戦後復興の生き証人、九五式軽戦車改造ブルドーザーを次世代へ!

支援総額

18,330,000

目標金額 15,000,000円

支援者
783人
募集終了日
2024年4月26日

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プロジェクト本文

 

第一目標達成の御礼とネクストゴールについて

 

おかげさまで、622人もの方々よりご支援をいただき、4月23日に第一目標金額である1,500万円を達成することができました!心より御礼申し上げます。

 

世間に知られていない「ハ号ブル」の修復プロジェクトとあって、本当に達成できるのかと不安な日々を過ごしておりました。
それでも、4月7日に御殿場で実施した見学会には多くの方々がご来場くださり、「ハ号ブル」を次世代へつなぐ本プロジェクトに対して、連日ご支援とともにあたたかな応援のお言葉を寄せてただくことができました。
いつも私たち「防衛技術博物館を創る会」の活動を支えてくださる皆様へ、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

 

皆様からのご支援によって、この歴史を語る生き証人の謎を解き明かし、次世代へとつないでいくことができます。
「ハ号ブル」が当時の状態に戻り、戦後復興を支えた力強い姿を皆様にご覧いただける日を、私も今から心待ちにしています。

 

さて、今回のクラウドファンディングも4月26日(金)午後11:00で終了と、残りわずかな期間となりました。
先日もお知らせさせていただきましたが、私たちは今、「九七式中戦車新砲塔」という新たな車体を、米国から里帰りさせる計画を進めています。
こちらもまた、いずれ(仮称)防衛技術博物館に収めることとなる歴史的な資料です。

 

そこで、引き続きネクストゴールとして2,000万円を設定し、「九七式中戦車新砲塔」の無償譲渡の条件となる「九五式軽戦車実物大模型」を整備し、米国へ送り届ける費用に充てさせていただきたいと考えております。
(里帰り計画の詳細はこちらの記事をご覧ください。)

 

また追加でいただくご支援金の一部は、「ハ号ブル」を最適な環境で保管し、定期的に一般公開できる仮置きの場所の費用にも充てさせていただきます。
こちらはまだ場所を探している最中ですが、最適なところが見つかり次第、すぐに押さえられる準備をしたいと思っております。

 

一歩ずつ着々と、皆様と一緒にこれからも夢の実現に向けて歩みを進めてまいります!
最後まで変わらぬご支援と情報拡散へのご協力を、何卒よろしくお願いいたします。

 

2024年4月23日追記
小林雅彦

 

 

1950年代、終戦後の日本が復興に向けて立ち上がる中で、人々を支え続けた車両があったことをご存知でしょうか。

 

戦車を改造した「戦車ブルドーザー(更生戦車)」は、その当時は治水工事や開拓事業に欠かせない機械力として活躍しましたが、1954年以降には急速に姿を消していきました。車両に関するまとまった記録も存在せず、今では断片的に細々と語り継がれているのみです。

 

そんな幻の戦車ブルドーザーの内の1体、九五式軽戦車を改造した「九五式軽戦車改造ブルドーザー」が、今から10年ほど前に北海道の片隅で再発見され、縁あって私たちが入手することとなりました。


今回4度目となるクラウドファンディングでは、この九五式軽戦車改造ブルドーザーを次の世代にお渡しできるように修復作業を行い、その分解・組み立て過程でオリジナル車体の調査も実施しようと計画しています。

 

✔️ 錆を落とし、腐ったキャビンは再製し、元の色で再塗装することで、前オーナーが昭和50年ごろに最終形態ともいえる現在の形状に仕上げた時点に時計の針を戻します。

 

✔️ 九五式軽戦車4335号車の修復時の情報と比較しつつ、戦車改造ブルドーザーのベース車両の情報を収集記録します。

 

修復には約1年の期間を見込み、2025年のGWに御殿場市内で修復完成お披露目会を開催する予定です。その後は御殿場を含め全国各地のイベントでの定期的な公開を行い、最終的には2027年に開館予定の(仮称)防衛技術博物館にて収蔵展示いたします。

 

日本の復興を影で支えつつ姿を消した、この不遇な車両に再び光を当て、次世代へと受け継ぐためには、皆様からのお力添えが今どうしても必要です。ぜひあたたかいご支援を、何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

戦後復興の生き証人を、次世代へ残したい

 

ページをご覧くださりありがとうございます。NPO法人「防衛技術博物館を創る会」代表の小林雅彦です。これまで3度にわたりクラウドファンディングに挑戦してきた私たちは、このたび新たに「九五式軽戦車改造ブルドーザー」を修復し、次の世代へとつなぐためのプロジェクトを立ち上げました。

 

|九五式軽戦車改造ブルドーザーとは?

 

戦後、製造メーカーの手により戦車や牽引車から改造されたブルドーザーの総数は数十台、あるいは数百台規模だったのではないかと推定されますが、正確な資料は発見できません。当時の新聞記事や製造現場写真をみると大量生産ラインというには程遠いですが、手工業的ながらも、かなりの数の戦車が広大な軍需工場跡地で改造されている様子が判ります。

 

敗戦に打ちのめされ、無い無い尽くしの我が国にとって、戦車を改造したブルドーザー(更生戦車)は治水工事や開拓事業に欠かせない機械力として、その車両整備運用をできる人材と共に戦後復興の槌音に機械力で大きく貢献したことは間違いありません。

 

広島県三原市で河川工事に活躍する更生戦車。
鳥取県大山香取地区で開墾作業に当たる更生戦車。

 

全国各地で活躍した戦車改造ブルドーザーの活躍期間は戦後復興期の数年間に限られ、1954年(昭和29年)の国連復帰後は米軍払い下げ車両や、舶来品の建機が活躍し始めると共に、急速にその姿を消して行きました。

 

時代が戦後復興から華やかな高度経済成長へ移り変わる時代の大波の陰で、スクラップとして溶断され鉄くずとして引き取られてゆく姿は、無意識にその運用にあたる人々は目にしないようにしていたのか、その最後の様子はほとんど記録されていません。おぼろげながら戦後復興の様子を知る人々の記憶の片隅にだけ、断片的に想い出として残り、細々と語り継がれて来ました。

 

|北海道で生き残った1台との出会い

 

そんな、更生戦車の最後の生き残り*は今から10年ほど前に、北海道の片隅で再発見されました。日本陸軍の主力戦車であった九七式中戦車を改造した更生ブルドーザーがその中心であったのですが、今回当会が入手した個体は一回り小さい九五式軽戦車を改造した車両です。

 

九七式中戦車より小型軽量で取り回しが楽であったこと、また除雪需要があったことと、厳しい自然環境下で機械力は少しでも多く(一台でも多く)あった方が良いという、広い北海道ならではの活躍の場所が残されていたことが、昭和から平成を挟んで令和の時代まで生き残った大きな理由の一つです。

 

*出典:https://trafficnews.jp/post/128873

 

2023年9月、北海道から静岡県御殿場市に移送完了した際の様子。
九五式軽戦車の車体に、小松製ブルドーザーの排土板が改造取付されている。
その足回りは、戦車そのままに往時の姿を残している。
操行装置点検ハッチは、戦後改造時に切断されたものを、昭和50年に再度溶接して繋いだ痕跡が残る。

 

この個体は戦前~戦中にかけて2300台以上が製造された九五式軽戦車をベースに、戦後製造メーカーで改造され更生戦車として林野庁に納品されたそうです。その後、地元の製材所に払い下げとなった際にブルドーザーの外見的特徴といえるドーザーブレード(排土板)を取り外され、牽引車として材木の引き出しや、アンカー車として長らく活躍していたそうです。

 

この間に昭和40年頃にはエンジンが力尽き、オリジナル三菱製空冷ディーゼルエンジンA6120VDe型から、いすゞ製水冷ディーゼルエンジンDA120型へ載せ替えられています。そして昭和40年代後半に廃車となり、スクラップになる寸前に前オーナーが引き取り、コマツ製ブルドーザーのユニットを移植して現在の姿に改造を果しました。これが昭和50年頃のことです。生き残った一番大きな理由は、この前オーナーが惜しみない愛情を注いでメンテナンスしてくれたからに他なりません。

 

腐食が進むエンジンデッキ周辺は新たに作り直しが必要。

 

「戦車ブルドーザー」とのご縁のはじまり

 

2009年に防衛技術博物館設置への活動を始めた際に、地元で開催されたイベントに静岡県沼津市在住の丹羽次郎(にわじろう)さんという、戦後に九七式軽戦車を改造したブルドーザーで西日本各地の工事現場を走り回った方から、当時のお写真を交えてお話を伺ったことから「戦車ブルドーザー」とのご縁が始まりました。戦車マニアを自認する実行者小林も、丹羽さんが持参されたアルバムを拝見して、工事現場にエンジン音が響き、排気ガスの臭いが漂うような臨場感をはじめて感じることができました。

 

丹羽さんは、昭和14年に16歳で下丸子の東京三菱製作所に入社、その後昭和20年7月に応召するまで約6年間を戦車製造現場で過ごされた経歴を持ち、戦車のエンジンの試験や、完成車両の試運転が主な仕事であったことから、終戦後は元上司の紹介で戦車改造ブルドーザーの操縦と整備を職業とされたそうです。お話を伺ううちに、当時の一番の想い出の開拓場所であった鳥取県大山香取地区へ一緒に取材旅行にも出かけることになりました。その際の記事は「戦後の日本戦車」(カマド出版)に収録されています。

 

丹羽さんのアルバムを拝見するまでは、建設会社や鉄道・バス会社の社史などに戦後復興期は戦車改造ブルドーザーを使っていたという一文と、小さな写真を目にする程度だったので、本当に貴重なお話を伺うことができました。このご縁が「戦車ブルドーザー」への我々の想いが深まるきっかけであり、その後に北海道で再発見された九五式軽戦車改造ブルドーザーへとつながる物語の序章となったのです。

 

広島県三原市の河川工事現場にて、上段右端が丹羽次郎さん。
左から二番目が丹羽次郎さん。
屋外でエンジンを取り外し、重整備を行う丹羽次郎さん(写真右側)。

 

|次世代へ残すため、4度目のクラウドファンディングへ

 

今回の修復作業は、前オーナーが昭和50年ごろに最終形態ともいえる現在の形状に仕上げた時点に時計の針を戻し、その状態で次の世代にお渡しできるように錆を落とし、腐ったキャビンを再製する。その分解、組み立て過程でオリジナル車体の調査も実施しようという計画です。

 

エンジンは戦後のいすゞ製に換装されていますが、80年前の操行装置で立派に動きます。
排土板は横幅275cmあるので、輸送時は取り外す必要があります。
排土板は三か所のピンで着脱可能で、機材さえあれば15分程度で作業完了します。
こうやってみると、前オーナーのデザインセンスが光ります。昭和の特撮メカみたいです!
エンジンを始動すれば、排土板は問題なく上下に稼働します。

 

修復と調査の計画

 

✔️ 修復:エンジンやミッション、操行装置などを車体から取り外し、車体内部の錆落としと防錆処理と再塗装を実施します。

 

✔️ 修復:ブルドーザー部分やサスペンションなども一度取り外して、錆落としと再塗装など必要な修理を実施します。

 

✔️ 修復:片側4つある転輪の内1つはゴム部品が欠落しているので、愛知県豊橋市の支援者様から寄贈いただいた程度の良いオリジナル部品又は、英国から帰国した4335号車用の予備部品(複製新品)と交換を実施します。

 

✔️ 修復:擦り減って変形した履帯ピンは全量新造して交換、その際に楕円形に広がってしまった履帯の穴を全て一回り大きく切削加工します。この穴にあわせて一回り太い履帯ピンを新造するか、穴にスペーサーを打ち込んでオリジナルサイズの履帯ピンを再生産するかの判断は、戦車や装甲車の履帯修復の専門業者様に判断をお任せして作業実施します。履板は片側90枚、一台分180枚です。

 

 

✔️ 調査:前回里帰りを果たした九五式軽戦車4335号車の修復時の情報と比較しつつ、戦車改造ブルドーザーのベース車両の情報を収集記録します。特にオリジナル塗装の残る部分があれば、その記録を残すことや、製造メーカーの特定に結び付く情報(車体番号の打刻探しや銘板など)の調査は必須項目となります。

 

✔️ 修復:昭和50年頃に前オーナーが手作りしたギャビンとエンジンルームの蓋などは腐食が酷く、原形を留めていない部分もあるので、フレーム構造はなるべく活かしつつ、外板は新しく作り直す予定です。塗装については、前オーナーからの聞き取りにより判明した紺色(ダークブルー)で再塗装、ドーザーブレードやライトガードなどはコマツ製ブルドーザーの黄色に再塗装します。

 

 

これまで国内では、技術史・学術的な視点から九五式軽戦車を調査した実績はありません。また調査したくても現車・現物が無い状態が長らく続いていましたが、昨年12月の4335号車の帰国実現により製造番号の打刻位置や、製造番号の秘匿区分についても調査が進んでいます。

 

当会が保有する、九五式軽戦車4335号車と比較することにより、今回入手した九五式軽戦車改造ブルドーザーの素性を明らかにしたいと考えています。4335号車の車体番号はフロントデファレンシャルケース付近と、操行装置右側の部品の2か所の打刻で確認されました。幸いなことに戦車改造ブルドーザーの同部品はオリジナルのままなので、今回の分解・修復作業で車体番号の確認が期待できます。

 

ポーランドでの修復作業で、デファレンシャルケースの上部に打刻を発見しました。
デファレンシャルケースへの打刻、「4335」の文字がハッキリ読み取れます。
デファレンシャルから操行装置への動力伝達シャフト取付部分に「4335」の文字がハッキリ読み取れます。

 

これらは完全分解しないと発見が難しい箇所ですが、事前情報を基に、改造ブルドーザーの修復に際して分解清掃時に車体番号の確認を進めたいと思います。

 

このように調査を進めつつ、修復完了の暁には1945年(昭和20年)の敗戦から、1954年(昭和29年)の警察予備隊の発足による米軍供与戦車使用の時代を挟んで、1961年(昭和36年)の戦後国産戦車第一号となる61式戦車開発までの戦後の国産戦車開発に関わる十数年間の空白期間を埋めてくれる歴史の証人として貴重な博物館展示車両となることでしょう。

 

|修復・調査結果の共有

 

今回のプロジェクトでは、くろがね四起修復プロジェクトの際に得たノウハウを活かして、まずは修復前の車両状態を多くの支援者様に実際に見学してもらう展示会を、プロジェクトの募集期間を含めて2024年のGWまで御殿場市内にて数回に渡り実施する予定です。また、募集期間終了後の修復作業の様子は、本プロジェクトの活動報告にて随時皆様と共有してまいります。

 

修復には約1年の期間を見込み、2025年のGWに御殿場市内で修復完成お披露目会を開催する予定です。その後はネクストゴール設定にもある、御殿場市内のNPO法人車両保管施設での定期的な公開と、全国各地のイベントでの展示も計画してまいります。

 

その後、2027年に静岡県御殿場市内に開館が予定される(仮称)防衛技術博物館の設置後に収蔵展示される見込みです。

 

クラウドファンディング概要

 

■第一目標金額:1500万円

■資金使途:九五式軽戦車改造ブルドーザーの修復費および車体の調査費、クラウドファンディングの諸経費

 

|次なる目標について

 

(仮称)防衛技術博物館へ収蔵されるまでの期間、九五式軽戦車改造ブルドーザーを定期的に公開しながら、最適な環境で保管するための仮置きの場所を用意したいと考えています。

 

そのための準備費用や展示車両の移送、修繕費として500万円程が予想されます。第一目標金額達成後は、2,000万円を次なるゴールに設定し、この費用を皆様からご支援いただきたいと考えています。

 

 

これからの展望

 

|(仮称)防衛技術博物館 創立への想い

 

現在は、機械産業遺産として、多くの重工業製品が日本をはじめとして世界各国で保存、展示されています。天然資源に乏しい日本は、技術産業大国として現在の繁栄を享受している反面、過去の重工業製品を保存、展示する取り組みは先進各国(日本と同じ敗戦国であるドイツと比べるとその差は明らか)に比べ、残念ながら大変遅れているのが現状です。

 

このままでは、産業大国日本の将来を背負う子どもたちに、先人の偉大な努力や成果を伝えることはできません。

 

現代から見れば骨董品である、日本刀や火縄銃も当時の最新技術の到達点であり、現在歴史博物館等で見学できることはすばらしいことです。同様に、国産の戦車や火砲などの防衛装備品は後世に残すべき価値のある機械産業遺産だと考えています。

 

しかし、一般的には防衛装備品は「兵器」と認識され、現行法上で民間団体が扱える範囲には限りがあります。このために私たちは機械産業の継承、発展と、防衛意識の向上に寄与することを目的に、2010年から活動を始め、2012年から「特定非営利活動法人 防衛技術博物館を創る会」として活動を開始、10年以上にわたり「公立の防衛技術博物館」を日本に創るべく活動しています。

 

私たちの最終目標は、公設の「(仮称)防衛技術博物館」を設立し、これまでクラウドファンディングを通じて皆様と一緒に修復・買い取りを実現してきた「くろがね四起」「九五式軽戦車」を含めた国産防衛装備品等を保管・展示することです。

 

そのためには、安全性が高く、また大型車両を多数保管するための展示棟やバックヤード倉庫、整備工場等を確保する必要があり、もちろん費用も大きくなります。理想的な世界基準の公設博物館の設置には、20億円から30億円*もの費用がかかると試算されています。このような巨大な官民共同プロジェクトが結実するまでには、まだまだ時間がかかります。引き続きの応援を、何卒よろしくお願いいたします。

 

*20億から30億の金額の開きは、20トンクラスの天井クレーンを有する整備工場の設置、全天候型イベント広場の有無など、理想と現実解のギャップです。

 

静岡県北駿地域は、本州最大の東富士演習場と四つの陸上自衛隊駐屯地が所在し、富士山と箱根に囲まれ、東京からクルマで約1時間の好立地です。年間1,000万人以上が訪れる日本でも有数の商業施設・御殿場プレミアムアウトレットもあり、観光流入人口が多いことでも有名です。また、隣接の小山町には富士スピードウェイがあり、裾野市にはトヨタの実験都市ウーブンシティが建設中です。

*本州最大の東富士演習場という表現について

 

そんな御殿場周辺地域こそ、「(仮称)防衛技術博物館」の設置にふさわしい場所だと考え、私たちは2010年から国、防衛省、地元自治体への提案と交渉を続けてきました。現在は「(仮称)防衛技術博物館建設推進連絡協議会」と連携しながら2027年の開館を目指し、計画を進めているところです。

 

博物館設置時には2022年に里帰り実現を果たした果した「九五式軽戦車」をはじめ、「くろがね四起」など数台のソフトスキン車両(通常のトラックなどを指します)が既に待機状態です。現在は非公開で倉庫に保管中のこれらの車両を一時展示する準備館が整えば、支援者様をはじめ一般に公開して随時見学していただけるようになります。これは今回のネクストゴールの目標でもあります。

 

これに自衛隊からの譲渡又は貸与車両を加えて、最初は10台程度の展示からスタートして、最終的には60台~100台ほどを収蔵する、世界的に見ても恥ずかしくないレベルの博物館の設立を考えています。

 

 

これまでの歩み

 

|小林雅彦の人生をかけた挑戦

 

ここで改めて、これまでの歩みをご紹介させてください。私、小林雅彦は、静岡県御殿場市で自動車整備会社「カマド自動車」を営むかたわら、日本で初となる「公立の防衛技術博物館」創立を目指すNPO法人の代表を務めています。

 

自動車修理・鈑金塗装業を営む家に生まれ、幼少期より機械に囲まれ育った私は人一倍の機械好き。さらに「御殿場」という本州最大*の東富士演習と日本でも有数の陸上自衛隊駐屯地を持つ立地から、特に戦車に対する興味を強く持ち、物心つく頃には「日本には戦車を展示する博物館が何故ないのか」と、常に疑問を感じていました。

 

*出典:https://www.fujisan-net.jp/post_detail/北富士演習場と入会慣行

 

幼少期の小林雅彦、駒門駐屯地開設記念行事の際に60式装甲車に体験搭乗した際の様子(左から二番目)。
2023年、九五式軽戦車のお披露目会終了後に「戦車」を「洗車」する小林雅彦。

 

飛行機や鉄道を展示する博物館はあっても、戦車が展示された公設の博物館は日本にはありません。自衛隊駐屯地に広報展示されている戦車や火砲も雨ざらしの状態が多く、古くなれば廃棄される運命です。技術立国日本の技術の粋を集めた世界に誇る工業製品であるはずの国産防衛装備品が残っていないのです。

 

敗戦国として旧日本軍の兵器が破棄された経緯は仕方がないとしても、長年に渡り国防の任務を全うした戦車や火砲が駐屯地から溶鉱炉に送られるために送り出される姿を見るのは、悲しく忍びないものです。

 

そこで同じことを感じていた有志により、2011年にNPO法人を設立し活動を開始しました。これまでに賛助会員の皆様、クラウドファンディングのご支援者の皆様、継続寄付のサポーターの皆様をはじめ、数多くの方々に支えていただき、活動を続けることができています。

 

賛助会員様より1台を寄贈いただいた、自衛隊で昭和50年頃活躍したトヨタ製HQ15型3/4トンのトラック。

 

|過去3度のクラウドファンディング

 

私たち「防衛技術博物館を創る会」は、これまで3度にわたりクラウドファンディングに挑戦してきました。1度目は、幻の国産車「くろがね四起」を復元するプロジェクト(2014年)。まだまだ世間にクラウドファンディング自体が今ほどは浸透していない中、さらにはじめての挑戦だったにもかかわらず、765名の方々から13,241,000円のご支援をいただくことができました。

 

2度目は、日本国内に一台も現存しない「九五式軽戦車」を、イギリス人の愛好家から買い取るためのプロジェクト(2019年)。5000万円という大きな目標金額を掲げての挑戦でしたが、最終的に2,052名の方々から59,995,000円という、大きなご支援をいただきました。

 

3度目は、「九五式軽戦車」を英国から日本へ里帰りの実現のためのプロジェクト(2022年)。1036人の方々から、目標金額の1500万円を大きく上回る、27,410,000円のご支援をいただくことができました。

 

私たちの挑戦に多くの方々がご賛同くださり、「くろがね四起」の復元と「九五式軽戦車」の里帰りが実現できたことを、心から誇りに思っています。改めて深く感謝申し上げます。

 

おかげさまで、いよいよ「(仮称)防衛技術博物館」の設立に向けての土台が整いました。

 

「くろがね四起」の復元プロジェクト

 


「くろがね四起」は、約2年半にわたるプロジェクトを経て、無事に復元することができ、2016年9月にはクラウドファンディングの支援者様をお呼びしたお披露目会を御殿場市内にて実施しました。

 

半世紀以上に渡り放置された自動車を復元するには多くの専門技術と専門知識をお持ちの方々にご協力いただきました。
2年以上の歳月を掛けて、新車のような輝きと往時のエンジン音を取り戻した「くろがね四起」。
2016年9月に「御殿場高原時の栖」にて催されたお披露目会では、
リターンの体験乗車券をお持ちの方々に「くろがね四起」に体験搭乗していただきました。

 

「九五式軽戦車」の修復、そして日本への里帰りを実現

2019年に買い取りが実現した「九五式軽戦車」は、欧州での10年以上に渡る修復作業を終えて、イギリスのボービントン戦車博物館にて日本人からの貸与品として展示され、3度目のクラウドファンディングのご支援のもと、2022年12月についに日本への里帰りが実現しました。

 

▶九五式軽戦車についての詳細はこちら

 

ミクロネシア連邦ポナペ島で調査中の実行者。
里帰りした車両の兄弟たちは南国の風雨にさらされて、いづれは土に帰ることでしょう。
祖国日本で富士山を背景にたたずむ4335号車「九五式軽戦車お披露目会」での1枚。

 

 

応援のメッセージ

 

勝又正美

御殿場市長/(仮称)防衛技術博物館建設推進連絡協議会会長

 

御殿場市は、明治45年(1912年)の演習場創設以来、110年にわたり東富士演習場とともに歩んだ基地の街であり、自衛隊と共存共栄の街として発展してまいりました。この地に、観光ハブ都市御殿場の新しい観光施設の拠点として、子供たちが楽しめる科学技術情報の発信拠点と演習場の歴史を学ぶ施設ができることにより、御殿場のさらなる発展を目指していきたいと考えております。この戦車改造ブルドーザーも修復が叶い、展示品の一台となってくれることを願ってやみません。

 

戸髙一成

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長

 

このたび防衛技術博物館を創る会で、95式軽戦車改造ブルドーザーの修復が発表されました。

思わず、そんな物が現存していたのかと驚き、同時に丁寧な修復の上で長く保存されることを強く願いました。この改造された95式軽戦車は、太平洋戦争を経て大きく変貌した日本の歴史の中で、兵器技術が平和国家建設の力になった事例を示す貴重な実物資料なのです。

歴史記録には多くの形があります。文書記録を読めば歴史を知ることは出来ますが、それは知識の一部にすぎません。歴史は単なる知識だけでは本当の理解は難しいのです。しかし現実に存在した実物資料を目にすることによって、文字だけでは伝わらない「時代」を実感することが出来るのです。

このブルドーザーに改造された95式軽戦車の実物を見ることで、戦争と平和、そして技術というものの本質を考えることが出来るのではないでしょうか。

この貴重な資料の修復、保存のためにクラウドファンディングの成功を祈っています。

 

中村泰三

大戦機修復家

 

私は一個人で23年に渡り仲間の支援も受けながら大戦期の航空遺産に対して保存協力等を続けてきましたが、現在では文化財に指定された機体保全にも至っており、創る会とは保存分野で協力し合う立場となりました。 その関係で「九五式軽戦車改造ブルドーザー」を事前に検証し、技術・戦争・民生・動態とどの分野でも意義のある、それらが一体となった近代化遺産として希少性が高いと確信しています。 まして通常であれば短命で終わる戦車が、戦後も長きに渡り役目を変え働いてきた歴史ある唯一の遺産でもあります。 よって後世に遺すべく修復には大変意義のある個体でもありますので、今回のプロジェクトが成功し修復完了することを願っております。

 

日本戦跡協会(@sensouiseki

 

いわゆる更生戦車です。
名前がちょっとかわいそうと思う方もいるかもしれませんが、改造されブルドーザーとして戦後復興に貢献したひとつの歴史の証人です。
取材に行こうとアポを取ったところなんとスクラップの危機でした。
そんな中で、電話一本で「自腹になっても買います」と救ってくれたのが代表の小林さんです。
海外に95式軽戦車は数多くあれど、ブルドーザーに改造されたものは、日本のこの1台だけです。
しかし、70年以上経って修復しなければ、また動かなくなってしまいます。
これを修復できるチャンスは、NPO法人防衛技術博物館を創る会の確かな技術と実績を支えてくれるご見識あるみなさまがいらっしゃるからこそです。
ぜひもう少しのご支援をよろしくお願いします。

 

画像

はたらく機械の会(@Green_Komatsu

 

現物に勝る資料はありません。 「進駐軍のブルドーザとは違う。こんな物を貸す戦災復興院は国営詐欺だ」といった技能者、「 戦車を改造したブルドーザもどきが出回ったが、今は進駐軍払下げを凌駕する優秀な国産ブルドーザの開発に成功した」といった技術者が、何を見てどう考えたのか...現物を見て自身で考えることは貴重な経験になるでしょう。

 

吉川和篤

軍事ライター/イラストレーター

 

先日、この更生戦車を経てブルドーザーとなり、北海道からやって来た車輌を御殿場市で見学しましたが、数十年の時を経ても見事にエンジンが始動する様子を見て感動しました。今回のクラウドファンディングでは、単に過去の工作車輌の復元の手助けだけではなく、日本の物作りについてやその歴史の流れを語る証人の復活の一助になるでしょうか。そして同時に、既に里帰りを終えた九五式軽戦車の横で展示する事により、お互いに多面的な見せ方が可能になります。今後の博物館の開館を考えても、意義の在るプロジェクトになると確信しますので、皆様のご賛助を広くお待ちしております。

 

金澤大介

鹿島海軍航空隊跡/筑波海軍航空隊記念館 館長【3/6追加】

 

これまでの「くろがね四起」「九五式軽戦車」を残す取り組み、また今回のプロジェクトに対し、代表を務められる小林雅彦さんを始め、NPO並びに関係者の皆様に敬意を抱きます。戦跡や資料は失われてしまえば二度と元には戻せません。九五式軽戦車改造ブルドーザーもまた、歴史を伝える証言者であり、そこに未来へ向けた“存在する理由”を与えようとする今回の取組は、大変意義のあるものと感じます。プロジェクトの成功を願います。

 

 


ご留意事項

 

●返礼品の各種企画について、天災や新型コロナウイルス感染拡大等の社会情勢の変化により、中止・延期・内容の変更等が生じる可能性がございます。万が一中止・延期・内容変更となった場合も、いただいたご支援金は返金いたしかねますので予めご了承ください。

 

●本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、こちらのページの「命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。

 

●第一目標金額達成後の返金・キャンセル等は一切できませんので、ご承知の上ご支援ください。

 

●返礼品選択時にご回答いただく質問項目へのご回答は、支援確定後一切変更できませんのでご注意ください。  

 

●支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトの活動報告やSNS等発信などに利用させていただく場合があります。

 

●返礼品各種企画の日時等について、調整の都合上、個別のご要望には沿えない場合がございますので予めご了承ください。

プロジェクト実行責任者:
小林 雅彦(NPO法人防衛技術博物館を創る会)
プロジェクト実施完了日:
2025年5月5日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

NPO法人防衛技術博物館を創る会が九五式軽戦車改造ブルドーザーの修復・調査作業を行う。

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NPO法人「防衛技術博物館を創る会」の代表。他の国には当たり前のようにあるのに、なぜか日本には無い戦車博物館を設立するために奔走中です。

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リターン

5,000+システム利用料


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感謝のメールコース

●感謝のメール

●修復・調査作業の様子を活動報告でご報告
●お披露目会ご招待(1名様)

【お披露目会ご招待】
会場:御殿場市内の博物館建設候補地
実施日程:2025年5月(GW明け)の日・祝で実施を予定
詳細のご連絡時期:開催1ヶ月前まで
会場までの交通費・宿泊費はご負担ください。小さなお子様は保護者の方が必ず手を繋いで安全上の管理の上ご参加ください。

申込数
236
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年5月

10,000+システム利用料


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オリジナルポストカードコース

●オリジナルポストカード

●感謝のメール
●修復・調査作業の様子を活動報告でご報告
●お披露目会ご招待(2名様)

【お披露目会ご招待】
会場:御殿場市内の博物館建設候補地
実施日程:2025年5月(GW明け)の日・祝で実施を予定
詳細のご連絡時期:開催1ヶ月前まで
会場までの交通費・宿泊費はご負担ください。小さなお子様は保護者の方が必ず手を繋いで安全上の管理の上ご参加ください。

申込数
266
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年5月

5,000+システム利用料


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感謝のメールコース

●感謝のメール

●修復・調査作業の様子を活動報告でご報告
●お披露目会ご招待(1名様)

【お披露目会ご招待】
会場:御殿場市内の博物館建設候補地
実施日程:2025年5月(GW明け)の日・祝で実施を予定
詳細のご連絡時期:開催1ヶ月前まで
会場までの交通費・宿泊費はご負担ください。小さなお子様は保護者の方が必ず手を繋いで安全上の管理の上ご参加ください。

申込数
236
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年5月

10,000+システム利用料


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オリジナルポストカードコース

●オリジナルポストカード

●感謝のメール
●修復・調査作業の様子を活動報告でご報告
●お披露目会ご招待(2名様)

【お披露目会ご招待】
会場:御殿場市内の博物館建設候補地
実施日程:2025年5月(GW明け)の日・祝で実施を予定
詳細のご連絡時期:開催1ヶ月前まで
会場までの交通費・宿泊費はご負担ください。小さなお子様は保護者の方が必ず手を繋いで安全上の管理の上ご参加ください。

申込数
266
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年5月
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NPO法人「防衛技術博物館を創る会」の代表。他の国には当たり前のようにあるのに、なぜか日本には無い戦車博物館を設立するために奔走中です。

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