プロジェクト終了報告

2019年02月05日

      チミパン農場でモデル農場建設がスタート

     循環型有機農業支援事業inブータン

    クラウドファンデング成功のお礼とご報告

皆様のご支援を受けた募金は目標の700万円を超える下記の金額となりました。本当に有難うございました。ところで、この金額には銀行口座に直接払い込んで頂きました約350万円の募金が入っております。ご承知の通りこのクラウドファンデングはオールorナッシングという方式で目標金額に到達しない場合、プロジェクトは成立しないとみなされ、皆様の募金が返還される仕組みでした。そのことに気付かず、折角の善意を無に帰しては申し訳ないとの思いで、直接振込金からクラウドファンデングに入金することとなりました。そのため、クラウドハンテング会社への新たな支払いが発生し、皆様には申し訳ないことをしてしまったこと、お詫び申し上げる次第です。

さて、12月19日締切のクラウドファンデング資金の残高を確認して、当初の予定通りストーンクラッシャーと65馬力トラクターを購入し、チミパンの王立農場への納品手続きを取りました。大変残念なことでしたが、当初予定していた1月26日から2月3日までの有機水田造成事業の予定期間には現地に到着せず、2月8日になることが判明したため有機水田づくりの作業を延期せざるを得ませんでした。しかし、そのことが却ってよい成果をもたらしましたことをご報告いたします。

現地ではストーンクラッシャーによる有機

 

  摘   要

金  額

 

収入

クラウドファンデング

7,579,000

預金口座直接振込額

254,000

現金受け取り

 74,223

収入総額

7,907,223

 

 

 

支出

ストーンクラッシャー

3,800,000

クラッシャー運送費

498,533

トラクター手付金(75%)

1,300,000

搾油機手付金(45%予定)

1,000,000

搾油機運送費(予定)

300,000

クラウド手数料(12%)

909,480

クラウド謝礼品

840,014

当初支出額(搾油機除く)

7,348,027

支出総額(搾油機を含む)

8,648,027

 

差額補填額(一部立替)  

2,640,804

内未払金(TRC・搾油機)

1,900,000

水田の整備に欠かすことの出来ないため池の整備がまだ完成しておらず、肝心の水門が出来ておりませんでした。次回訪問の3月25日までに水門を作り、ため池に出来るだけ多くの水を貯めて置くことや水門の構造と作成上の留意点などを打合せてきました。若手の職員に熱心に聞いていただき、次回訪問時には成功できるという確信が持てました。また、循環型有機農業の中心施設になる搾油機をどこに設置するか、農場長と検討したところ適切な場所を指示して頂き、後日、設計図をお送りして建設に取り掛かる手はずを整えました。

搾油機に付いては現地での調達を優先する考えで、パロにある農業機械化センターの搾油機で大豆の搾油が可能かどうかを検討してきました。予想したとおり、手入れもされず錆びたままの状態で放置され、加熱装置を付けなければ大豆は搾れないとの説明を受けました。大変残念なことですがブータンの搾油機は断念し、予定通り韓国製の搾油機を購入することとしました。韓国製の搾油機を購入するとなると260万円の予算オーバーとなります。今後のことも考え、一時立て替えの形で購入し、大豆油や発酵肥料の販売代金で支払って頂くようお願いしたいと考えております。

今回の訪問は、有機水田の造成事業の準備だけでなく、プロジェクトの最終年を迎え、生産した有機米や有機大豆・有機麦などをどのように加工・販売し、自給率の向上に結び付けていくかを検討する訪問でもありました

 

    幸福の国ブータンで始まった地域創成事業

       ―有機味噌づくりのスタートー

 

除草剤を使わずに、田んぼに入らず草を取る技術の移転と収穫量を1.5倍にする技術はほぼ達成されましたが、最終目的の地域創成という課題は有機農産物を加工し、販売し消費者に提供する一連の連携事業です。そのためには地元の方々の新たな参加が必須の条件でした。

今回の訪問でティンプーの市場近くに出店している「颯ラーメン」に出会うことが出来ました。自慢の味噌・醤油ラーメン・餃子を頂きました。標高2300mというティンプーでは沸点が95℃とのこと、そのためにお米の芯が残り、麺もべとつきやすくなるという予想外のことを乗り越え、一切の添加物を使わず自家製面で提供する、実に安全と地元産に拘ったラーメン店でした。こんなラーメン店が日本にあったらなーとの思いでオーナーのツェリンさんと桜井清香さんにお聞きしたところ、奥さんの桜井さんのご実家はなんと茨城県桜川市の著名な有機農家とのこと。ご主人は香川県の大和製麺所で修行して、開店した努力の人でした。

地元食材をと願いながら実現していないのがもっとも大切な小麦粉と味噌とのこと。早速パロの有機農家が栽培した「カナダ小麦」を見せたところ、脱麩機がないために精白粉が出来ず、インドからの輸入品に頼らざるを得ないとのことでした。もし脱ぷ機が手に入るなら、新規の製粉事業所として若者が活躍する場面が増えることになります。運転と通訳をして頂いたドルジ氏が自宅の農地で製粉所を開業したいとの希望でした。もしこれが実現すればブータン初の有機農家とコラボする製粉所として有機小麦粉を製品化する施設となることは確実です。

味噌もチミパンの大豆を使って有機の味噌づくりができればまさに地元産の味噌ラーメンが実現することになります。今回の味噌づくりはパロの有機農家からササニシキを購入し、ユシパンの有機農業試験場での麹づくりからスタートしました。車で移動しながらの麹づくりが果たしてうまくゆくのか不安を抱えながら、チミパンの王立農場で作った有機大豆(エンレイ)で味噌つくりが始まりました。標高2300のティンプーでは圧力釜でないと大豆が煮えないとのこと、標高1800のチミパンで上手く煮えるか、現地の方の4時間に亘る煮炊きで、無事柔らかな煮大豆が出来上がりました。

米袋に入れた米麹も予定よりも早く出来上がり、ティンプーから駆け付けた颯ラーメン店の従業員全員の参加で味噌つくりの最後の作業が無事終了し、家に持ち帰って熟成させることになりました。10月最後の訪問でプロジェクトは終了になりますが、地元の食材による有機100%の味噌ラーメンを試食する見通しが出来ました。日本でも実現していない世界初の試み、ご都合が付きましたら是非ご参加下さい。

 新たな出会いは、もう一つありました京都大学でドクターを取られた小林舞さんです。ブータンで出張調査の最中とのこと、パロでお会いすることが出来ました。大らかな暖かい感性をもった方で、ブータン王国の有機農業政策の展開を農村調査を交えてまとめたとのこと。農家の知り合いが多く、有機農業を真剣に考えている農業者を紹介して下さるとのことでした。お米の品質改善の課題も含め、有機農業による自給率100%への道を一緒に考える仲間が増え、みなさまのご支援による後押しによって、官民一体の循環型有機農業の推進の見通しがついてきました。本当に有難うございました。

 次回訪問時の3月25日にはストーンクラッシャーとトラクターによる有機水田の整備と搾油機の導入による有機質肥料の制作に取り掛かってまいります。詳しいご報告会を2月16日(土) 午後1:30~5:00 栃木県宇都宮市のコンセーレ(栃木県宇都宮市駒生1-1-6 ℡0286241417)で開催します。詳しくはホームページhttp://inasaku.org をご覧ください。