大阪大学医学部小児科 窪田拓生先生からのメッセージ

　今日は、多くの骨の病気のお子さんを診察されている大阪大学医学系研究科小児科学 講師 窪田拓生先生からのメッセージをご紹介いたします。

　低ホスファターゼ症は、基本的には生まれつきの病気で、骨や歯に症状が現れます。永久歯が生えてくる前に乳歯が抜けてしまうのが特徴の一つです。当科で低ホスファターゼ症の患者さんを診療していますが、「乳歯が早く抜けるのを予防や治療することはできないか」というご相談を時々受け、「現時点では有効な治療法がありません」と答えざるを得ないのが現状です。

　本「低ホスファターゼ症の歯科治療法開発への挑戦プロジェクト」は、まさにこの問題に挑戦する非常に重要で有意義な先駆的研究です。新しい治療法を開発するためには、細胞の実験に加えて、病気のモデルとなる動物を使って、その治療法が有効かどうかを検討する必要があります。その先には、ヒトへの新しい治療法の応用が期待されます。

　多くの皆様の一層のご支援を賜りたくお願い申し上げます。