寄付総額
目標金額 5,000,000円
- 寄付者
- 315人
- 募集終了日
- 2023年9月21日
iPS細胞による網膜再生医療実用化|患者さんに光を失わせない未来へ
#医療・福祉
- 現在
- 19,939,000円
- 寄付者
- 383人
- 残り
- 33日
九七式中戦車改、里帰り直前の急展開!?輸送費用のご支援を
#国際協力
- 現在
- 8,252,000円
- 支援者
- 443人
- 残り
- 25日
恐竜調査研究最前線 ―極寒の地で生きた、恐竜たちの痕跡を求めて―
#大学
- 現在
- 5,275,000円
- 寄付者
- 308人
- 残り
- 19日
難病「多発性嚢胞腎」 新規治療薬開発の基礎研究に対するご支援を
#医療・福祉
- 現在
- 13,655,000円
- 寄付者
- 489人
- 残り
- 3日
大好きなこの地域を守る-すべては患者さんのために 救急車両更新を-
#医療・福祉
- 現在
- 15,938,000円
- 寄付者
- 353人
- 残り
- 19日
病院のそばに、第二のわが家を。ドナルド・マクドナルド・ハウス開設へ
#子ども・教育
- 現在
- 4,818,000円
- 寄付者
- 291人
- 残り
- 14日
英霊の「みこころ」とご事蹟を後世へ|靖國神社遊就館改修にご支援を
#地域文化
- 現在
- 44,211,000円
- 支援者
- 1,933人
- 残り
- 4日
プロジェクト本文
第二目標達成のお礼と、最終目標(1000万円)への挑戦について
190名を超える多くの方々からのご寄付により、第二目標金額の700万円を達成することができました。心より御礼申し上げます。
目標を超えた今もなお多くの方々からのご協力を賜り感謝しかありません。第二目標の700万円を達成したことで、次世代シーケンス解析やPCRなどのルーチン作業を効率化し、本研究を加速させることができます。重ねて御礼申し上げます。
そして、残り27日間という期間ですが、最終目標金額として1000万円を設定させていただきました。いただいたご寄付については、2025年3月までに実施予定の以下の用途に資金を充てさせていただきます。
【資金使途の概要】
手のひらサイズ、10分で結果が分かる迅速診断装置(マイクロ流路PCR装置)の開発費用 300万円
みなさまからのご寄付は、薬剤耐性菌に対して一日も早く簡便に迅速診断ができる未来へ、前進させる大きな力になります。
本研究には、まだまだ皆様の応援が必要です。皆様のお気持ちを大切に全力で取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2023年8月25日
中南秀将、三上万理子
▶第一目標達成の御礼はこちら
● 近年、皮膚感染症患者の間で、薬剤耐性菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の増加とともに、病原性の強い強毒型MRSAも急増しています。
● しかし、現在の検査体制では迅速な診断ができておらず、「薬剤耐性菌である」という検査結果が出るころには重症化してしまう場合もあります。強毒型MRSAを迅速に診断する方法の開発が必要です。
● 本クラウドファンディングにおいては、薬剤耐性菌感染症の迅速診断法を開発する第一歩として、強毒型MRSAのみが有する特異的な遺伝子(バイオマーカー)の解明と、見出したバイオマーカーの有用性の評価に挑戦するため、必要な研究資金を募ります。
これからも薬剤耐性菌との闘いは続くと予想されますが、薬剤の進歩を待つだけでなく、早期に発見できる技術をつくることも必要です。皆さまのご寄付を、よろしくお願い申し上げます。
薬剤耐性菌、およびその対策について
近年、抗菌薬が効かない細菌(薬剤耐性菌)による感染症が世界的に拡大し、公衆衛生および社会経済に重大な影響を与えています。しかし、新しい抗菌薬の開発は停滞しているのが現状です。
このまま何も対策を講じなければ、薬剤耐性(Antimicrobial resistance:AMR)による死亡者数は、2050年には世界で年間1,000万人に上ることが予想されています[出典:大曲貴夫, AMR対策アクションプラン 概論・目標. 臨床と微生物 (2021)]。これは、現在のがんによる死亡者数を上回ります。
こうした背景から、2016年からわが国においてもAMR対策アクションプランが実施され、2020年の本邦における抗菌薬の使用量は、2013年と比較して29.9%減少していました[出典:薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会, 薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書 (2021)]。一方で、薬剤耐性菌はわずかに減少したものの、数値目標の達成には至っていません。
なぜ、薬剤耐性菌が出現するのか?
一般的な細菌は、染色体上の遺伝子の突然変異によって、抗菌薬が存在しなくても一定の割合(100万個~1億個に1個)の確率で、自然と薬剤耐性菌が出現してしまいます。細菌は一日に10億個くらいに増殖するため、実は毎日10個~1000個の耐性菌ができている計算になります。
一方で、こうして誕生した薬剤耐性菌は、元の細菌よりも弱いことが多いため、自然と淘汰されてしまいます。しかし、抗菌薬が投与されると、圧倒的多数を占めていた元の細菌が死滅し、薬剤耐性菌のみが選択されて増殖してしまいます。
抗菌薬の不適切な使用は、薬剤耐性菌の出現と流行を助長してしまいます。したがって、薬剤耐性菌の流行を防ぐためには、早期に適切な抗菌薬で治療することが重要です。
皮膚感染症におけるMRSA・強毒型MRSAの急増
近年、代表的な市中感染症である皮膚感染症患者から分離された黄色ブドウ球菌に占めるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の割合が増加しています。
この要因の一つとして、強力な白血球溶解毒素 Panton-Valentine leukocidin(PVL)を産生する強毒型MRSAの著しい増加が挙げられます。
薬剤耐性菌のエースで4番バッター:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
黄色ブドウ球菌は、ヒトの皮膚や鼻腔などの常在菌ですが、毒素のデパートとも呼ばれていて、様々な感染症の起因菌としても知られています。特に、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)は病原性が高く、多種の抗菌薬に耐性(多剤耐性)を示すため、臨床上最も重要な薬剤耐性菌です。
主に、入院患者から分離されるMRSAを院内型MRSA、市中の健康なヒトや外来患者から分離されるMRSAを市中型MRSAと称します。
市中型MRSAの中には、白血球溶解毒素(Panton-Valentine leukocidin:PVL)と呼ばれる強力な毒素を産生する菌株が存在し、健康なヒトにも難治性の皮膚感染症、壊死性肺炎、敗血症などの重篤な疾患を起こすため、強毒型MRSAと呼ばれています。
私たちのもとに寄せられた難治性・重症皮膚感染症に関連するMRSAの解析依頼も、2019年は19件、2020年は38件、2021年は180件と急増しており、診断や治療に難渋している臨床医が非常に多いことを物語っています。
黄色ブドウ球菌が引き起こす皮膚感染症の例
軽症例(浅在性):膿痂疹、毛包炎など
重症例(深在性):せつ・よう、皮膚膿瘍、壊死性筋膜炎など
強毒型MRSAによる皮膚感染症は重症例(深在性)が多く、基礎疾患のない健康な若年者においても容易に重症化しています。
強毒型MRSAに対して “きわめて遅い” 現在の検査体制
クリニックなどの市中の医療機関における感染症治療は、一般的に原因菌の培養を検査会社へ委託するため、結果を待たずに抗菌薬を処方します。そのため、薬剤耐性菌による感染症であった場合、再診時にはすでに重症化しているケースが少なくありません。
原因菌と薬剤耐性を早期に把握して治療や感染対策を開始することができれば、重症化の予防、治療期間の短縮、医療費の削減などの多くのメリットが得られます。
しかし、MRSA感染症の迅速診断には高価で大型の装置が必要となるため、市中の多くの医療機関(地域の中小病院やクリニックなど)では実施できていないのが現状です。
そこで本研究では、市中の医療機関で実施可能な新しい臨床現場即時型検査法(Point of Care Testing:POCT)を開発することを最終的な目標と設定し、本クラウドファンディングではその基礎となる研究成果を得ることを目指します。
私たちの研究グループは、日本各地の病院や皮膚科クリニックの医師と連携し、皮膚感染症の臨床検体を収集しています。この研究によって、市中で分離されるMRSAの半数がPVL陽性株であり、そのうち9割が特に病原性の高いUSA300と呼ばれる強毒株であることが明らかになりました[Kaneko et al, Microbiol Spectr (under revision)]。
また、USA300による皮膚感染症の多くが重症例や再発例、家族内感染など、何度も再発を繰り返す難治例であることも分かりました[出典:Yokomori et al, JMA J (2020); Iwabuchi et al, J Dermatol (2021); Sugawara-Mikami et al, J Dermatol (2021); Ota et al, J Dermatol (2022); Sugawara-Mikami et al, J Dermatol (2022); Arakawa et al, J Dermatol (2023); Kawakami et al, J Cutan Immunol Allergy (2023); Kaneko et al, J Antimicrob Chemother (2023)]。
本クラウドファンディングにおいては、この目標を達成するために必要な、強毒型MRSAに特異的なバイオマーカーの解明に挑戦します。
クラウドファンディングにていただくご寄付の使いみち
目標金額:500万円
・強毒型MRSAのゲノム解析費用 300万円
・特定したバイオマーカーの有用性の評価 80万円
・研究費の維持管理費 40万円
・クラウドファンディング手数料 80万円
※なお、目標金額達成後にいただくご寄付は、強毒型MRSAの迅速な診断に向けた小型PCRシステムの試作機開発に活用する予定です。
研究内容の詳細について
このプロジェクトでは、これまでに収集した約800株の強毒型MRSAのゲノムを解析し、特異的なバイオマーカーを解明します。さらに、このバイオマーカーをリアルタイムPCRで検出するためのプローブとプライマーを作成し、様々なMRSA(約10,000株)や皮膚細菌(約5,000株)との交差反応性を検証します。PCRの感度と特異度を算出し、バイオマーカーとしての有用性を評価します。
研究実施期間(予定)
2023年10月〜2025年3月末日
研究体制
中南 秀将(東京薬科大学薬学部 臨床微生物学教室 教授)
三上 万理子(横浜西口菅原皮膚科 院長・理事長)
森岡 和大(東京薬科大学薬学部 生体分析化学教室 助教)
これまで、「黄色ブドウ球菌による皮膚感染症を重症化する新しい病原性因子の解明」(GSKジャパン 研究助成, 200万円, 2017年)、「高病原性MRSAによる感染症の早期診断・治療を目指した網羅的分子疫学研究」(科研費 基盤(C), 500万円, 2018~2020年)、「MRSAの感染症対策に貢献するバイオマーカーの解明と臨床応用を目指した基盤研究」(日本化学療法学会 上原感染症・化学療法研究奨励賞, 100万円, 2021年)で獲得した研究費によって、日本各地の臨床分離株を収集し、分離した黄色ブドウ球菌の網羅的な分子疫学研究を実施してきました。
私たちは、毎年500症例以上の皮膚感染症の臨床検体を収集し、分離した黄色ブドウ球菌を解析しており、得られたデータを病院・クリニックにフィードバックすることで、日々の感染症治療に貢献しています。これによって、膨大なMRSAを得ることができ、バイオマーカーを解明するための基盤を構築することができました。
そして最終的には、本研究の成果として得られたバイオマーカーを活用し、臨床現場で、誰もが、迅速かつ簡便に使用できる新しいPOCTの開発へとつなげていくことを目指します。
本研究の最終目標は、市中感染症に対する新しい臨床現場即時型検査法(Point of Care Testing:POCT)を開発することです。
これを実現するために、まずは本クラウドファンディングを成功させ、新しいPOCTを開発するための第一歩として、強毒型MRSAを特異的に検出できるバイオマーカーを明らかにする必要があります。
初診時に強毒型MRSAによる感染症を診断することができれば、初期治療から適切な抗菌薬を投与することが可能となり、重症化を防止するだけでなく感染拡大を防止するための対策を速やかに講じることもできます。
現在、本学薬学部の生体分析学教室と共同で、検体採取からわずか10分で結果を判定できる手のひらサイズのポータブルPCRシステムを開発しています。次なるステップは、このプロジェクトで解明したバイオマーカーを活用し、強毒型MRSAによる感染症のPOCTを実用化するための基礎研究です。
私たちが開発するPOCTを実用化することができれば、他の様々な感染症の迅速診断にも応用することが可能です。本研究は市中感染症の検査・診断方法を革新し、早期診断・早期治療を可能にし、感染症の蔓延と重症化を防ぐゲームチェンジャーになると確信しています。
三上 万理子
横浜西口菅原皮膚科 院長
神奈川県皮膚科医会 幹事
横浜市皮膚科医会 常任幹事
SDGs対策や環境を重視する国内外の動きが加速していく中で、私は皮膚科開業医として皮膚感染症における薬剤耐性(AMR)対策に取り組んで参りました。ポスト・コロナ時代における「誰も取り残さない持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標」の達成を考えたとき、AMR対策はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と共に我が国のグローバルヘルス戦略の柱として認識すべきであるとされています。
全国の市中において強毒型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の蔓延が確認される中、当院にも多くの患者様が来院されましたが、中南秀将教授に解析を行っていただいたことで迅速な診断治療につながりました。この経験を地域に還元したいという強い思いで、横浜市におけるサーベイランスを行い、やはり市内にも多くの患者様がいらっしゃることがわかりました。
私共は疾患の啓発活動と共に、迅速検査法やAMR対策を含めた治療法の提案などを国内外に向けて行って参りたいと考えています。開業医が基礎研究者と共同で研究できることは非常に稀なことで、私には宝のような経験になっています。やはり、真の研究は現場の臨床で生かされてこそ、その輝きが増すのではないかと考えています。患者様のお役に立てることが、臨床医の我々のみではなく、基礎研究者の強い願いだと確信しています。この強い願いを叶えるべく、皆様のご支援によって私たちの研究を成功にお導きいただけますと幸いです。
森岡 和大
東京薬科大学 薬学部 生体分析学教室 助教
私は分析化学が専門であり、“いつでもどこでもだれでも”実施できる簡便かつ高感度な分析技術・デバイスの開発に取り組んでおります。現場での感染症検査を指向したPCR装置に関する研究では、遺伝子増幅技術や検出技術の開発は進んでいるものの、実用性やコストの課題は十分に解決できているとは言えず、まだまだ普及が進んでいない状況です。
本プロジェクトでは、中南秀将教授や三上万理子先生と協力し、強毒型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を迅速に診断できる手のひらサイズの小型PCRシステムを開発します。強毒型MRSAの重症化や感染拡大の防止に、装置開発の観点から貢献したいと思っております。皆様のご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
三鴨 廣繁
愛知医科大学医学部 臨床感染症学講座 教授
日本化学療法学会 西日本支部長
日本臨床微生物学会 理事
日本政府は、antimicrobial resistance(AMR)に起因する感染症による疾病負荷のない世界の実現を目指し、AMRの発生をできる限り抑えるとともに、薬剤耐性微生物による感染症のまん延を防止するための対策をまとめ、薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2016-2020)を発表し、国として薬剤耐性菌問題に取り組んできました。
2023年になって、政府は、新しいアクションプランとして、薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)を発表し、6分野(1普及啓発・教育、2動向調査・監視、3感染予防・管理、4抗微生物剤の適正使用、5研究開発・創薬、6国際協力)の目標に沿って、アクションプラン(2016-2020)同様、具体的な取り組みを記載するとともに、計画全体を通しての成果指標(数値目標)を設定しています。
この中でも、注目すべき薬剤耐性菌の一つとして、依然としてメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が取り上げられています。アクションプラン(2016-2020)では、医療分野における黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合を20%以下にする目標が設定されていましたが、厚生労働省のサーベイランス(JANIS)によると、2020年の時点で黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合は47.5%と報告されています。アクションプラン(2023-2027)でも、黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合を20%以下を目指すことが示されています。この数値目標を達成するためには、有能な基礎研究者や臨床医・臨床の研究者が手を組んで、疫学研究、新しい診断法や治療法の開発等に取り組むことが必要であると考えています。さらに、近年ではMRSAの高病原性株の出現も臨床現場で大きな問題になっております。これらの問題を解決するためには、継続的な研究の実施が必要です。しかし、研究には多額の費用が必要であり、皆様のご支援によってこのクラウドファンディングに多くの方々から賛同いただき、MRSA感染症を減少させるという成果につながることを心から願っております。
松本 哲哉
国際医療福祉大学医学部 感染症学講座 主任教授
日本化学療法学会 理事長
日本臨床微生物学会 理事長
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、日本国内では1980年代から院内感染を起こす耐性菌として社会問題となりました。その後、さまざまな対策を行った結果、医療機関でのMRSA感染はやや減少傾向が認められるものの、医療機関外で一般の方々が感染するMRSAが問題となってきています。その多くは市中感染型MRSAというタイプの耐性菌であり、子供や学生さんなど本来、健康上の問題がない方にも感染が広がっています。
MRSAの問題は抗生物質(抗菌薬)による治療が難しい、というのが一番の問題なのですが、市中感染型MRSAの中には強毒型が存在するという別の問題もあります。もし強毒型のMRSAに感染したら、単なる皮膚感染に留まらず、重症化するケースも認められており、早期の診断が重要ですが、まだその方法は確立しておりません。
今回、クラウドファンディングを企画されている中南秀将教授は、私も長年存じ上げておりますが、MRSA研究のトップリーダーとして精力的に研究を続けてこられ、多くの研究成果を発表してこられました。その有能な研究者が臨床と手を結んで、強毒型のMRSAを簡便に診断できる検査法の開発に取り組まれるということで私も非常に期待しています。研究には多くの費用が必要であり、皆様のご支援によってこのクラウドファンディングが成立して成果を生むことを心から願っております。
石井 則久
国立療養所多磨全生園 名誉園長
国立感染症研究所 名誉所員
皮膚科領域においては、伝染性膿痂疹(とびひ)、せつ・よう、皮下膿瘍、蜂窩織炎などの黄色ブドウ球菌による感染症をよく経験します。20年くらい前から、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)によるとびひ患者が急増し、大きな社会問題となりました。
また、最近では、皮膚感染症について情報交換する皮膚科医の集まり「皮膚感染症くらぶ」において、重症や難治性の皮膚感染症患者からMRSAが分離されることが多くなっていると話題になっています。この皮膚感染症は、同居家族内でピンポン感染することが多く、一度治癒しても数ヵ月後に再発することが極めて多いという特徴があります。そんな中、「皮膚感染症くらぶ」の会員から、中南秀将教授に菌株を解析してもらい、遺伝子型を同定してもらったとの情報提供がありました。これが、いわゆる強毒型MRSAだったわけです。
現在では、日本各地の多くの皮膚科医が、中南教授に検体を送って遺伝子解析を実施してもらっています。現状、検体を送ってから解析結果が得られるまで、10日間程度の時間を要しています。皆様のご支援によって、このクラウドファンディングが成立し、臨床現場で患者さんを待たせることなく、強毒型MRSAによる感染症を診断できるようになり、この感染症で困っている皮膚科医と患者さんが少なくなることを期待しています。
山崎 修
島根大学 皮膚科学講座 教授
JAID/JSC感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 委員(皮膚軟部組織感染症)
強毒型のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は特に皮膚科領域の病気から検出されます。特別な病気ではなく、おでき(せつ)などのよく見られる皮膚の細菌感染症です。若年者に多く、家族にもうつることがあり、再発性に繰り返し、難治な経過をたどります。経験的に抗菌薬を投与しているのが現状です。臨床現場では迅速検査は大変魅力的です。強毒型のMRSAが原因であることが、より早く診断できれば、苦しんでいる患者さんに福音をもたらす可能性があります。
日本中の多くの臨床医が中南秀将教授の施設に菌の遺伝子解析を依頼しており、長年のMRSAの研究実績があり、この研究は実現可能です。強毒型のMRSAのバイオマーカ―開発へ挑戦する中南秀将教授らのグループのプロジェクトを応援します。
・本プロジェクトでは、強毒型MRSAの特異的なバイオマーカーの解明、およびバイオマーカーとしての有用性の評価に向けてご寄付を活用いたします。必ずしもスケジュール通りに進行でき、想定通りの結果が得られるとは限りません。
・研究計画に大幅な変更が生じる場合にも、活動報告などを通じてお知らせしながら、強毒型MRSAに対する研究へ皆さまのご寄付を大切に活用いたします。
・ご寄付のお手続き時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
・寄付金領収書の送付は、2023(令和5)年 11月下旬~12月までに行う予定です。税制上の優遇措置を受けるための証明書(写し)とともにお送りさせていただきます。
・寄付金領収書に記載される寄付金受領日は、本プロジェクトが成立した場合のみ寄付金としてREADYFORより本法人へ入金されますので、本法人の受領日である 2023(令和5)年 11月の日付になります。
・寄付金領収書及びギフト等に掲載のお名前は、「ギフトお届け先」にご登録いただいたお名前となります。ご寄付後にアカウント情報を変更した場合でも、ご寄付時に入力したお届け先の宛名と住所は変更されません(個別にご連絡いただかない限り、原則としてご寄付時に入力いただいた宛名と住所に寄付金領収書をお送りさせていただくことになります)のでご注意ください。
・本プロジェクトのギフトのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「支援契約」の中にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
※ご寄付をご希望される方で当サイトからの手続が難しい場合は、下記までお問い合わせください。
学校法人東京薬科大学 総務部 募金事務局
TEL:042-676-5910(土日祝・夏季休暇期間は除く)
FAX:042-676-5952
本法人に対するご寄付は、確定申告を行うことにより税制上の優遇措置が受けられます。
(※)日本の納税者のみ対象となり、海外の方は優遇を受けることはできません。
個人の方
所得税の控除(税額控除・所得控除)
本法人は、文部科学省より「税額控除に係る証明」および「特定公益増進法人であることの証明」を交付されており、本法人へのご寄付により所得税の税制上の優遇措置が受けられます。確定申告の際に「1.税額控除」もしくは「2.所得控除」のいずれかをお選びください。2024(令和6)年の確定申告でお手続きが必要になります。
1.税額控除
寄付金額(*1)から 2,000 円を差し引いた額の40%相当額が、税率に関係なく所得税額から直接控除さ
れます(*2)。ほとんどのご寄付について「2.所得控除」よりも減税効果が大きくなります。
(*1)年間総所得等金額の 40%が上限となります。
(*2)控除額は所得税額の 25%が上限となります。
2.所得控除
所得から寄付金控除〔寄付金額(*1)-2,000 円〕を行った後に税率を掛け、所得税額を算出します。所
得に対して寄付金額の多い方や所得税率の高い方に減税効果が大きくなる場合があります。
(*1)年間総所得等金額の 40%が上限となります。
個人住民税の控除(地方公共団体の条例により指定された場合に限る)
本法人は「東京都」及び「八王子市」より、個人住民税の寄付金税額控除の対象として条例で指定されています。この地域にお住まいの方は、個人住民税の寄付金控除が適用されます。所得税の確定申告を行った際に住民税の寄付金控除もあわせて申告することにより、翌年度の住民税から控除されます。なお、確定申告せずに住民税の寄付金控除のみを受ける場合はお住まいの自治体へ申告してください。
ご留意事項:東京薬科大学への受験や入学を予定されている方、父母等の方へ
入学願書受付開始日から入学を予定する年の年末までのご寄付は、税法上「学校の入学に関してする寄付金」とみなされ、寄付金控除の対象になりませんのでご留意ください。
法人の方
特定公益増進法人に対する寄付金
本法人は、文部科学省より「特定公益増進法人であることの証明」を受けておりますので、以下に掲げる法人様が本学へご寄付された支出については特別損金算入限度額まで、当該事業年度の損金に算入することができます。さらに、この特別損金算入限度額を超える部分の寄付金額については、一般の寄付金に係る損金算入制度限度額の範囲内で損金の額に算入できます。なおこの優遇措置を受けるためには、寄付金を支出した日を含む事業年度の確定申告書に本法人発行の「寄付金領収書」と「特定公益増進法人であることの証明(写)」の添付が必要です。
※詳しくは所轄の税務署へお問合せいただくか、国税庁ホームページ「特定公益増進法人に対する寄
附金」をご覧ください。
(国税庁ホームページ「特定公益増進法人に対する寄附金」)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5283.htm
第一目標達成のお礼と、ネクストゴール(700万円)への挑戦について
120名を超える多くの方々からのご寄付により、開始から2週間ほどで第一目標金額の500万円を達成することができました。心より御礼申し上げます。
支援してくださった方の多くは、普段からお世話になっている皮膚科の先生と当教室の卒業生です。このように沢山の方々に応援していただき、私は本当に幸せです。この応援を決して無駄にすることのないよう、必ず本研究を成功させます。
そして、残り47日間という期間ですが、ネクストゴール(第二目標金額)として700万円を設定させていただきました。ネクストゴールまでにいただくご寄付については、2025年3月までに実施予定の以下の用途に資金を充てさせていただきます。
<資金使途の概要>
専任の研究補助員の雇用費 200万円
専任の研究補助員を雇用することで、次世代シーケンス解析やPCRなどのルーチン作業を効率化し、本研究を加速させることができます。みなさまからのご寄付は、研究を一日でも早く前進させるための大きな力に変わります。
薬剤耐性菌に対して一日も早く簡便に迅速診断ができる未来へ、全力で取り組んでまいりますので、最終日まで応援のほどよろしくお願いいたします。
2023年8月5日
中南秀将、三上万理子
- プロジェクト実行責任者:
- 中南 秀将(東京薬科大学 薬学部 医療薬学科 臨床微生物学教室)
- プロジェクト実施完了日:
- 2025年3月31日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
今回のクラウドファンディングで集まった資金は、強毒型MRSAのバイオマーカーを解明するための次世代シーケンス解析に必要な研究人材の確保、次世代シーケンス解析をするための研究費に使用します。
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プロフィール
2004年東京薬科大学薬学部を卒業後、同大学院薬学研究科修士課程・博士課程を経て、2009年に黄色ブドウ球菌の消毒薬耐性に関する研究で博士(薬学)の学位を取得。皮膚感染症との出会いは大学4年の卒論研究。皮膚科医から伝染性膿痂疹(とびひ)患者の検体をいただき、代表的な薬剤耐性菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の研究に着手。学位取得後、同大学病原微生物学教室の助教となり、病院のMRSAと皮膚感染症などの市中のMRSAの違いについて研究する。2014年に同教室の講師となり、米国ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院にて1年間研究留学。帰国後、2018年から東京薬科大学病原微生物学教室の准教授となり、本邦において重症皮膚感染症の原因となるMRSA(強毒型MRSA)の急増を明らかにする。2021年に同大学臨床微生物学教室の教授に就任し、現在に至る。
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ギフト
5,000円+システム利用料
【A】強毒型MRSAのバイオマーカーを開発するための研究を応援
●寄付金領収書
●ご支援の感謝のメールをお送りします。
※寄付金領収書は、本法人における寄付受領日となる2023(令和5)年11月の日付となり、11月下旬〜12月までの送付を予定しています。
- 申込数
- 57
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年3月
10,000円+システム利用料
【B】強毒型MRSAのバイオマーカーを開発するための研究を応援
●寄付金領収書
●ご支援の感謝のメールをお送りします。
●研究成果の報告レポートを送ります。
※寄付金領収書は、本法人における寄付受領日となる2023(令和5)年11月の日付となり、11月下旬〜12月までの送付を予定しています。
- 申込数
- 144
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年3月
5,000円+システム利用料
【A】強毒型MRSAのバイオマーカーを開発するための研究を応援
●寄付金領収書
●ご支援の感謝のメールをお送りします。
※寄付金領収書は、本法人における寄付受領日となる2023(令和5)年11月の日付となり、11月下旬〜12月までの送付を予定しています。
- 申込数
- 57
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年3月
10,000円+システム利用料
【B】強毒型MRSAのバイオマーカーを開発するための研究を応援
●寄付金領収書
●ご支援の感謝のメールをお送りします。
●研究成果の報告レポートを送ります。
※寄付金領収書は、本法人における寄付受領日となる2023(令和5)年11月の日付となり、11月下旬〜12月までの送付を予定しています。
- 申込数
- 144
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年3月
プロフィール
2004年東京薬科大学薬学部を卒業後、同大学院薬学研究科修士課程・博士課程を経て、2009年に黄色ブドウ球菌の消毒薬耐性に関する研究で博士(薬学)の学位を取得。皮膚感染症との出会いは大学4年の卒論研究。皮膚科医から伝染性膿痂疹(とびひ)患者の検体をいただき、代表的な薬剤耐性菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の研究に着手。学位取得後、同大学病原微生物学教室の助教となり、病院のMRSAと皮膚感染症などの市中のMRSAの違いについて研究する。2014年に同教室の講師となり、米国ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院にて1年間研究留学。帰国後、2018年から東京薬科大学病原微生物学教室の准教授となり、本邦において重症皮膚感染症の原因となるMRSA(強毒型MRSA)の急増を明らかにする。2021年に同大学臨床微生物学教室の教授に就任し、現在に至る。