伝統布をまとって迎えた卒業の日

3か月にわたって続いた裁縫研修が、いよいよ最終日を迎えました。

初めのころは、ミシンの扱いもぎこちなく、まっすぐ縫うことさえ一苦労でした。それでも毎日仲間と励まし合いながら手を動かし、少しずつ自信をつけてきました。そんな日々を共に過ごした仲間との別れは、やはり胸に沁みます。

最終日は、こじんまりとしながらも心あたたまる卒業式になりました。みんなでおそろいの衣装を仕立てたのです。カレン族の伝統的な織物を使ったスカートに、研修で学んだ技術を生かして自分たちで縫い上げたブラウスを合わせました。鏡の前で見せ合う笑顔は、まるで晴れの日の花のようでした。

式のあと、それぞれが思い出の詰まった足踏みミシンを軽トラックに積み込み、家族の待つ村へと帰っていきました。

会場に残った先生と事務スタッフは、すぐに次の研修の準備を始めます。

別れの寂しさの中にも、確かな希望がありました。今日ここで学んだ技術が、彼女たちの暮らしを少しずつ豊かにしていく——その始まりの日です。