既存の映画に飽きているということはないのだけれど、自分の目ん玉が見せてくれる世界に飽きていると感じるときがあって、だからこそ加藤さんの映画を見たいんだと思う。この映画は「見えない人が撮った映画」として宣伝されてると思うけど、僕にとって加藤さんは「目の見えない人」というよりも「聴覚と指先の感覚が異常に発達している人」です。それはもう、誰もマネできないくらい超絶スゴい。だから僕にとっては「聴覚と指先の感覚が異常に発達している人が映画を撮ったらどうなるか?」ということが第一の興味、あと、この映画って、加藤さんが動いた軌跡を、観客それぞれが頭の中で結像させるようなイメージがあって、ピントの合わせ方がそれぞれであるというような映画の状態に、とても興味があります。

 

 

高嶺格(たかみね・ただす)
1968 年鹿児島生まれ、京都市立芸術大学・岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー卒。パフォーマンス、ビデオ、インスタレーションなど多彩な表現を世界各地で行っている。近年の主な個展に、イギリスを含む4つの美術館を巡回した回顧展「とおくてよくみえない」(2011年)、震災以降の状況をダイレクトに扱った「高嶺格のクールジャパン」(水戸芸術館、2012年)、視覚障碍者に案内されながら巡る「てさぐる」(秋田県立美術館、2014年)など。

 

 

9月30日に行った中間上映&トークイベントでの高嶺格と加藤秀幸