プロジェクト終了のご報告
みなさま
法隆寺金堂壁画のクラウドファンディングを応援してくださり、ありがとうございました。
本プロジェクトは、880万円を目標としてスタートし、
最終的に目標の82%となる727万円のご支援をいただくことができました。
みなさまの温かいお気持ちに感謝申し上げます。
本プロジェクトでは、以下の目的を掲げてご支援をお願いいたしました。
・提言をうけた収蔵庫改修計画策定のための諸準備
・収蔵庫内環境モニタリングと分析
・限定公開前後の壁画メンテナンス(カビ点検、除去作業など)
・収蔵庫見学実施に必要な諸経費ほか
以下順に実行状況をご説明いたします。
法隆寺金堂壁画保存活用委員会では、収蔵庫改修計画の策定を目指し、昨年まで行っていた調査・研究を引き続き行っております。
今年度はカメラを設置する架台の改修を行い、収蔵庫内で文化財を傷つけることなく設置できるよう、組み立てのリハーサルを行いました。
2024年のうちにこの架台を使った撮影を行う予定です。
また、焼損した壁画とともに収蔵庫に収められている、飛天図のハイパースペクトルカメラによる調査を行いました。調査結果をもとに、使用された顔料など壁画の材料の分析を進めています。
ご支援のお礼でもある、収蔵庫の支援者限定公開は、
昨年11月3~14日に無事開催できました。
期間中は4日ほど雨の日もありましたが、ご見学のみなさまに入室前の服や荷物の拭き取りなど、ご協力をいただきました結果、問題なく公開ができました。
プロジェクトページでもお知らせしておりますように、
支援者のみなさまに壁画を実際に見ていただき、現状を知っていただくのみならず、
この際に壁画の保存や見学者の安全を考える上で重要となる温湿度と二酸化炭素濃度などのデータを測定し、見学者が入場することでどのように変化するかを記録しております。
これらのデータが収蔵庫改修による設備導入などを含めて将来の一般公開のあり方を考える材料となります。
壁画メンテナンスも予定通り公開前と公開後に行い、壁画に悪影響が及んでいないことが確認できました。
限定公開にご参加の方からは、
「今年で2度目です。まだまだ見足りないような、新たな気付きなどが出てきます」
「また、公開されるのであれば違う季節がいいかなと思います」
「壁画はもちろんの事、焼けた柱の佇まいにも圧倒されました」
「これは日本国の宝として後世へ残していかねばならない大切な壁画と思いました」
などの声をいただきました。
みなさまからのご支援は、これらの研究、また公開時の諸費用等に充てさせていただきました。
ありがとうございました。
金堂壁画保存活用委員会は、引き続き、将来的な壁画の一般公開に向けて、調査・研究をすすめてまいります。
今後とも、金堂壁画をはじめ文化財の保護に関心を持っていただければ幸いです。
次回は季節をかえ、初の春季見学会開催を計画しております。
近々お知らせいたしますので、引き続き応援くださいますようお願い申し上げます。