
支援総額
目標金額 1,300,000円
- 支援者
- 111人
- 募集終了日
- 2022年1月20日
国際会議での研究発表の紹介(要旨)
ベトナムで開催された国際会議で報告しました!
2021年12月20日(月)にベトナムのハノイで開催された、枯葉剤散布60周年を記念する国際シンポジウム、INTERNATIONAL SCIENTIFIC SEMINAR において、本プロジェクトチームの活動および研究について報告しました。

当初は、2021年8月にベトナムでの開催が予定されていたため、私たちも渡航するつもりでおりました。しかし、コロナ禍により無期限延期の判断が下され、その後しばらくは一向に開催の話が届かなかったために、一時は開催そのものが流れてしまうのではないかとさえ危惧しておりました。世界的に感染者の発生状況がやや落ち着きを見せた12月に実施することとなりましたが、より安全に実施するために、ベトナムのメイン会場と各国の発表者をオンラインで繋いだ開催となりました。
ベトナム〜アメリカ〜フランス〜日本を繋いだオンライン会議の様子

今回は、2016年のベトナム・ハイフォン市における現地調査結果に関する発表に続いて、2017年のタインホア省における現地調査結果から、特にジェンダーに関する問題にスポットを当てて報告しました。

私たちの現地調査では、対象となる枯葉剤被害者の家庭を訪問し、被害者本人とその家族を対象にしたインタビューを行います。正確な情報を入手するために、現地の通訳を交え2時間近くの時間をかけて、当事者の生の声にじっくりと耳を傾けます。
インタビューの様子

今回の発表で取り上げた家庭は、第一世代の父親が枯葉剤被害者に認定されたものの既に亡くなっており、第一世代の母親と、第二世代である長男(知的障害者)、次男(枯葉剤被害者に認定)とその妻、第三世代である3名の子どもたちの、合計7名の三世代家族です。第二世代の長男と次男は思うように働くことができないため、一家の収入は受給している助成金以外にはほとんどありません。そのため、若くて健常である第二世代の次男の妻が、全ての家事と介護、育児を担うだけでなく、農作業も一手に引き受けることで一家を支えています。
特徴的なパターンのひとつである家族の紹介

第一世代の母親に対するメインインタビューの後に、第二世代の次男の妻に声をかけ、どのような日常生活を送っているのか、困っていることはどんなことかなどを詳しく聞かせてもらいました。障害者として認定を受けており寝たきりの生活を強いられている第一子をはじめ、成長に遅れが見られる2人の幼子に話しが及んだときには、大粒の涙を流しながら将来を案じる母親の思いを切々と語ってくれました。
7人家族を支える次男の妻がインタビューに回答する様子

その他の家庭でも、一家を支えている女性にインタビューをすると、とても過酷な日常が見えてきます。「親が悪いことをしたせいで、子どもにバチが当たったのだ」とか、「あなたたちの家族がバカだから障害児が生まれたのだ」などと罵られた方々もいました。また、知的障害を伴う子どもたちは、勉強についていくことができないために学校に通えなくなり、さらに地域でも居場所がなくなっていきます。その結果、家の中だけで過ごすようになる子どもが多くなるようです。ある世帯は、親戚の援助を受けられないだけでなく地域からも孤立し、母親と幼い3人の子どもの4人だけでひっそりと暮らしていました。また「子どもが友だちと遊ぶ姿を見てみたい。」と、叶わぬ夢を語るかのように話してくれたお母さんの言葉も忘れられません。理解が得られないコミュニティから疎外され、想像を絶する孤独感に耐えながら、日々の食糧調達に追われる不安な毎日を過ごす方々の言葉は、どれもとても重く苦しいものでした。
生活環境の実態ついて語る女性たち

それでもインタビューを終えたお母さんたちは、子どもたちの前では笑顔を見せてくれます。子どもたちの存在こそが、お母さんにパワーを与え、生きる力となるのです。
母親と子どもたちの様子

インタビュー項目の中に「今、一番に希望することは何か」を問う質問がありました。支給されている助成金だけでは、高額な医療費を含めた毎日の生活をカバーすることが困難なのは明らかです。そのため、金銭面におけるより一層の支援を希望するケースはもちろん多かったのですが、中には次のような回答もありました。
「収入がなく生活が苦しいので、助成金をいただけることは大変助かります。でもお金やモノをもらうよりも、こうやって訪ねて来てくれることの方が嬉しいです。」
「私たちのことを知ってもらうだけでありがたいです。知ろうとしてくれることがとても嬉しいです。」
コロナウイルスの出現により、私たちがベトナムを訪れることはできなくなってしまっています。でもこの翻訳本を出版すれば、手に取ってくださった方々がベトナムの状況を知る機会に繋がっていくはずです。みなさまのお励ましのおかげで、日本にいてもできる支援が、今まさに形になろうとしています。本当にありがとうございます。そしてもうひとつ、願いが叶うとしたら、このベトナムの現状をみなさまからもひとりでも多くの周囲の方々に語り伝えていっていただければと思います。みなさまの温かい思いが、さらに大きな輪になっていくことを願って止みません。
現地調査で出会った多くの被害者の方々、彼らを支えているご家族のみなさまのために、できることや優先されるべきことは何なのか。その答えを探しながら、枯葉剤被害者の方々とそのご家族にとって、少しでも穏やかで安心できる毎日を過ごせる日が来ること目指して、私たちはこれからも活動を続けていきたいと思っています。
桑原 真弓(文責)
インタビュー後の交流風景

リターン
3,000円
お礼の手紙と会の活動報告書
お礼の手紙と会の活動報告書(PDF形式でメールで送付)
- 申込数
- 26
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年3月
5,000円
ベトナムの絵はがきセット
・お礼の手紙と会の活動報告書(PDF形式でメールで送付)
・ベトナムの絵はがきセット
- 申込数
- 15
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年3月
3,000円
お礼の手紙と会の活動報告書
お礼の手紙と会の活動報告書(PDF形式でメールで送付)
- 申込数
- 26
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年3月
5,000円
ベトナムの絵はがきセット
・お礼の手紙と会の活動報告書(PDF形式でメールで送付)
・ベトナムの絵はがきセット
- 申込数
- 15
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年3月

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- 500円
- 支援者
- 1人
- 残り
- 17日

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