こんにちは。ジーエルエム・インスティチュートの井村です。

 

プロジェクトがオープンしてから1週間が経ちました。おかげさまで目標額の約半分を集める事が出来ました。ありがとうございました。成功を目指して引き続き頑張りますので、今後とも宜しくお願いします。

 

今回はケニアの初等教育の現状について投稿致します。今回のプロジェクトに直接関わる内容ではないのですが、教育の「質」という点においてはオルビリ小学校も同じ問題を抱えています。本プロジェクトを通してケニアの現状についても知って戴きたいので、是非ご一読戴きたいです。

 

また、本内容は当団体のFacebookのページで先日アップしたものでもあります。当ページではフィリピンでの当団体の活動についてもアップしておりますのでもし宜しければそちらの方にもお越しください。

 

「ケニア/ロイトクトクの初等教育の現状について」

こんにちは。GLMIケニア/ロイトクトク駐在員の井村です。ケニアに来て3か月経ちました。今回はケニアの初等教育の現状について書きたいと思います。ケニアでは日本と同じように公立小学校と私立小学校があります。2003年から初等教育が無償化されたので公立小学校は無償、私立小学校は当然有償です。金額は学校により差がありますが、調べた限りでは15,000円~50,000円/年、寮込みで90,000円/年です。これはケニアの一般家庭には結構な負担でして、裕福な子どもしか私立に行けません。

 

ケニアの教育制度は初等教育8年、中等教育4年、専門学校・大学2~4年間。エリート層はその後、修士や博士課程を目指すのに対し、貧しい家庭の子どもは小学校を中退してしまう事も少なくありません。8年生は1年の終わりにKCPEという全国統一修了試験を受けまして、学校毎の平均点がはっきり出て来ます。この成績は教育の質の尺度の一つとされているのですが、私立がトップを独占しています。ロイトクトクは約90の小学校がありますが、トップと最下位の差は5教科(スワヒリ、英語、算数、理科、社会)500点満点中200点程あります。KCPEの結果は子どもたちの資格のようなものになり、進路についてまわります。ゆえに裕福な子は私立でどんどん優秀になり、貧しい子は公立しか行けず教育水準が低いまま。そしてこれが将来就ける仕事の差にもなります。

 

オルビリ小学校1年生 スワヒリ語の授業中

 

この私立と公立の教育の「質」の差はどこから来ると思いますか?教員指導力、設備、環境、インフラ、色んな要因があるのですが、今ケニアで一番指摘されている問題に「教員不足」があります。殆どの公立学校では教師の数が圧倒的に足りていません。公立小学校の教員は政府から派遣されるのですが、教育に回される予算が少ないとの理由で教育担当の省庁は、各学校が必要とするのに十分な教員数を採用しません。ロイトクトクで一番ひどいケースだと生徒300人の学校に対し、校長先生1人のみ派遣。1人が300人も教えられるわけありませんよね。しかも校長先生だけって。

 

このような現状の中で多くの小学校では親からお金を徴収して私費で先生を雇っています。費用は学校によりまちまちですが、子ども一人につき600円~3000円/年を親から徴収しています。安いと思いますか?でもこれは遊牧を生業とするマサイ族にとってはかなりの負担なんです。払えていない親も多く、その場合校長先生が自費で教師を雇っています。でも校長の給料も安いのです。現場ではこういうギリギリの運用をしてなお、教師一人が50人以上の生徒を担当する事も多く(私立は30~40程度)、ひどいところでは100人の生徒を教えなければなりません。教員不足により子ども一人一人にきっちり教える事が出来ていないのです。しかしながら、「教員不足=教員を志す人が少ない」訳ではありません。むしろ教員を目指す若者は多いです。しかし「予算不足」により国が教員を増やさないので、教師になりたい若者は国から声がかかるのを待たねばならず、仕方なく他の仕事に就きます。

 

昼食中の教師達 メニューは煮込み野菜とチャパティ

 

この「教員不足」に対して援助機関が出来る事はまず、お金を払って先生を雇ってあげる事です。実際にそれを校長から嘆願される事もよくあります。ただ、こちらがお金を払って先生を雇っても、お金が尽きれば元に戻ります。サステイナビリティの観点からそのような支援を行う援助団体は無く(少なくともロイトクトクでは)、この問題に関して直接的な対応が打たれないまま、現場が踏ん張っているというのが現状です。僕たちのプロジェクトも「教員不足」をターゲットにはしていません。

 

また、「予算不足」と書きましたが、実際にそうなのかは「?」です。ケニアのGDPはアフリカ50数か国の中ではトップ10に入ります(それでも日本の1%ですが)。つまり経済成長はある程度のレベルで果たしているのです。なので原因は国が貧しいからでは無いように思えるのです。貧富の差を見ても富の再分配は機能していませんし、汚職もひどく、かなりのお金が政治家や上級公務員の懐に流れ込んでいるといわれています。また、地方分権もうまく行っておらず、財政と政策決定の分権の度合いが全く嚙み合っていません。(財政面だけ地方政府に権利を与えて、政策決定については中央集権。財政分権化は聞こえは良いが、要は税収を増やす努力を地方にぶん投げたのです。そしていきなりぶん投げられた地方政府にそのようなノウハウや能力は未だありません)そもそも生徒/先生の数のバランスが悪化したのも、政府が初等教育無償化で生徒の数を増やす事を後押ししたにもかかわらず、教員増員を凍結したからです。汚職、地方分権、政策による影響。如何にガバナンスが重要であるかを改めて感じています。

 

若手教師

 

ガバナンスについては他にも多くの問題を引き起こしていますが、それらについてはまた次回書かせて戴ければと思います。もしコメントが御座いましたらお気軽にメッセージをください。宜しくお願いします。

 

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