【メッセージリレーNO.19】千坂 純

加藤弘光さんとは、還暦の節目の中学校同窓会に彼が卒業後初めて参加して、再会しました。私の前に座った彼を見て、すぐにわかりました。

 

彼とは中学時代に絵画好きの何人かの友人で漫画研究会的なものをつくり、彼の家に集まって漫画を描いていた記憶がありました。彼の才能はそのころから飛びぬけたものでした。

 

そんな関係があったので、その時とても懐かしく思い、すぐに昔に帰ったように話ができました。そう、中学時代の風貌やひょうひょうとした感じが、あまり変わらない感じだったのです。その時は、彼がどんな画業を作り出していたのかは、まったくわかならなかったのですが、その後、同窓生の佐藤裕子さんを介して彼の個展を見る機会を得、本当に感動しました。

 

それは、本当に個性的な独自の世界で、しかも見るものに温かさや生命の脈々としたエネルギーを伝搬させるものでした。

誰の物まねでもない、加藤君の世界がそこにあり、本心、引き込まれました。

それで、その後も個展に行かせていただきました。そして、鑑賞させていただいた後、裕子さんと加藤君と表参道の飲み屋で交流をする機会を何度か得ることができました。

飲み会の時の彼は、あのすごい作品を生み出した人物とは思えないぐらい、昔と変わらぬやんちゃ少年（おじさん）的な存在でした。楽しいひと時を過ごさせていただきました。そういう、何十年ぶりかの再会によるお付き合いが始まった矢先での突然の訃報に、本当に驚くばかりでした。無念極まる突然の死だったと思います。

しかし、彼が画家として、教師として、そして父として、本当に豊かな人生を送り、多くの素晴らしいものを残したのだということを、告別式に参加し、特にお子さんたちの個性豊かなそれぞれの父への思いを聞いて、実感しました。

そんな彼の画業を多くの人に見てもらい、知ってもらう今回の企画が実現することを願わずにはおれません。微力ではありますが、私も支援させていただきたいと思います。成功をお祈りします。

そして、何かできることがあえばお手伝いしたいと思います。展覧会を楽しみにしています。がんばってください！　　

 

大河原中学時代の同級生　千坂純