現代社会で住宅地にミツバチの巣箱を設置することの難しさ

このプロジェクトの中でも住宅地の中にミツバチの巣箱を設置していることを紹介しています。

そこはすぐ近くが雑木林なので、住宅地周辺にもニホンミツバチが飛んでおり、庭の敷地内に咲いている花や雑木などから蜜を集めています。

古くからある集落では、住宅地の中でもミツバチを当たり前のように飼育し、ハチミツを食べていました。

そのような点からも、人間とミツバチの関係は何千年前の大昔から共存してきたと言って良いと思います。

 

しかし、現代社会では人間とミツバチが共存できるには障害が多いように思います。

 

蜂＝刺す

 

という固定概念が多くの人を支配しているようで、住宅地にミツバチを設置する際にご近所さんに説明に行くと、刺されるから止めてくれと言われ、希望するニホンミツバチ養蜂を断念される方が結構います。

 

実際、蜂に刺されてアナフィラキシーショックで亡くなっている方もいますし、スズメバチに襲撃されて大怪我されている人もいるので、もちろん十分に考慮する必要はありますが、ミツバチを身近で飼育することによって得られる感動や、知識も非常に得難いものがあるわけで、その点が考慮されずに蜂は刺すから嫌だと条件反射的に考えるのは非常にもったいない考えだなと思うわけです。

 

ちなみに、人間が蜂を刺激したり、機嫌が悪い時に近づくと蜂は刺すことはあります。

しかし、通常は巣箱の前で人間が作業などしていても、攻撃してきません。

蜂の動きを観察することで、今日は近づくと怒りそうだなとか、機嫌が悪い天候だなとかわかってくると、逆に面白くなります。

つまり、人間が野生の感覚を少しでも身につけることで、野生の虫でも動物でもある程度は同じ空間でも共存していけるのではないかと思えてなりません。

 

ニホンミツバチと付き合うことは、人間が野生の感覚を少しだけ取り戻す良い機会なのかもしれません。

そのような機会を多くの現代人が求めてるから、ニホンミツバチそのものに関心を持つ人が増えているのかもしれません。