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被災した人たちへ、楽しい思い出を写真集にして配布したい

智田邦徳

智田邦徳

被災した人たちへ、楽しい思い出を写真集にして配布したい
支援総額
692,000

目標 610,000円

支援者
61人
残り
終了しました
プロジェクトは成立しました!
3お気に入り登録3人がお気に入りしています

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2015年11月13日 21:47

「手のひらを太陽に」作詞:やなせたかし、作曲:いずみたく

 私が音楽療法の道を志した最初のきっかけは、音楽大学で履修した講義でした。東京芸術大学教授(日本における音楽療法の始祖と呼ばれる先生)が、毎週講義をしに日本大学芸術学部にいらして、歴史や背景などを解説していました。通年の講義だったのですが、一度だけワークショップ形式の週があり、現役の音楽療法士さんと初めてご一緒することになりました。布を使って自己表現をする、というワークでしたが、それがとても印象に残り、卒業してから作業療法助手として働きつつ、東京や大阪のセミナーに通い始めました。

 

 精神科医をしていた父が、ある日

 

「盛岡市内にある作業療法の専門学校に、音楽療法をやっている医者が来るそうだ。良かったら参加してみないか」

 

 と教えてくれて、会いにいったのがその後ずっと私の心の師匠となったM先生でした。当時(1993年)既に高齢だったM先生は、後ろ髪を伸ばした強面の、何だか気難しそうな先生でした。M先生は私が音楽療法士を目指して勉強中だと聞くと、毎年山梨県で開催しているご自身の合宿型セミナーに誘ってくれました。このセミナーは全国から200名もの参加者が集まる、当時日本で最大のセミナーで、昼間は研究発表や講義、夜は名だたる先生たちと垣根を取り払った飲み会があちこちで行われていて、図々しくあちこちに顔を出していた私はおかげでたくさんの友達と出会い、全国的に有名な偉い先生たちからも可愛がってもらいました。

 

 その後も、M先生は相変わらず強面でぶっきらぼうでしたが、お会いするたびに多くのことを教えてくださり、青二才の私が生意気にも先生を講師に招いて岩手でささやかなセミナーを企画した時も、二つ返事で引き受けてくれました。初めてセミナーを実現した時は、最後の挨拶で感極まったことを今でもおぼえています。

 

 そんなM先生は、東日本大震災が発生した直後、すぐに被災地での活動を始めた私に

 

「手伝いに行くから、いつでも連絡してください」

 

 と手を差し伸べてくれました。人生で初めて直面した被災地での活動、という難題を前に、私は何もかもが暗中模索の状態だったので、お言葉に甘えてM先生に被災地まで足を運んでもらうことにしました。

 

 M先生が被災地巡回に同行してくれた最初の日は、巡回を開始して三週間目のことでした。何という行動力‥(先生は八十代)。宮古市の二箇所を同行し、活動中はじっと私のセッションを黙って見守ってくださいました。何と表現していいのか分かりませんが、すごい緊張感で半分パニックでした。せっかくなので、M先生も何かお願いします!と言うと、わざわざ山梨から持参したおみやげを賞品にして、クイズ大会などを催してくれました。

 

 不思議だったのは、午前の仮設と午後の仮設、両方で最後のリクエスト曲が「手のひらを太陽に」だったことです。こういう偶然ってあるんだな、と思いました。私はあまりこの歌を好んで活動に取り上げないので、二十数年間で初めて歌ったほど希少な体験でした。

 

「偶然、同じ曲が出てびっくりしました」

 

 宮古市からの帰り道にある、川井やまびこ館という道の駅で休憩中、私は助手席から後部座席のM先生に語りかけました。

 

「あの歌が必要な時期だということだね」

 

「時期‥ですか」

 

「そう、被災体験からの回復という横軸の時間のプロセスの中で、彼らはあの歌を必要としているステージにあると言える。やがて現実否認、自己開示(被災体験を自ら話す)次のステージを迎えるだろうけど、君のやっている活動はエンターテイメント型だから良いと思うよ」

 

 私は自分の活動を音楽療法、つまり相手に自己表現を促すつもりで行ってきたので、エンターテイメントと言われたのは意外でした。

 

「一旦、被災生活を忘れるくらいのエンターテイメント型の活動が、今の彼らには必要なんだと思う。辛く、悲しい喪失体験をした彼らは、これから新たな楽しみ、感動、喜びの体験を積み重ねて、人生を回復に向かわせていかなければならない。音楽療法のひとつの役割はそこにあるんじゃないかな」

 

 尊敬するM先生から褒められて、私は少々戸惑いながら、内側から膨大なパワーが沸き起こってくる気がしました。これでいいのだろうか、自分は間違っていないのだろうかと、ずっと悩み苦しみながら場当たり的に被災地で活動してきた私に、何よりも必要だった言葉をM先生はさらっと言ってくださったのでした。

 

「良かったらまたおじゃましたい、その時はよろしく」

 

 もちろんです、是非お願いします!と私は先生に頭を下げました。この言葉通り、その後もM先生は年に一回から二回は必ず被災地に足を運んでくださいました。ご高齢の先生がたった一人で、小さなリュックだけを背負って遠い岩手まで来るのは大変なことだと思いますが、私は先生に変化していく被災地の光景、立ち上がって前を向こうとしている人々の姿を見ていただきたいと思っていました。

 

 正直、音楽の慰問やコンサートのイベントと言った、被災者が受け身のままで参加する活動とは一線を画したい、音楽療法は対象者が主体なのだ、と肩肘張っていたところが私にはありました。しかし、形ではなく、一緒に音楽を共有し、心をどこかに運ぶ体験を生み出す時間と空間を生み出せれば、何であっても良いのだと気づきました。

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リターン

3,000

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①お礼状(ポストカード)

支援者
31人
在庫数
制限なし
発送予定
2016年2月

10,000

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①お礼状(ポストカード)

②写真集1冊

③当法人ホームページへお名前の記載
(掲載を希望されない場合はご連絡下さい)

支援者
20人
在庫数
制限なし
発送予定
2016年2月

30,000

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①お礼状(ポストカード)

②写真集1冊

③「三陸ことば絵本」1冊

④オリジナルエコバッグ1枚

⑤当法人ホームページへお名前の記載
(掲載を希望されない場合はご連絡下さい)

⑥仮設住民がヘンプもしくは刺繍糸で編んだミサンガ、フクロウなどのマスコット、布製小物など5点セット
(色や模様、種類は在庫により変更がございます、あらかじめご了承ください。)

支援者
8人
在庫数
2
発送予定
2016年2月

50,000

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①お礼状(ポストカード)

②写真集1冊

③「三陸ことば絵本」1冊

④オリジナルエコバッグ1枚

⑤当法人ホームページへお名前の記載
(掲載を希望されない場合はご連絡下さい)

⑥仮設住民がヘンプもしくは刺繍糸で編んだミサンガ、フクロウなどのマスコット、布製小物など5点セット
(色や模様、種類は在庫により変更がございます、あらかじめご了承ください。)


⑦仮設住民と一緒に「歌と体操のサロン」体験にご招待
(2016年9月まで有効、現地までの交通費は自己負担となります)

支援者
3人
在庫数
完売
発送予定
2016年2月

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