カンボジアの未来をつくるのは？

　はじめまして。学生団体SWITCH広報部の工藤遼人です。
私は、今年の3月にカンボジアへのスタディツアーに参加しました。海外へ行くのは初めての経験だったので、ツアー中のことを5ヶ月経っても昨日のことのように鮮明に覚えています。　　　
ツアーを通して、今までの自分の価値観と異なる点を多々発見することができましたが、特に豊かさの認識がかなり異なっているということを感じました。それを印象付けたエピソードがあります。
　
　村の学校で遊んでいた際、1台のバイクが校庭に入ってきました。ある1人の子どもに「あれは何？」とジェスチャーで伝えると、黙ってそのバイクへ向かって行き、ジュースを2つ持って帰ってきました。その子どもは私にそのうちの1つをくれました。やってきたバイクはいわゆる移動販売を行っていたのですが、私は申し訳なさと大人気なさを感じ、別の移動販売の屋台でお菓子を買ってあげました。するとその子は、別のお店で再び私にお菓子を買ってくれ、お返しをあげようとすると「いらない」と言いました。つまり、お菓子を私にくれたのは見返りを求めていたのではなく、単純にもてなすためにしてくれた行為だったのです。
その際、私がいかに資本主義的な価値観で生きて来たかということを思い知らされました。お金を持っていることよりも、カンボジアの人々は人を助けることに価値を見いだしており、それこそが豊かであるとしているのだと思いました。
　
　しかし、このような、現代の日本で暮らしていると忘れてしまいそうな尊い価値観を発見できた一方で、同時にそれが失われてしまうという危機感も感じました。
それは、カンボジア国外の巨大な資本力がもたらす影響によるものです。ツアーで滞在した首都のプノンペンでは、中国資本のビルが多く立ち並び、看板のほとんどに中国語が書かれているような状況でした。このような国外の力による急速な変化は、都市部にとどまらず、いずれ農村部に波及していくと思います。もしかしたら、すでに影響を受けている部分もあるのかもしれません。
国が変わる原動力が内部からか、外部からかという差はその後の文化の様子に大きく作用していくと思います。身勝手な意見ですが、私が出会ったカンボジア人の素晴らしい人間性が失われてしまうというようなことは考えたくありません。

　将来を担うカンボジア人の子供たちが、原動力となるためには質の高い教育を受けることが欠かせません。今回のクラウドファンディングを通じて、それが実現されるためにお力添えいただけますと幸いです。