このプロジェクトでは継続的な支援を募集しています
「防衛技術博物館を創る会」のマンスリーサポーターを募集します!
テキサス州の九七式中戦車の排気管は貴重です!
今回、我々がみなさまのご支援を活かして里帰り交渉に臨んでいる九七式中戦車の来歴は不明です。米海軍の試験場から配置替えとなり、射爆場の標的となっているのを見出されて、この博物館に来たことは判明しております。
射爆場で標的になっていたというのがミソでして、キャリバー50機関銃やロケット弾などの着弾が数えられる程度で、内部は分解してみないと判りませんが致命的な部分に命中していないことを祈るばかりです。
これが戦車砲射撃の標的であれば、半年も経たずに影も形も無くなっていたことでしょう。様々な偶然が重なって里帰りの道筋が薄っすらと見え始めた新砲塔チハをなんとしても連れて帰りたいという気持ちで3月21日の交渉に臨みます。・・・が、相手のあることですから、結果は全く予断を許しません。会談の様子は現地から結果報告をさせて頂く予定です。吉報をお待ちください。
さて、今回は片側だけ残っている排気管のお話しです。
まずは、安全対策の遮熱版注目です。当時の解像度の悪い白黒写真を穴の開くほど眺めると、丸ではなく四角だと判るのですが、厚みや穴の大きさは現物が残っていれば一目瞭然。複製するさいに現物に勝る資料はありません。
同じく、テールパイプの放熱穴の大きさや数と並びも現物があれば正確に再現可能です!
そして極めつけは消音器の内部構造が残っていること!薄い鉄板で熱が常時加わるマフラーは傷みやすく、自動車でも欠損する確率が高い部品です。昨年3月にこの部分を覗いて興奮している謎の東洋人を見て、博物館のスタッフは何を思ったのでしょうか(笑)
あれから一年が経過して、交渉自体は続いていることを考えると、実はアメリカ人も「こいつ解ってるな!」とほくそ笑んでいたのかもしれません。趣味の世界は思想信条(右も左も)、肌の色も年齢も関係ありません。この戦車をもう一度走らせたい!その想いを共有できれば、きっと里帰りは実現すると信じて突き進むのみであります!
実行者:小林 雅彦