アフリカ奥地の感染症対策|生薬事典を作り人々と野生動物を守りたい。

寄付総額

4,047,000

目標金額 3,000,000円

寄付者
228人
募集終了日
2021年3月12日

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2022年10月29日 08:05

2年半ぶりのカメルーンで、フォンゾッシ・チームと初対面!

いつもお世話になっております。UAPACAAパートナーズの岡安です。

この8月~9月に、ヨーロッパのコロナ感染状況も改善してきたのを見計らい、それでもゆく先々で求められる陰性証明やら航空便の減便やら空港の人手不足やらの不確実性にハラハラしながら、カメルーン出張に行ってきました。目的の第一は、昨年12月のご報告に書いた生薬プロジェクトチームの活動の進捗を確認すること。そして、東部州ロベケ国立公園のコロナ禍の状況と、今後、必要な協働の内容を検討すること。

雨季で水浸しのドゥアラに降りる。パリの出発遅延に加え、このあと行列2時間の抗原検査でグッタリ…

 

今年の初めフォンゾッシ博士が日本滞在中に、協力者の武田先生にも面談を果たし、予算の制約のある中でどのように分析が進められるかを、改めて精査しました。その結果、漢方薬の体系に基づいて、カメルーンで治療薬として認められる生薬を、科学的に網羅することの難しさが浮き彫りになりました。

1.カメルーンで生薬の公的な承認を受けるには、抗ウイルス性など確認が必須な生物活性その他、検証実験にそれなりの費用が必要。このため知見を確定できる薬草は、20種からさらに絞り込まれて5種程度。混合の薬効成分を伝統治療薬として国の認可を受けるなら最終的に3種に。

※ まず上記の点がネックになり、当初予算で生薬「辞典」を網羅するには至らず、「3種の薬用植物を混合した薬効が確実な生薬を服用しやすい形に創薬する」ことで、地方コミュニティに手軽な治療薬を提供することを目指します。

 

さらにこの際に、

2.武田先生から提案された「抗ウイルス効果を持つ酪酸菌系の腸内細菌が排出する酪酸の変化を、コロナ患者の治癒の過程で便検査でトレースし、薬効を検証する」「薬用植物の抗ウイルス成分を抽出しウイルスに曝露する」などまさに治験の王道は、ジャングルの村で軽く治療してしまう患者や、ウイルス抽出自体が難しい体制下では不可能であること

3.新型コロナの罹患経路がインフルエンザ等とは異なり、腸から浸潤しつつ肺炎や心疾患を引き起こすメカニズムをたどるらしいことから、既存の漢方の枠組みでも治療効果の科学的知見が万全ではないこと

といった、新しい感染症にまつわる困難も指摘されるところとなりました…。

 

幸いなことにこの2年半、アフリカも中部の国々では、COVID-19の被害はほとんど出ずに済んできました。UAPACAAパートナーズが関係するカメルーンでも、そして今回のプロジェクトを通じて同じように生薬を役立てたいコンゴ民主共和国(DRC)でも、オミクロン株では他の波に比べ若干感染者は増えましたが、死者数は少ないままで終息の方向です。

 

カメルーンでは2020年3月、初めてフランスからの渡航者の感染が確認された際は大騒ぎになりました。しかし厳重な感染症対策の中で着々と検査体制も整えられ、人々はそれらしい症状が出たら町のラボで検査し、陽性だったら村に帰って(安上がりな)伝統生薬の処方をもらって治す、という​​​​​​簡易対処療法でも、他の感染症と同じようにコロナをやり過ごせることを知りました。しかしこうなると上記2.のような患者のトレースは、まずます難しくなります。

 

現地ではほとんど重症化しなかった、という幸運な事実の裏返しとも言えますが、万一、毒性が強まったらどう対処すれば…? 私もフォンゾッシさんも焦りはじめていたところ、武田先生から逆転の発想でアドバイスが。

「蜂がつくるプロポリスが、コロナの予防にも治療にも効果的という論文が出てるから、逆に現地のプロポリスの抗ウイルス性や免疫調整力を調べて、加工に応用すればいいんじゃない? プロポリスは(蜂が採蜜してつくる)天然の植物由来なわけだし、薬効成分も伝統薬用植物と比べられるわよ」

 

なるほど!と目からうろこでしたが、さらにフォンゾッシ博士によれば、カメルーンも西の方では養蜂が盛んで、カメルーン産蜂蜜はヨーロッパで人気だそうで、プロポリスもすでに製品化されている可能性が出てきました。そこでカメルーンの薬学チームの分析第1弾のサンプルの中に、絞り込んだ伝統薬用植物5種に加え、カメルーン産プロポリスも加えて応用力強化です。

9月5日、ドゥアラ大学の研究室で、フォンゾッシ博士とビウォレ博士との打ち合わせ。
机に乗っているガラス瓶入りの液体プロポリスは、岡安の風邪対策用に日本から持参。​

 

予算の制約が予想以上に大きく、「辞典」の完成という最初の目標は難しくなってしまいましたが(現地のコロナの症例が少なくて、結果的に伝統治療法を広く体系的に網羅する意味があまりないこともあります)、具体的な生薬の現場での活用の道筋が見えて胸をなで下ろしました。

 

アフリカの公的機関との覚書の取り交わしは、想像を絶する時間がかかりますが(しばしば”失敗”に終わることすら…)、ドゥアラ大学の研究所とUAPACAAパートナーズの協力協定の締結にも3カ月以上がかかり、代替機関の候補を相談しはじめた5月。突然、「所長から署名入りのMoUが届いたから、Naobi sanも急いで署名して」とのメールが届いて、先に進めることになりました。

 

それからさらに3カ月後、生化学的、植物化学的分析が一段落する9月に向けて岡安も渡航の準備にかかり、無事に「生薬プロジェクト・カメルーンチーム」の面々に対面できたのが上の写真です。このプロフェッサーたちが6月に学生とともにフィールドに出て、5種の候補薬用植物のサンプルを採集。ヤウンデのチームの一員の研究所に送って分析が始まりました。ところがここでも、気候変動の影響か例年になく雨が多くて、分析のためのサンプルの乾燥が進まない!なんていうあるあるのトラブルに見舞われ、ビザやチケットも手配済みなのにと冷や汗をかきました。そして現地滞在残すところあと2日、綱渡りの9月23日には、ヤウンデで日本の武田先生と繋いで、岡安が通訳しながらの検討会も開催することができました。

 

この検討会でも、生化学分析でもっとも薬効が高いと予想された植物は、実はカメルーンではお茶として飲まれている、とか、各地方から苦労して集めたプロポリスのサンプルも、薬効成分はバラバラでやはり採蜜植物の違いに影響されているらしい、とか、生薬以前の興味深い生データが紹介されました。先日、報告書としてまとまったものがフォンゾッシ博士から届いたので、また改めてこちらでもご報告します。

 

そして、今回の出張の後半は、ロベケ国立公園視察でした。ここでもプロポリスに関連して新しい展開が。引き続き、UAPACAAパートナーズの活動にご注目ください!

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