生薬事典を作り人々と野生動物を守りたい。

寄付総額

4,047,000

目標金額 3,000,000円

寄付者
228人
募集終了日
2021年3月12日

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2023年04月06日 22:32

アフリカ奥地の感染症対策は、普段使いの生活の知恵だった!?

いつもお世話になっております。UAPACAA国際保全パートナーズの岡安です。

アッという間に今年も1/4が過ぎて、新学期が始まりましたが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 

そして、皆さまから大きなご支援をいただいて開始できた、通称「生薬プロジェクト(生薬P)」も早2年。第1弾の店じまいの日がやってきました。

しかし、ようやくコロナのパンデミックが収束傾向となり、WHOも公衆衛生上、ワクチン接種はこれ以上、推奨しない、というところまで来ました。日本も水際対策があと1カ月ちょっとで撤廃です。2020年初頭のパンデミック宣言から、ここまで長引くとは誰が想像したでしょうか? コロナの被害に遭われた皆さまには、心よりお見舞いを申し上げます。

 

コロナが長期戦となったこともあり、UAPACAA国際保全パートナーズの「感染症対策」プロジェクトも、思わぬ時間と方向性に揺れ動く2年となりました。しかし、これまた良い方向に動き始めていて、ドゥアラ大学チームや武田先生との知己、そして皆さまのご支援で早い段階でプロジェクトが開始できたことで、次のステップが見えてきました。ロベケ国立公園のゴリラやチンパンジーに代わり、改めてお礼申し上げます!!

 

【元気なアフリカ】

最初の「吉報」は、アフリカ中部の国々はほとんどCOVID-19の被害に遭わなかったこと。

10万人当たりの死者数・アフリカ中部は色が薄いです

 

ワクチン接種人数・​​​​カメルーン、DRC​​​​​は一桁の%です​​​​​

こちらが3月20日に、WHOのダッシュボードで確認した世界の状況ですが、ワクチンをほとんど射たなくても、死者もダントツに少なくて済んでいます。

 

元気なアフリカは裏返してみれば、その分、自然環境が“過酷”だ、と表現することもできます。9月の出張で面会したカメルーンチームの医学、薬学研究者たちは、「子供の頃から親の手伝いや遊びで野に出て、泥んこになって暮らしていれば、コロナ・ウイルスへの抵抗力なんて自然につくわよ」と豪快な口調で余裕の笑みでした。

 

実は岡安の「自分はワクチン打たなくても大丈夫」の読みの中には、同じアフリカ経験に対する信頼がありました。そして、メルマガの「感染症とアフリカ」連載でもときどき触れたように、西洋医学のイタチごっこでなく東洋医学のもぐらたたき方式で、病原菌とも共存してしまう”心意気”さえあれば、「可もなく不可もない」暮らしを保つことができます。そういう意味で中部アフリカは、病気以外は自然環境で「死ぬような目」に遭うことは滅多にありませんので、むしろ優しいとさえ言えるでしょう。そんな中で、人間だけが出しゃばらずにいれば、実に多様な生き物を支えることができるのが、アフリカジャングルの魅力です(おそらく他の熱帯多雨林地域も同じ)。なかなか信じてもらえませんが、居心地の良さは今でも変わらず、「死なない」という安心感があります。

 

むしろ日本の方が、地震もあるし寒暖の差も大きく、自然環境は苛烈かも知れません。感染症も多く、子供の頃から鍛えられて育つのは、アフリカのイメージとあまり齟齬がありません。だから新型コロナのパンデミックの初期の頃、先進国中で日本だけが、感染も死亡も少なくて済んでいたのだろうと思っています。今回のコロナ・ウイルスは、強毒性を発揮せずに収束の兆しをみせて一安心です。日本にも「子供の頃から野に出て、泥んこになって暮らして抵抗力がつく」ぐらいの自然環境は十分に残っているので、せめて子供たちはマスクからもワクチンからも解放し、のびのびと過ごせる環境に戻したいものです。
 

【どこでも市場で買えるあれが!?】

「生薬P」としては、ますはコロナ対策のための生薬辞典づくりなので、伝統薬用植物があちこちでコロナ治療に威力を発揮するほど、データが集まって伝統医療の科学的裏付けが取れたのですが...。実態は、カメルーンでも大都会の一角で、パンデミックが始まった当初に致死率が高いというので人が殺到し、スワ大パニックか?と心配されましたが、ほとんど犠牲が出ないので、すぐに普段通りの暮らしに戻ったようです。そうすると、他にも多々、感染症がある土地柄、巷でCOVID-19のデータだけ集めようと思っても、対処療法で治る病気にいちいち検査は受けません。結局、オミクロン株の時も感染者数すら増えず、コロナの生情報はまったく集められない、という嬉しい悲鳴に終わりました。

 

ただ、今回のプロジェクトの方針は、コロナだけでなく似たようなウイルスが、これからも地球環境の破壊が進むと増えていくと予測されることから、より長い目で見て古来からの生薬の知見を活かしていくというものでしたので、コロナ感染の状況に関わらずカメルーンの伝統薬用植物の効能を科学的に確認していきました。

 

詳しい内容は、昨年10月29日の新着情報⇓でまとめていますので、ぜひご覧ください。

結局、90種リストアップされた伝統薬用植物の中で、以下の表にある5種類が、第一候補としてピックアップされたのですが、私たちにも馴染みのある山椒や生姜がトップ5入り! ごく簡単な試験でも、予想以上に効能の中身が見えてきました。

カメルーンで活用される薬用植物から、薬効成分で絞り込んだ分析対象リスト(4. プロポリスを除く)キャプション

中でも感動したのが、6番目にある英語で「クリスマスブッシュ」と呼ばれる仲間。

下に載せた写真の、青々とした葉っぱがそうなのですが、昨年9月のヤウンデで開催した検討会の場で、ドゥアラ大学のの食品加工専門家のシルビーさんが「あら、これなら普段、市場にたくさん売っていて、皆さん、お茶にして飲んでるものだわ」の一言で、カメルーンチーム一同がどよめきました! もちろん、私も武田先生もびっくりです。

 

Evaristeさんたちが、苦労して集めて乾燥させたサンプル

「COVID-19が体内に入り込むのは、腸を経由するから腸内細菌を元気にするのがいい、それにはココナツオイルがいいんだけど、アフリカの人たちは普段からよくココナツを食べているだろうから、強いんじゃない?」と、最初の頃から武田先生には言われていたのですが、まさかもっと身近な「お茶」にその秘密があったとは!! シルビーさんによれば、カメルーン全土でよく飲まれているお茶で、名前も千差万別。地方によって、ミントティーのようにして甘みを加えることもあるそうで、そこに蜂蜜を使えば無敵のコロナ予防になりそうです。

 

2021年12月に、カメルーンチームとオンラインで打ち合わせをした際に、「漢方の生薬は必ずしも薬薬していなくて、お茶のように普段使いできる煎じ薬もある」という話をしたら、ンゴンガン名誉教授が「あら、それはいいわね、私もお茶は大好きよ」と絶賛していたのですが、なんと日常生活の中にすでに生薬の知恵が息づいていたとは!

 

【プロポリス・プロジェクト始動】

もう一つ、この「生薬P」から派生したのが「プロポリス・プロジェクト」

COVID-19はもちろん、幅広い感染症の予防にも効能があって、しかも扱いやすいプロポリスの効能を、今回のプロジェクトで確認することができました。ただこれが案外、ばらつきがあることも判明したので、薬効成分が高い花が特定できれば、養蜂家はより付加価値の高いプロポリスが採集できるようになる訳です。

 

そして、これはロベケ国立公園周辺のコミュニティにとって、新しい生業活動を立ち上げるサポートになると、ワクワクしながら出かけていくと、なんとちょうどいいタイミングで、WWFロベケのマネージャーのロマヌスが、地元の皆さんに養蜂の手ほどきをしているではありませんか!!

 

実はカメルーンでは、蜂蜜もプロポリスもヨーロッパ向け、あるいは国内の薬局などでも大人気なのですが、西部地方ばかり盛んで、ロベケ国立公園のある東部州では、ほとんど発達していません。そこで西部出身のロマヌスが、新しい地場産業としてマーケット価値も高い養蜂を導入しはじめていたのです。養蜂が軌道に乗れば、そこにプロポリス養蜂を加えるのは難しくありません。

 

コンゴ・ゴリラ孤児院時代。感染症で赤ん坊を亡くすことも…

あとはロベケの蜂たちが、いったいどんな蜜を集めてプロポリスを作るのか?その季節変化や地域の差を調べれば、より薬効成分の多いプロポリスを生産することも夢ではなくなります。感染症予防と地元の人々の生計向上を同時に実現できそうな、生薬P第2ステップのビジョンが見えてきました。

 

このプロジェクトは、1年を通して蜂たちの採蜜行動を観察し、花の種類を特定して薬効成分を確認していく必要があるため、今回のプロジェクトよりさらに時間もお金もかかりそうです。ただし、うまく軌道に乗せられれば、需要の高いプロポリスのさらに質を高めて「ブランド化」し、高収益に結びつけられる可能性も秘めています。最初のスタートアップ資金を、どう確保するか?

 

新しい挑戦が始まっています。
​​​​​​

まとまった金額が必要なので、片っ端から助成金に応募していますが、同時に夏ごろから、第2弾に向けたクラウドファンディングも展開するかも知れません。その節は、どうぞよろしくお願いいたします。

 

【ご支援の使い道】

皆さまからご寄附いただいた約400万円の活動資金は、

カメルーン・チームのサンプル採集、分析費用に約150万円

2022年9月、岡安のカメルーン渡航費に約100万円

UAPACAA国際保全パートナーズのプロジェクト管理費(人件費、通信消耗品費など)2年分約50万円

クラウドファンディング手数料・ギフト経費等約65万円

に使わせていただきました。残っている40万円弱は、第2弾プロポリスPの助成金獲得のためのシードマネーとして、現在プールしております。

 

2021年5月末€1=135円強だったのが、2022年11月には148円台まで、10円以上も円安が進んでしまうという、想定外の困難も生まれてしまいました。またコロナに加えて、ロシアのウクライナ侵攻の影響も大きく、アフリカ行きの飛行機便がなかなか元通りに飛ばなかったり、まだ先行きが不透明な状況も残っています。

 

しかし、不確定要素もあったこの生薬Pをここまで進めることができたのも、目標金額に100万円も上乗せしてくださった、支援者の皆さまのお志の賜物以外の何ものでもありません。本当にありがとうございました。

 

この2月には、カメルーンに続きコンゴ民主共和国にも、5年ぶりの再訪を果たし、ボノボたちの様子を観てきました(☚リンク先に写真有)!こちらの協働先、Mbali地区の環境保全NPO法人Mbou Mon Tourの仲間たちも、COVID-19の影響はほとんどなかったけれど、プロポリスPは面白いと言ってノリノリです。

 

何より、養蜂が地元コミュニティに収入をもたらしてくれるようになると、蜂がたっぷり採蜜できるようにと、人々の気持ちも森を守ろうという方向に自然に向くのが良いのです。しかもアフリカの多様性の高いジャングルですから、あらゆる季節にあらゆる花が咲いています。その花と果実が、私たちが守ろうとしているゴリラやチンパンジー、そしてマルミミゾウなど大型野生動物のお腹まで満たしてくれる、こんな豊かな循環はありません。

 

生薬P第2弾が、そんな展開に結びつけられるよう、これからもUAPACAA国際保全パートナーズの活動を見守っていただければ幸いです。

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