休耕田を復活させて自然栽培したお米を保育園の給食に！

　今日はこのプロジェクトでお米を納めることになる、はなぞの保育園のことについて、書いてみたいと思います。

　昨日、はなぞの保育園（兼ときがわ幼稚園）の園長先生や給食の先生たちにお会いしてお話を伺ってきました。

（園長先生、給食の先生と一緒に）

　はなぞの保育園では、30～40年前から食材をできるだけ地元のもので無農薬有機のものを使ってやっていくようにしてきたそうです。柳瀬園長先生に、どうしてそうしたこだわりを持っていらっしゃるのか伺ってきました。

「私たちの暮らしと言うものは風土に規定されているように思います。砂漠に生きる人たちと、日本のような緑豊かなところで育った人では考え方や暮らし方が違ってくるものです。

　私たち日本人はかつて、食べるものはもちろん、住む家も周りのものでまかなってきました。裏山から木を伐り出して家の骨組みを作り、壁は竹のこまいに泥とわらを塗りつけて作っていました。

　自然の生き物たちは皆、四里四方の中で暮らしています。ですから、私たちの園でも、給食の食材は近くでまかないたいですし、伝統食を大切にしたメニューを、給食の先生たちが手作りで作っています。子供たちの園生活も、一昔前の農家の生活のようにしたいと思っています。

　機械化された現代の大規模農業では、広大な農地に人も生き物の気配もわずかしか見ることができません。これに対して有機農業は、関わる人たちがたくさんいて、いろんな生き物たちがいる。人生と言うのは関わりを持ちながら生きていくものです。そういう意味でも、地元で有機農業に取り組まれている農家さんたちには頑張っていただきたいと思っています。」

　私はこの地に移住してこの小さな農園を始めてから、大変ささやかながら、周りに広がっていた休耕田を少しずつ開拓しながら、田んぼや畑に戻してきました。しかしながら、地力が無く、水はけが悪かったりで、種をまいても作物が育たず、腰を痛めて動けなくなるなど、何度も何度も折れそうになりました。この地で農業をやるのは無理なんじゃないか、自分には農業を続けていく才能が無いんじゃないか、と日が暮れて途方にくれることもありました。

　それでも、こうしてなんとか続けてこられたのは、田んぼの作業にきてくれる人たちや、遠くからメールやお便りで応援してくれる人たち、おいしかったよといって喜んでくれる人たちがいたからだと思います。地元で一緒に苦労を重ねながら、頑張っている就農仲間たちもとてもありがたい存在です。そして、来年から給食で使いたいと言っていただいた保育園の先生たちにも、背中を押していただいたように思います。そういう人たちとの関わりがなければ、こんなにも過酷な仕事は続けられなかったんじゃないかな、と思います。

　園長先生がお話されていたように、有機農業は、単に有機肥料を使った栽培技術なのではなくて、自然と人のつながり、人と人との有機的なつながりのなかで、命ある食べ物を大事に育てていただいていくことなんだなと、身をもって実感しています。

　保育園では、現状はまだ給食に使うお米を全て地元の無農薬米に切り替えるだけの量を集めることができていない状況です。この地域には、無農薬でお米を作っている仲間の農家さんたちも何人かいて、保育園ではそうした農家さんからも少しずつ調達されていますが、みんな、自給分プラスアルファくらいを作るのがやっとと言う状況です。そのあたりの苦労については、また後述したいと思います。
　
　このクラウドファンディングに挑戦を始めて、折り返し地点を過ぎました。これまでに、ご支援をくださいました皆さま、本当にどうもありがとうございます。心より、感謝申し上げます。

　保育園の給食が完全に地元の無農薬米に切り替えられるように、仲間の農家たちとも力を合わせて頑張りたいと思います。クラウドファンディングも残り32日です。これまで23万円の貴重なご支援が集まりましたがあと127万円です。なんとか、このプロジェクトがうまく成立できるよう、皆様のご協力をいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします！！