自然と命に向き合う「現場」から（書き手：松本 薫）

ジビエ肉は臭い。私もそう思っていました。

でもその固定観念は、２年前、宇田川さんにバーベキューを食べさせてもらって吹き飛びました。

イノシシは、旨みの濃い豚肉のよう。

 

 

シカ肉は、あっさりしていながら風味があり、とても食べやすい。

予想していた臭みはまったくなく、ただただ美味しいと舌鼓をうちっぱなしでした。

 

 

 

宇田川さんの取材の日、偶然にもシカが罠にかかったとのことで、処理の現場に立ち会うことができました。

 

一瞬で心臓を刺し止め、またたくまに内臓を抜き取る。

神業ともいえる手さばきを、私はただ見つめるだけでしたが、その場の緊張感から、「命をいただく」とはこういうことなのか…と厳粛な気持ちになりました。

 

 

増えすぎたイノシシやシカは、田畑や森林を荒らします。

害獣として殺さなければならないのなら、美味しい肉にして食べてもらいたい。

それが宇田川さんの思いです。

長年ハム製造会社に勤め、世界各国のハム作りを体験し、家畜解体にも関わってきたからこその思いであり、培われた技術なのです。

 

自然との共生は、自然のなすがままにするということとは違う。

宇田川さんの仕事を見て、そう感じました。

人間が自然と共に生きていくためには、自然に手を加えることも必要だし、ときに野生生物を殺して食べることもしなければならない。

そうしなければ、ただ苦しんで朽ちて失われる命になってしまうからです。

現代社会、ことに都市部では見えなくなった「自然との格闘」を見た思いでした。

 

 

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🌿返礼品紹介

奥大山の森と向き合い、命と真摯に向き合う宇田川保さん。

その手によって仕上げられる「地美恵のジビエ肉」は、まさに命の恵みそのものです。

 

宇田川さんが手がける鹿肉は、驚くほど澄んだ味わい。

初めて口にしたとき、そのやわらかさと旨みに心から驚かされました。

 

🥩奥大山 地美恵のジビエ肉（約600g）

速さと衛生を極めた技術が、命を活かす美味しさを生み出します。

罠にかかった野生動物をその場で仕留め、スピーディーかつ丁寧に処理をされます。

その時間約１時間足らず。規定の半分以下の時間だそうです。

そのスピードが臭みのなさと肉本来の美味しさの秘密です。

 

返礼品のお肉の部位や内容は変わることもありますが、

ひとつひとつに宇田川さんの想いが込められています。

 

鹿肉の骨付き部位や挽肉など、調理しやすく使い勝手の良い内容でお届けします。

まさに奥大山の自然と、そこに息づく命を感じていただける逸品です。

 

 

 

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小説家

松本 薫

【本プロジェクトの役割】執筆・インタビュアー

 

鳥取県米子市出身の小説家。中学校教員を経て作家活動を始め、2000年『ブロックはうす』で早稲田文学新人賞を受賞。以降、鳥取県出版文化賞を受賞し、『TATARA』『火口に立つ。』など鳥取の歴史や人物を題材に多くの小説を執筆してきました。江府町を舞台にした歴史小説『天の蛍』も出版し、地域との縁も深い。

 

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