「こどもの本総選挙」おとな大応援団、目指せ1000人計画!

「こどもの本総選挙」おとな大応援団、目指せ1000人計画!

支援総額

3,180,000

目標金額 3,000,000円

支援者
199人
募集終了日
2020年5月20日

    https://readyfor.jp/projects/kodomonohon-sousenkyo?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note
2020年04月08日 18:00

【特別対談】佐渡島庸平さん:vol.2 佐渡島少年の「読書の系譜」

こどもの本総選挙事務局の岡本事務局長が、数々のヒット作品を世に生み出している大先輩編集者・佐渡島庸平さんを訪問する対談記事 第2弾。
 

こどもの本総選挙は小学生にそれぞれの「最強の本」を投票してもらう企画です。そこでお二人にも「最強の本」を聞いてみたところ、話題はこども時代の読書遍歴に。

 

「人生の1冊」「いまのおすすめ本」はよく紹介されますが、どのような本を読んできたかは、意外と語られないもの。佐渡島さんは、少年時代にどんな本を読んでいたのでしょうか?
 

vol.1 小学生の熱狂の作り方
vol.2 佐渡島少年の「読書の系譜」
vol.3 総選挙、今後の課題

 

聞き手 / 編集:桝田乃梨子(READYFOR)
 

 

|| ラーメンも読書も、まずは自分の好みの味を知ることが大事

 

岡本:ところで、佐渡島さんがこどもの頃に読んだ「最強の本」って何ですか? 

 

佐渡島:それって実は、何年生のときに選ぶかによって変わってくるよね。僕は、小学校2年生の時は「ズッコケ三人組」。3年生くらいで山中恒岡田淳の作品を、4、5年生で「ガンバの冒険シリーズ」を読んでいたね。小学校高学年では、「ナルニア国物語」とか「指輪物語」とか「はてしない物語」などのファンタジー作品が好きでした。あと、今で言えば「青い鳥文庫」に入っているような名作も。

 

投票しているこどもたちも、回を重ねるごとに投票する本が変わっているかもしれないし、変わっていくこと自体もおもしろいよね。岡本さんはどんな本を読んでいたの?


佐渡島庸平さん(撮影:戸谷信博、以下同)

 

岡本:僕は青い鳥文庫の「パスワード」シリーズを読んで、そこからミステリーに興味を持って、「シャーロック・ホームズ」を読むようになりました。最初に買った大人向けの本は、ハヤカワ文庫の「エルキュール・ポアロ」シリーズでしたね。

 

佐渡島:僕も「ルパン」と「シャーロック・ホームズ」は結構読んだな。だんだん読める本が増えていって自分で本を選んでいくということも、こどもたちにはやってもらいたいよね。自分でおもしろさを見つけるって案外難しいものだから、本を読み続けるためには、その能力をどうやって身につけるかが大事な気がするな。

 

岡本:最近では電子版やネットで本を読むこともできるようになり、便利になった反面、ネット書店では好きな本を見つけるのが難しいと感じています。今後ますます自分でおもしろいものを見つける力が必要になりそうです。

 

佐渡島:「ネット上には全部あるじゃん」だから「ググればいいじゃん」と言われることが増えてきたなかで、実はググり方がわからない人って多くいるんだよ。本も同じように、選び方を知らない人は多い。本を好きになれないのは、あまりにも外れの本を引きすぎたから、ということもあると思う。

 

岡本:せっかく本を読もうと思って買ってみたのに、その本がつまらなかった……ということが続いたら、だんだん本を読まなくなりますよね。

 

佐渡島:二郎系ラーメンが好きな人が煮干しあっさり系のラーメンを食べて、「ラーメン=美味しくない」って思ったらもったいないよね。本もそれと同じで選び方もすごく重要だね。自分がおもしろいと思えるものに出会えれば、その後も本を読んでみようと思うはず。そのためにはまずは自分の好みを知ることが大事。

 

 

|| 自分の好みがわかるまで、手当たり次第に

 

岡本:こどもにとって本の出会いは、大人から薦められることが多いと思います。でもその本が、本当にそれぞれのこどもたちの好みに合っているかはなかなかわからないものです。「こどもの本総選挙」は、第二回で言えば約25万人のこどもたちが投票しています。その中でたくさんのこどもたちに「好き」と投票された本ならば、他の子が読んでも同じように楽しめる可能性が高いのではないかと思います。普段本を読まない子が「おもしろい」と感じる最初の1冊と出合うきっかけになればいいなと思い、こどもの本総選挙を運営しています。

 

佐渡島:こどもの本総選挙で上位に入った本を手当たり次第に読んでみて、「これだ!」という著者を見つけるのもいいよね。まずは著者でもテーマでも、これなら楽しく読めるというものを自分で見つけるのが大事。

 

そう考えると、僕は、小3くらいの頃に「山中恒」にどハマりしたのはよかったのかもしれない。あとは、「ドリトル先生(ドリトル先生シリーズ)」を読んで「ガンバ(ガンバの冒険シリーズ)」に繋がっていったり、「ナルニア国物語」を読んだら「指輪物語」にいって……。次第に自分の好みがわかるようになりました。そういう意味では、こどもの本総選挙って、それぞれ小学生が「自分が好きな本ってどんな本だろう」と振り返ってみるいい機会になっているかもしれないね。

 

岡本:そうやって自分がどんな本を読んできたのか、その道のり「読書遍歴」が自分の中で残っていくといいですよね。どんどん本が好きになれそうです。ちなみに佐渡島さんはその後どういう本を読んでいたんですか?

 

佐渡島:小6くらいから「遠藤周作」を読むようになったかな。でもそのまま、第三の新人(※)とかに行くわけではなくて、自然と大人の本に移行する中で「赤川次郎」とか「西村京太郎」とか、自分の背丈にあって、読み尽くせるような著者と出会っていくんだよね。「十津川警部シリーズ」は中学1年のときに何十冊も読んでいたよ。そのあと「村上春樹」とか、渋いところにいくんです(笑)。それで、高校生くらいから「ミラン・クンデラ」にハマるようになったかな。

 

岡本:佐渡島さんの読書遍歴を聞いているだけでもおもしろいです!今挙がった本、改めて読んでみたいと思いました。

 

佐渡島:自分で振り返ってみると、どんな本をどんな時に読んだのかという「流れ」って重要だよね。でも、意外とそれってオープンになっていない。


こども時代からどんな本をどういう順番で読んだのか、「〇〇さんが小学生時代に読んだ本」という棚を作って書店に設置したりするのはおもしろいかもしれないね。

 

岡本:いいですね!その棚を見れば、その人がどういう人かも見えてきそうです。自分と同じような本ばかり読んでいる人には、勝手に親近感も持っちゃいそうです(笑)

 

(※)第三の新人(だいさんのしんじん)
日本において1953年(昭和28年)から1955年(昭和30年)頃にかけて文壇に登場した新人小説家を、第一次戦後派作家・第二次戦後派作家に続く世代として評論家の山本健吉が命名したもの。安岡章太郎・吉行淳之介・遠藤周作などを代表的な作家とし、第一次・第二次戦後派が本格的なヨーロッパ風の長編小説を指向したのに対し、戦前の日本において主流であった私小説・短編小説への回帰をはかった点が特色とされる。


 

|| 「あ、日本のどこかに読んでいる人はいるんだ」

 

佐渡島:同じ本を読んでいる人に親近感を覚えるって、こどもの本総選挙の今後の盛り上げにも重要な気がするな。せっかく好きな本を投票しているわけだし、推しの本が一緒の小学生同士で友達になれるといいよね。

 

岡本:同じシリーズが好きな人同士でってことですよね。

 

佐渡島:『ざんねんないきもの事典』が好きな人と『ズッコケ三人組』が好きな人って、雰囲気が違いそうだし(笑)。でも、クラスで同じ本が好きって人は身近にいないんだよね……。僕が担当していた『宇宙兄弟』だって、ファン同士が出会うことってなかなかないみたい。この間、「同じ部署で誰も『宇宙兄弟』知らないです」という話も聞いたよ。

 

岡本:出版業界にいるせいか、『宇宙兄弟』知らない人っていないんじゃないかって勝手に思っていました……。でもよく考えると、小学生は600万人いて、児童書は10万部売れれば大ヒットと言われるくらいなので、ざっくり計算してもクラスに1人でも同じ本持っている人がいたらラッキー、という感じですね。僕も小学生の頃、小学館の『小学1年生』から『小学6年生』まで読んでいましたけど、クラスで話が合う友だちが全くいませんでした。でも巻末の読者投稿欄にはちゃんと小学生からの投稿が寄せられているので、それをみて、「あ、日本のどこかに読んでいる人はいるんだ」と感じたんです。

 

佐渡島:出版業界的にはベストセラーだと感じても、それを好んでいるこどもは孤独感を感じているかもしれない。こどもの本総選挙が、本が好きなこどもたち同士をつないで、孤独感を解消するようなイベントになるとおもしろいね。

 

vol.3 総選挙、今後の課題へつづく
 

- - - - - - - - - - - - - - - - -

■プロフィール

 

佐渡島 庸平(左):
2002年講談社入社。週刊モーニング編集部にて、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年講談社退社後、クリエイターのエージェント会社、コルクを創業。著名作家陣とエージェント契約を結び、作品編集、著作権管理、ファンコミュニティ形成・運営などを行う。従来の出版流通の形の先にあるインターネット時代のエンターテイメントのモデル構築を目指している。

 

岡本 大(右):
NPO法人こどもの本総選挙事務局理事長。1991年生まれ。神奈川県出身。大学卒業後、株式会社ポプラ社に入社。入社以来、児童書の編集部に所属し、幼児向けから高校生向けの書籍編集に携わっている。また、2016年にポプラ社内でスタートした「70周年プロジェクト」に参加したことをきっかけに、その中からうまれたプロジェクト「こどもの本総選挙」に参画。書籍編集と並行し、こどもの本総選挙事務局の事務局長を務める。2019年に「こどもの本総選挙事務局」はNPO法人化をし、以降現職を務める。

 

- - - - - - - - - - - - - - - - -

リターン

3,500


alt

お気持ちコース

お礼のメールをお送りいたします。

申込数
96
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年7月

10,000


スタンダードコース

スタンダードコース

●お礼のメール

●総選挙の結果発表の冊子(タブロイド判)

●オリジナルのしおり

申込数
21
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年7月

3,500


alt

お気持ちコース

お礼のメールをお送りいたします。

申込数
96
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年7月

10,000


スタンダードコース

スタンダードコース

●お礼のメール

●総選挙の結果発表の冊子(タブロイド判)

●オリジナルのしおり

申込数
21
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年7月
1 ~ 1/ 13

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る