散逸している明治・大正期の彩色木版口絵を後世に残したい!

"Illustrating the Modern Novel: The Art of Mizuno Toshikata"

日時: April 13, 2017 - June 18, 2017
場所: Honolulu Museum of Art

展示概要：
水野年方（1886-1908）（月岡芳年（1839-1892）の弟子）は、口絵（1890年代から1910年代まで作り出された大衆小説のための彩色木版口絵）の分野で最も多くの作品を生み出したアーティストの一人です。
1868年の明治維新以後、教育改革で日本女性の識字率は劇的に改善しました。この新しい読者の求めに応じて、『文芸倶楽部』（博文館 1895-1933）のような文学雑誌は、ロマンス小説の連載を開始し、そこでは口絵が三折りにされて雑誌の始めの部分に閉じられました。
当初、作品は物語のひとつの場面を表現することを目的としましたが、厳しい出版締切と木版画製作の時間節約のために、およそ1902年までに作家は物語に直結しない"独立した"口絵（しばしばそれは美人画となった）を制作し始めました。
1914年頃になると写真と石版印刷が一般的になり、ジャンルとしての口絵の終わりにつながります。
しかしながら、最近の山田奈々子氏の調査による『木版口絵総覧』のような成果によって、見落とされがちだった木版口絵の美術品としての価値と美術史的な重要性が、注意を惹いています。

詳細はこちら : http://www.bunsei.co.jp/link/imn.html

〔山田奈々子氏 作品集〕
『増補改訂 木版口絵総覧』
http://www.bunsei.co.jp/ja/2009-10-22-09-03-31/1491-kuchuesoran.html
『美人画口絵歳時記』
http://www.bunsei.co.jp/ja/2009-10-22-09-03-31/125-bijinga.html
『口絵名作物語集』
http://www.bunsei.co.jp/ja/2009-10-22-09-03-31/127-meisaku.html
『武内桂舟口絵集』
http://www.bunsei.co.jp/ja/2009-10-22-09-03-31/1063-keishu.html
『梶田半古口絵集 『薄氷遺稿』についても』
http://www.bunsei.co.jp/ja/2009-10-22-09-03-31/1238-kajita.html

Mizuno Toshikata (1886–1908).
'Whispering Sound.'
Japan, Meiji period (1868–1912), 1900.
Woodblock print (kuchi-e); ink and color on paper.

Gift of Philip H. Roach, Jr., 2003 (27478).

Mizuno Toshikata (1886–1908).
'Woman Who Fell Off of a Horse.'
Japan, Meiji period (1868–1912), c. 1900.
Woodblock print (kuchi-e); ink and color on paper.

Gift of Philip H. Roach, Jr., 2003 (27487).