IPS利用者からのメッセージ⑤大きな心の支え

私はうつ病を「身体・精神の全身ギブス」

と表現します。

うつ病は治るものと云われておりますが、

１６年が経過しました。

現在、月一回の外来と、毎日５錠の薬を

飲んでいます。

49歳の時発病。57歳の時障がい者雇用で社会復帰。

7月で定年を迎えます。

 

人生で一番気持ちのへこんだ障がい者手帳取得、

ハローワーク合同面接会を経て、

今の職場に巡り合いました。

暫くすると一つの心配事が持ち上がってきました。

 

私は、主治医の先生にその気持ちを伝えました。

「先生、病気が回復してくれば、いつかは手帳の更新は

できなくなりますよね。

手帳の更新ができなくなるという事は、確かに元気に

なった証拠？ですが、仕事はどうなるのかと考えると

とても不安です。かといって病人を演じることは出来ません」

 

主治医の先生曰く

「ホリホリさん。確かに手帳の更新が出来なくなる日が、

いつか来るかもしれません。だからこそ、その時になって

慌てないように、今から会社で努力して実力をつけていけば

よいのです。手帳が無くても、健常者枠で採用してもらえば

良いじゃないですか。私ならその位の気概で頑張ります。

ホリホリさんの頑張りで、会社でなくてはならない、

絶対に必要な人材に育っていれば、会社は手放さないですよ。

ホリホリさんなら絶対できますよ」

 

私は先生にこう伝えました。

「先生、私はあまりの先の事に目を向けすぎていたようでした。

目標を持ち毎日を着実に前進していくのが重要なのですね。

ありがとうございました」

 

この日から私の目標は、手帳が無くても会社で認められるように

頑張ろうと決意しました。心のモヤモヤがなくなり、

何か晴れ晴れした気分になりました。

この主治医の先生との会話は、大きな心の支えとなり、

今日に至っております。

 

IPS支援および主治医の先生との信頼関係は、

働く人生を謳歌しながらリカバリーに挑戦する、、

なくてはならない大切な原動力です。

 

今回のIPS翻訳本。一人でも多くの、支援者及び

当事者の方々の眼に止まり、人生に深く関わっていくことを

願います。

 

ホリホリ