いちたちゃん

 

このプロジェクトのメイン写真。

とても嬉しそうに、可愛い笑顔で写っている「いちた」ちゃん

 

いちたちゃんは、「両大血管右室起始、鎖肛、ダウン症候群」に立ち向かっているお子さんです。

ご両親は「どんな人生になっても歩んでいけるように」と名付けたそうです。

のちにダウン症だとわかった際に、自然と名前に重みが増したと仰っていました。

 

いちたちゃんの病気がわかった時の気持ちや、さっぽろハウスを利用していた時のこと、また今後のことについて、ご両親に伺ってみました。

 

 

いちたの病気が分かった時は正直、何が起きているのか全く理解が追いついていない状態でした。

 

「この子が大きくなる頃には治る病気なのか。日常生活に支障をきたさないのか。」

 

それだけが心配でした。

また数日たって、それらの病気がダウン症による合併症であったとわかった時は、さらにショックが大きく、精神的にもかなり参っていたと思います。

 

さっぽろハウスについては、利用する前は「病院の横にある泊まらせてくれるありがたい場所」という認識だけでした。

そして、精神的に追いつめられた中で利用しはじめるので、当初はハウスの温かさに気づく余裕もなく、自分がハウスに滞在していること自体、子どもの病気と同じように、現実として受け入れることができず孤独でした。

 

ですが、皆さんの挨拶や、そっと用意してくださる炊いたご飯など、随所にある優しさが、温かく身に染みて段々と孤独ではなくなっていました。

 

また、コロナ禍のため会話こそなかなか出来ない状況でしたが、他に滞在している家族の方がいることは、戦友がいるような安心感がありました。

 

そして、２度目の利用時には「帰って来た」ような気持ちになったことに驚きました。それぐらいハウスではリラックスすることができていたのだと思います。

 

ハウスに滞在している中で 1番大きな出来事は、いちたが1ヶ月になる時のことです。

「付き添いなどで慌ただしく日々が過ぎ、何のお祝いの用意も出来ていない」

とハウスの方に相談したところ、すぐに画用紙などを用意してくださり、１ヵ月のお祝いを写真に収めることができました。本当に感謝しています。

 

今後、まだ手術の予定もありますが、いちたは良く食べ良く寝て良く動き、笑ってくれていて、こちらが励まされます。

明日には自分もどうなるかわからないのが人生なので、今を大切にたくさん一緒に笑っていきたいです。

 

また、出来れば色んな所へ一緒に出かけたいです。

一緒に観て体験して、その中でいちたが楽しいことを１つでも多く見つけられたらいいなと思います。

また、同じように過ごす家族の方々の力に少しでもなれたらと思います。

 

 

いちたちゃんの笑顔をみると、ご両親の愛情が本当に伝わってきます。

今回はご協力いただきありがとうございました！