
支援総額
目標金額 3,000,000円
- 支援者
- 199人
- 募集終了日
- 2020年5月20日
【特別対談】佐渡島庸平さん:vol.1 小学生の熱狂の作り方
昨年大きなムーブメントになった、「小学生がえらぶ!”こどもの本”総選挙」。その裏には、こどもたちに本をめくる喜びを伝えることを通じ、出版業界を盛り上げたいと立ち上がった有志の特別な想いがありました。
今回は、こどもの本総選挙事務局の岡本事務局長が、数々のヒット作品を世に生み出している大先輩編集者・佐渡島庸平さんを訪問。
「こどもの本総選挙」をもっと盛り上げる斬新アイデアから、好きな本に出会うためのヒントまで、こどもたちと本との関わり方についての特別対談を、3回にわたってお届けします。
vol.1 小学生の熱狂の作り方
vol.2 佐渡島少年の「読書の系譜」
vol.3 総選挙、今後の課題
聞き手 / 編集:桝田乃梨子(READYFOR)

佐渡島さん(左)が代表を務めるクリエイター・エージェンシー「株式会社コルク」のオフィスにお邪魔しました。(撮影:戸谷信博、以下同)
|| こどもが熱狂するものってなんだろう。
佐渡島:そもそも、こどもたちにとって最近は本を読むという行為が、“贅沢なもの”へと変わっていこうとしているよね。どうしてそういう子たちに、あえて「本」を読んでもらうための企画をやっているの?
岡本:僕がこどもの時に比べると、インターネットやスマートフォンの普及で遊びの選択肢も増えて、本を読まない人も増えました。ゲームも楽しいものではありますが、本もそれにも負けないほど楽しくておもしろいものなんだということをもっと知ってもらいたいと思っています。
そこで私たちが辿りついたのがこの企画でした。「小学生しか投票できない選挙」ということに興味を持った子も多かったようで、実際に投票に協力してくれた小学校の先生や司書の方々から「選挙に参加するということが、とても刺激になったようでした」というお手紙を驚くほどたくさんいただきました。
佐渡島:本の楽しさを知ってもらう入り口として「選挙」はいい仕組み。大人の都合で「もっと本を読みましょう」ということではなく、こどもたちが本に熱狂して、「本っておもしろい」って思えるような動きをもっと強くしていきたいね。アイドルの選挙って、その企画に参加=投票することで、盛り上がるきっかけになるし、ファン同士で新たなコミュニティーも生まれることもあるよね。総選挙を通じて、本好きな人同士が繋がると楽しそうだし、そこから新しい読者も生まれてほしいな。
岡本:本当におもしろかった本って、誰かに話したくなると思うんです。自分が選んだ本を投票用紙に書く時の気持ちって、それと同じことなんだろうな、と。その気持ちをもっと盛り上げていきたいです。
佐渡島:こどもの本総選挙って、もともと読んだ本の中から好きな本を投票するという仕組みだよね。本当はそれをもっと広げて、他のこどもたちが今まで読んだことのなかった本とか、おもしろさに気付かなかった本に、改めて出会うようにできるといいと思う。
岡本:今は集まった票を集計して、その結果をメディアを通じて伝えたり、人気だった本を書店でたくさん並べてもらったりしています。それによって普段本を読まない子も、新しい本と出会う機会にはなっていると思いますが、一人ひとりの「好き」というのを発信する仕組みもあればいいなとも思っています。
佐渡島:たとえば、こどもたちがもっと「選挙」として楽しめる仕組みもつくっていくのはどう?
岡本:もっと「選挙」として……考えたことがなかった視点ですね。
佐渡島:1位に選ばれた本を推薦してくれたこどもたちの中から、熱い推薦文を書いてくれた子の「応援演説」を動画で配信するとか。大人に勧められるより、自分と同じ世代の子に紹介される方が説得力あるんじゃないかな。それで新たに本を読んでもらうきっかけになるといいよね。
岡本:第1回の結果発表のイベントでは、それに近いことをやりました。トップ10に入った本について素敵なコメントを書いてくれた子から直接、表彰状を作家さんに渡してもらったんです。
佐渡島:なるほど、普段は偉い人がこどもを表彰するのに、その逆ということだね。おもしろい。

「こどもプレゼンター」として表彰状を手渡し。
|| あえて本物の選挙に寄せていく!?
佐渡島:あとは、「選挙活動」を投票期間中にやってもらうこともできるよね。好きな本に投票するだけでなく、その本に投票する人を増やすためにこどもたちが選挙活動をできるようにする。こどもたちはそれも見ながら、投票締め切りまでに投票する本を決める、ということもありえるかもしれない。そうすると、強烈に好きな本がある子はもっとその本への愛着が湧くし、その熱が本を読んでいないまわりのこどもたちに伝わっていくよね。だんだんアメリカの大統領選挙みたいになってきたらすごい。
岡本:同じ本が好きなファン同士で、ファンミーティングしたりするわけですね!……おもしろそうです。
佐渡島:さらに言うと、せっかく選挙というコンセプトなので、「選挙とは何か」を実体験できる機会になるといいね。学校側としても、盛り上がれば盛り上がるほどおもしろいと思ってくれそう。総選挙への熱量を高めるためには、学校を巻き込むことは重要な気がするな。学校で盛り上がれば、自然とこどもたちは参加してくれると思う。
岡本:直接こどもに届くのは、そういうものかもしれませんね。本屋さんに行くと、本を選ぶのは親や大人になることが多いですが、それよりも教室で話題になっている本の方がこどもたちにとっては魅力的だと思います。
自分の1票が全体にどう影響を及ぼしているかを少しでも感じてもらうきっかけを作った方がいいですね。こどもたちが結果を確認したくなるような仕組みをどうやって作るか。

|| クラウドファンディングの資金は、二次創作へ?
佐渡島:選ばれる本の傾向はどう?もちろん流行もあると思うけど、昨年のトップ10に入っていた作品が、2、3年目以降もランキングに入り続けるということも大いにありえそう。
岡本:結果発表はこれからなので、詳しくは話せないんです(笑)ただ、ここ最近刊行されたものや話題になったものなど、前回はランキング外だったものが上位にランクインしているようです。ただずっと人気の本というものもあるので、同じものが上位を占めることもあるかもしれないです。
佐渡島:同じような本が毎年ランクインするのなら、結果発表だけでなく、さらにこどもたちが盛り上がれるような仕組みも考えたらどうかな?たとえばだけど、二次創作が生まれる仕組みまでセットになっていたらおもしろいかも。前回で言えば1位を獲った『ざんねんないきもの事典』に投票したこどもたちが、『“新しい”ざんねんないきもの事典』を二次創作で作っちゃうとか。せっかくクラウドファンディングで資金を集めるなら、今後はそういう盛りあげ施策にお金を使えるようになるといいよね。
岡本:たくさんのアイデアをありがとうございます!今後もどんどん新しいことに挑戦していかないといけないですね。そのためにも、まずは第二回の結果発表の実現と、第3回以降の継続開催に向けて、今回のクラウドファンディングを成功させたいです。
総選挙自体の運営は出来るだけ簡素化してお金をかけないようにして、熱量を高めるところへお金が使われるようになっていくと良いですよね。
vol.2 佐渡島少年の「読書の系譜」へつづく

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■プロフィール
佐渡島 庸平(左):
2002年講談社入社。週刊モーニング編集部にて、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年講談社退社後、クリエイターのエージェント会社、コルクを創業。著名作家陣とエージェント契約を結び、作品編集、著作権管理、ファンコミュニティ形成・運営などを行う。従来の出版流通の形の先にあるインターネット時代のエンターテイメントのモデル構築を目指している。
岡本 大(右):
NPO法人こどもの本総選挙事務局理事長。1991年生まれ。神奈川県出身。大学卒業後、株式会社ポプラ社に入社。入社以来、児童書の編集部に所属し、幼児向けから高校生向けの書籍編集に携わっている。また、2016年にポプラ社内でスタートした「70周年プロジェクト」に参加したことをきっかけに、その中からうまれたプロジェクト「こどもの本総選挙」に参画。書籍編集と並行し、こどもの本総選挙事務局の事務局長を務める。2019年に「こどもの本総選挙事務局」はNPO法人化をし、以降現職を務める。
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リターン
3,500円
お気持ちコース
お礼のメールをお送りいたします。
- 申込数
- 96
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
10,000円

スタンダードコース
●お礼のメール
●総選挙の結果発表の冊子(タブロイド判)
●オリジナルのしおり
- 申込数
- 21
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年7月
3,500円
お気持ちコース
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