美術家、故篠田桃紅さんからの応援メッセージ

「偉人の残した御言葉 ①」

先日、3月1日に107歳11ヶ月で逝去された美術家・篠田桃紅(1913.3.28生)女史、吉島家と深い関わりを持ち、数多くの作品が吉島家住宅内に展示されています。吉島家住宅の看板も実は篠田桃紅さんの字なのです。
1966年9月週刊朝日に掲載された篠田桃紅さんのお言葉を桃紅さんの108回目のお誕生日である今日、両文化財への応援メッセージとして載せさせていただきます。

『高山の民家は美しい
吉島家に来てオイエと呼ばれる間の炉端に座って、
梁のすがすがしい木組みを見上げると高山に来た気分になる。
隣家の日下部邸の木組みも大らかできびしい美しさだ。
こういう家には、奥山の木の精が宿っているようだ。
飛騨の匠の腕を伝える、高山大工の意気が「いいしこと」となって凝って残っている。
1966年4月日下部邸は民藝館として一般の観覧に門戸を開かれた。
吉島家の子息・現七代目吉島忠男が「高山の旧家をもてあます」なる一文を書き文化財に関わるヨロンをつくるキッカケとなるが実際こういう家の維持は並大抵のことではない。
自分の生家であり、家の価値の程もわかる建築家の訴えがいい実を結ぶように祈っている。』

篠田桃紅さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。