水族展示復活へ！トンネル水槽再生にご支援を｜琵琶湖博物館【第1弾】

　トンネル水槽に泳いでいた魚を紹介するシリーズ「トンネル水槽の魚たち」の第3回は、イワトコナマズです！イワトコナマズは、体長50～60cmほどになる琵琶湖固有種で、琵琶湖の岩礁地帯で進化したナマズです（写真 1）。ナマズの仲間は、大型の肉食魚で水域生態系の頂点に位置する存在です。肉食性の近縁種が複数共存する場所は、なかなかありません。しかし、琵琶湖では、ナマズの仲間が3種類も共存しています。このことは、琵琶湖の生態系がいかに豊かで、それが連綿と続いてきた、まさにその証と言えるでしょう。

　さて、イワトコナマズは、その名の通り、岩の床がある岩礁地帯に生息しています。イワトコナマズに最も近縁な種は、2018年に当館の田畑学芸員らによって新種記載された日本で4番目のナマズ・中部地方に棲むタニガワナマズです。タニガワナマズが好んで生息する谷川（川の上流）も岩の多い環境です。湖と川という違いはありますが、岩場を好むという近縁種間で共通点があることは興味深い点です。

　トンネル水槽には、約10尾のイワトコナマズが入っていました。中には、漁師さんから‟ベンテンナマズ“と呼ばれることもある色彩変異（体色が黄色くなった）個体もいました（写真 2）。ベンテンンナマズは、竹生島に祀られている弁財天のおつかいと言われ、昔から大切に扱われてきました。

トンネル水槽の水を抜いている間、トンネル水槽にいたイワトコナマズは、前回紹介したウグイと同様、バックヤードの大きなろ過槽で飼育されています。しかし、イワトコナマズは固有種ゾーンの水槽で展示しているので、見ることができます。水族企画展示室では、ベンテンナマズも展示しています。水族企画展示室でのベンテンナマズの展示は、期間限定ですので、ご覧になりたい方はお早めにお越しください。

　クラウドファンディングの返礼品には、水族バックヤードツアーも含まれています。10万円以上のコースでは、普段見ることのできないろ過槽やストック水槽の見学もしていただけます！

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