こんにちは。よりよく生きるプロジェクトの矢辺です。

 

 

前々回の新着情報で、障害者活躍白書2013の冊子版が完成したことをお伝えさせていただきました。

 

 

今回は、障害者活躍白書とは何か。そして、障害者活躍白書が多くの人の手に渡ることで、どんな効果があるのか。このことを書いていきたいと思います。

 

 

 

■障害者活躍白書を作成した背景

 

障害者活躍白書は、ある人事の方の一言で始まりました。

 

「働く障害者は何を考えているのですか?」
「なぜ障害者は辞めてしまうのですか?」

 

 

「なんとなくこうだろうなぁ」とは考えていましたが、我々は、この質問に対してデータを用いて、的確にお答えできませんでした。障害者数や雇用率はお伝えできても、働いている障害のある方が「働いてみてどう考えているのか」「企業に求めているものはなにか」をお伝えできないことに気付きました。

 

 

そして、企業は雇用率があるため入社してもらうことがまず第一になります。また、障害者は、障害があるため働くことのハードルが高く感じるのでまず働くことを考えます。また、これは障害者だけではありませんが、生活費の問題が出てきます。

 

 

このため、企業・障害当事者の双方とも、まず入社することが目的になっており、「いかに活躍するか・させるか」「どうやって価値を発揮するか・させるか」という健常者では当たり前に持たれる視点が大きく欠けているのではないか。という問題意識がありました。それがやりがい、働きがいにつながるからです。

 

 

以上を踏まえ、下記の点を障害者活躍白書を作成することで、伝えていこうと考えました。

 

 

・入社を目的にするのではなく、「いかに活躍するか・させるか」「どうやって価値を発揮するか・させるか」という視点を持ってもらう

 

・そうすることで、やりがい、働きがいにつなげていく

 

・そのため、今、働く障害者が何を感じて・考えているかを伝える

 

 

■障害者活躍白書2013の概要

 

・実施目的
アンケートにより、障害のある方が働くことをどう考えているか実態の把握から、企業などの組織において障害者雇用を行なう上で、「これから何をしなくてはいけないか」、障害当事者は働く上で何を考えなくてはいけないかの提言を行なうことを目的として、以下の3点としました。

 

1.障害のある方が働くことをどう考えているのかをデータで把握する
2.障害のある方が働く上でのデータを元に新たな課題を明らかにする
3.新たな課題に対する解決策を提案する

 

 

・実施対象
企業で働き退職経験がある障害者手帳の所持者としました。

 

 

・回答数
アンケート回答者数:83名
インタビュー回答数:8名

 

 

・想定読者
人事担当者、障害当事者、支援者

 

 

■障害者活躍白書2013の目次

 

はじめに


障害表記について

 

第1章 障害者活躍白書の概要
 (1)障害者活躍白書作成の背景
 (2)アンケート及びインタビューの概要
 (3)アンケート調査の結果考察(ダイジェスト)

 

第2章 障害者雇用&障害者の現状
 (1)はじめに
 (2)企業の雇用率の推移
 (3)企業規模別雇用率
 (4)企業規模別達成割合
 (5)障害者手帳発行数
 (6)障害者手帳発行数の増減
 (7)想定可能労働者数
 (8)就業者数と就業率
 (9)雇用数の純増

 

第3章 アンケート結果
 (1)調査対象者の属性
 (2)障害別必要な配慮
 (3)調査対象者の社会人歴・前職情報
 (4)退職理由&障害別退職の際に相談した相手
 (5)退職理由と満足度
 (6)退職企業に対する満足度
 (7)満足度&重要度の構造分析
 (8)アンケート調査のまとめ

 

第4章 アンケート結果を踏まえ、今後企業が取るべき施策

 

第5章 インタビュー

 

第6章 企業事例紹介

 

おわりに

 

 

■障害者活躍白書2013の結果概要

 

・働く障害者の54.5%が「自己の成長」ができたと感じているが、30.9%しか「評価」「育成」に満足していない

 

 

・ 「貢献実感」「⾃己の成⻑」「やりがい」「⼈間関係」は、障害者が望んでいる環境を提供できている

 

 

・ 「経営理念・⽅針」「組織⾵土」「育成」「評価」「モチベーション」「仕事の 質・量」「育成」は、重要度が⾼いにも関わらず満⾜度が低い

 

 

以上を踏まえ、経営理念・⽅針を明るい組織⾵土を通じて伝え、障害があっても育成できる職場環境、本⼈が納得できる評価が⾏われることで、モチベーションを⾼めていくことが重要課題として浮き彫りになりました。

 

 

■障害者活躍白書の効果

 

最初のページにも書いていますが、障害者雇用は、入社することが目的になりがちなので、障害者の働きがいを考えられることがほとんどありません。障害者自身も、彼らを前向きに受入れてくれる部署に入れば、働きがいを持てるかも知れません。しかし、我々は受入れ前の企業研修をやっていますが、多くの部署は「障害」という戸惑いから、下記のような不安を持つ人が多いです。

 

 

(漠然とした不安)

 

(・大変だ ・手間がかかる ・すぐに辞めてしまったらどうしよう)

 

(とにかく気を使わなければと思っていました。発言等でキズつけなければ、おとなしくしていようと思ってました)

 

 

このようなイメージを持つ人が多いため、もし事前に障害に関する正しい知識を手に入れられなければ、障害者の受け入れがうまくいかず、仕事に働きがいを持てないことになります。障害者の働きがいを考える機会が増えていくことで、このような「障害」という戸惑いも減っていくでしょう。

 

 

また、企業にとっても、障害者の働きがいを考える機会を増やしていくことで、障害者が働きがいを持てます。そうすれば、モチベーションも高まり、成果を残す障害者社員が増え、企業にとってもメリットになります。

 

 

このように障害者活躍白書をきっかけに、多くの場所で障害者の入社後について、働きがいについて考える機会が増えることが障害者活躍白書の意義だと考えております。

 

 

引き続き、ご支援、ご協力をお願いいたします。

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