山形の芸術祭会場で演劇『ファウスト』の記録を残し、届けたい。

 

 

みなさんこんにちは。　

ゲッコーパレード制作の河島と申します。

 

前回までは『ファウスト』出演のゲッコーパレードメンバー林よる山形滞在制作記の連載をお届けしました。

「滞在制作」の必要性、『ファウスト』の制作メンバーがどんな生活の中で作品が形作られていったのかを少しでも感じていただけたと思います。

 

現在、映像制作と共に、滞在制作にかかった人件費などの費用のためにもネクストゴールを設定しクラウドファンディングを行なっています。

ぜひ、滞在制作記もお読みいただきご支援について検討いただけたら嬉しいです。
 

 

さて、今回はクラウドファンディングの最高額、12万円(！)の「あなたの土地でも演劇の可能性を探そうコース」についての記事です。

他コースと同じく映像視聴権やパンフレット（PDF）の配布にプラス、ゲッコーパレードメンバーの演出家・黒田によるワークショップ「妄想演劇散歩」の実施のリターンがあります。

 

「妄想演劇散歩...とは......？」という方が大半かと思いますので、私が住んでいる愛媛県新居浜市で8月に実施した「妄想演劇散歩」の様子をご紹介したいと思います！

 

 

新居浜市は四国の中北部、瀬戸内海沿いに位置する人口12万人の市です。日本三大銅山のひとつ「別子銅山（1973年閉山）」があり、現在の住友グループを生んだ工業都市です。

 

そんな新居浜市の新居浜駅前にある総合文化施設、あかがねミュージアムの劇場を出発地点に妄想演劇散歩がスタート。

 

 

まずは黒田から「演劇」ってなにをすること？「演出」って「妄想」することなんじゃない？などなどこれからの散歩のウォーミングアップになるようなお話や、劇場外で演劇を上演することの多いゲッコーパレードの作品についてなどお話ししました。

 

 

劇場の外に出て、まずは館内のオープンステージで周りを見渡しながら建物の構造を活かして上演できそうな作品の提案をしてみます。ここで出たのは芥川龍之介「蜘蛛の糸」。吹き抜けの2階から糸を垂らせそう......と妄想しました。

 

「いま見えている、この風景の中で演劇をするなら」とただただ妄想するのがこのワークショップです。演出家の頭の中を覗いたり、参加者のみなさんにも妄想してもらったりしながら散歩します。

実際に上演ができるかどうかは置いておいて、とにかく妄想をする。これが大事だし、楽しい点でもあります。

 

 

さらに、ミュージアムを出て外へ。まずは駅前周辺を散歩してみます。

 

 

参加者は戯曲執筆の勉強中の方や、地元の高校生、市議会議員さんなどが集まり、演劇に興味がある・なしもそれぞれ。

地元に詳しい方には、どんな経緯で街並みが作られていったのか、昔ここに飲食店があった、こんな思い出が、など教えてもらいながら歩いていきます。

 

 

ぐるっと歩いて今度はミュージアムの反対側にある古墳跡に向かいます。

古墳跡の小高い丘からは市内が一望でき、地元の参加者の方々も実は来たことがないというスポットでした。

 

散歩の終盤に差し掛かったこの頃には、参加者の方々からもどんどん妄想が出てきます。

 

「あの建物は舟に見える」「愛媛には海賊が昔いたから海賊のお話ができるかもしれない」「だとしたらあっちに見える大きいマンションは目指す島かも」「あ！ほんとの島もここから見える！」などなど、妄想も膨らみながら普段生活する中で気付かなかった町の風景を見つけられました。

 

1時間半ほどのワークショップが終わり、ここの丘で解散となりましたが、みなさんしばらく黙って町を見回していたのが印象的でした。

 

 

今回の散歩では具体的な作品の上演の妄想までにはなかなかたどりつけませんでしたが、「こんなシーンが作れそう」「こういう登場人物が住んでいそう」と断片的な演劇の妄想をたくさん出すことができました。

参加者のみなさんはこれから町を歩く時は、今までとはまた違った視点で風景を感じ取ることと思います。

後日参加者の方から「あれからひとりでも妄想散歩を続けています」と嬉しいひとこともいただきました。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました！

公共施設、自治体、もちろん個人の方でも、「妄想演劇散歩」をあなたの町に呼んでみませんか？

日本国内の人里ならどこでも、交通費・宿泊費込みで黒田が伺います。（とってもオトクです。）

 

クラウドファンディングの期間も残り半月となりました。

みなさまのご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。