あしながサンタX'masプロジェクト2022

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「ウルトラマンって、なんで命がけで私たちを守ってくれるのかな？」

 

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フードバンクと云うボランティア活動に取り組んで来た中で、次の様な言葉を掛けられることが度々ありました。

「ボランティアって、結局自己満足だよね。」

「ボランティアは、Win-Winの関係をつくらなければ長続きしない...」

「ボランティアは、自己犠牲ではいけない。」

 

主義や思想はもちろん個々人の自由なのですが、コロナ禍で食にも事欠く厳しい生活に陥ったひとり親家庭等へ、日々食品や衛生用品等の緊急援助に取り組んでいる中では、どれもピント外れの言葉を投げかけられた気がしました。

 

当会の山下会長が、ある寄贈式に列席した際に述べたお礼の言葉の中で、フードバンクのボランティアや寄付者･寄贈者のことをアンパンマンになぞらえたことがありました。

 

やなせたかしさんが自ら「世界一弱いヒーロー」と評したアンパンマンは、自分の顔を分け与え、自己犠牲の上に正義を貫くヒーローとして描かれ、「自分が傷つくことなしに正義を行なうことはできない」という、戦争で学んだやなせさんの持論に基づいているといわれています。

 

 

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そうだ　おそれないで

みんなのために

 

愛と　勇気だけが

ともだちさ

 

（アンパンマンのマーチ／作詞：やなせたかし）

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急激な新型コロナウイルス感染症拡大下で活発化するフードバンク活動に対する内外からの批判と非難、感染リスクと闘いながら、SOSがあったご家庭に向かう車中でよくこのフレーズを口ずさみました。

 

食品のお申込みの際に聞いた、幼い子どもが居る、中高生の食べ盛りの子どもが居る、など家族構成の情報を確認しながら訪問に向かう道中、少なく無いボランティアスタッフは持参した食品BOXに加えて、幼い子が居れば喜びそうなお菓子を、食べ盛りの中高生が居ればハンバーガーを、娘にフルーツやサラダを食べさせてあげたいと聞けば果物やレタスなどを自腹で買い、付け届けてきました。

 

また、日々増え続けるSOSに寄贈食品や活動資金が追い付かない現場の窮状を知った方が、趣旨にご賛同くださり一ヶ月の間に何度も食品の寄贈や寄付金を持って来られ、活動の継続をともに支えてくださいました。

 

 

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誰もが　勇気を

忘れちゃいけない

優しい　心を

忘れちゃいけない

（ウルトラマンレオ／作詞 阿久悠）

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映画『シン・ウルトラマン』を観に行った後、ウルトラマン（ヒーロー）がなぜ命懸けで人を救うのかと云う問いと、フードバンクのボランティアがなぜ命懸けで人を救うのかと云う問いとを重ね合わせてみました。

 

昭和のヒーローの特徴として、

①正義を貫く勇気（内発性）

②自己犠牲（非対価性）

③どこの誰かは知らない（匿名性）

などが思い浮かびましたが、そのどれもが、自己満足やWin-Winという価値観からは生じない様な気がしました。

 

 

子どもの頃に観て、強烈に記憶に刻まれたアニメのストーリーがあります。

 

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星を脱出するための宇宙船を動かすために必要なカルシウムは未だ入手できていなかった。

全員を船に乗せたフューチャーは、僅かにカルシウムは手に入れてあるので離陸だけならできるといい、別れの挨拶をして機関室に向かう。

実はフューチャーは自分が犠牲になって骨の中のカルシウムを使うつもりだった。

 

ところが、それに気づいた船員のマクリントンがフューチャーの考えは解っていると言って工具でフューチャーを殴って気絶させ、自分がサイクロトロンの中に入り身代わりになったのだった。

 

（キャプテン・フューチャー：星くずのスペースマン／原作：エドモンド・ハミルトン）

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３年前、子どもの未来応援プロジェクトに取り組み始めて、永らく忘れていた上記のストーリーを思い出しました。

 

食品をお届けしたひとり親家庭の親御さんが、子どものためにダブルワーク、トリプルワークで自分の身を削っている姿や、子どもが、親や兄妹を支えるために進学を諦め就職する姿。

 

病に冒されながら亡くなる直前まで子どもたちを支え続けた先輩の後姿に触れ、「自分が傷つくことなしに正義を行なうことはできない」という自己犠牲のヒーロー像とともに、生き方を学びました。

 

 

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サンタクロースのモデルは聖ニコラウス。

 

聖ニコラウスの聖伝には弱い者を助けた話や、信仰の弱い者を教えて真理を守らせた話が数多く残っている。特に弱者を助ける際には、他人に知られないように行う事が常であった。

 

伝説では、「ある時ニコラウスは、貧しさのあまり三人の娘を身売りしなければならなくなる家族の存在を知った。ニコラウスは真夜中にその家を訪れ、窓から金貨を投げ入れた。このとき暖炉には靴下が下げられていており、金貨はその靴下の中に入ったという。この金貨のおかげで家族は娘の身売りを避けられた」という逸話が残されている。

 

（出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』）

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正義を貫くには勇気が要ります。本当の勇気は外的動機付けを必要としません。自らの生き方が弱いもの、困っているものを素通りできないからです。

 

「サンタクロースは本当にいるの？」という子どもたちの問いに答え、子どもたちが希望に向かう勇気に応え、今年も、新潟県内外から多くのあしながサンタさんが子どもたちのもとを訪れてくださったことに感謝いたします。