支援総額
目標金額 2,500,000円
- 支援者
- 117人
- 募集終了日
- 2015年2月2日
医者と牧師と和尚
新宮の100年前の名物市民を紹介してまいりましたが、この三人が一番仲良くタッグを組んだのは、遊郭反対運動です。
当時、日本全国に公設遊郭がありましたが、日露戦争後に、なぜか、和歌山県と群馬県だけには遊郭がありませんでした。しかし、練兵場を和歌山県に誘致するにあたり、なぜか(笑)遊郭が必要だ!と思った県議会議員は遊郭設置を県議会にかけます。すると、和歌山県内で遊郭を我が町の経済立て直しに!と遊郭招致運動がおこったのです。オリンピックみたいですが、あんまり現代的感覚ではありません。
遊郭がくれば、人がたくさん集まって町起こしにもなる、と考えた男性がたくさんいました。それで、新宮町議会でもこれをやることになしました。さあ、ドクトルたちは怒った怒った。それで、当時、田辺市に本社のあった牟婁新報という新聞で、言論合戦をやりました。置娼派(遊郭賛成)と廃娼派(遊郭反対)が、遊郭のメリットデメリットについて、白昼堂々議論を新聞紙上でぶつけあいました。今なら有りえませんが・・・・どちらかというとこそこそやるんじゃないかと(笑)さすが明治男!
そのコラムで、誠之助は「遊郭設置の害」についてながながと書きます。これが、面白いです。医者らしく、公衆衛生の観点から、微にいり細にいり、性病の蔓延とその症状について語るのです。「この菌はちょっとやそっと拭おうが洗おうがダメです。遊郭から出て来た人を一月は隔離しておかないといけません」
何よりも、道徳的に許されないのだと、遊郭設置に賛成した和歌山の医師会にも反論します。もちろん、牧師の沖野信仰の面からこれを批判します。顕明も、貧しい家の女子が売り飛ばされるのを見て、その罪悪を説きます。もちろん、当時、田辺本社で編集長代理をしていた管野すが子も筆をふるって参戦。県知事を批判して絶叫してます。
言論での抵抗むなしく、県議会で遊郭設置は可決、新宮に遊郭ができます。これが、なんと、速玉神社の向い。神社への道を途中で曲がると遊郭、まっすぐ行くと神社!!!すごい!帰りに遊郭へ行った人は、神社で御賽銭を投げるという仕組みです。今では、速玉神社の周囲の山林も世界遺産です。跡形もない遊郭ですが、神社から山沿いにそって広がるしっとりとスナックなどが立ち並び、寺町が続くそのあたりは、空気が現代よりも湿っているように感じたのは私だけでしょうか。
遊郭ができて、顕明は大門の前に立って説教をするようになりました。説教というより、遊郭に行こうとするひとを捕まえて「悔い改めろ」みたいな事を言ったり、氏名年齢住所なんかを聞き出そうとしたそうで、逆にボコボコに殴られたそうです。
牧師の沖野にも「一緒に手伝ってくれ」と頼みに行き、断られています。愚直な顕明、地べたで人に寄り添うという事はなかなかできないことです。
遊郭で死んだ娼妓は、朝方に弔われることもなく、運び出され消えて行きます。戒名もなく無縁墓地にいれられる、幸薄い彼女らの悲しみに寄り添う事は、彼にしかできない弔いでした。
非戦と平等、これが三人の結びつく大きな理由となりました。
(速玉神社)
リターン
3,000円
新宮公演プログラムに御名前を掲載
- 支援者
- 65人
- 在庫数
- 制限なし
10,000円
新宮の上演パンフレットへの記名
新宮公演のチケット1枚
- 支援者
- 46人
- 在庫数
- 制限なし
30,000円
新宮公演パンフレットへの記名及びメッセージ記載
新宮公演チケット3枚
- 支援者
- 12人
- 在庫数
- 制限なし
100,000円
新宮公演パンフレットにA4サイズ6分の1ページ広告を掲載
東京公演3枚、または新宮のチケット5枚
- 支援者
- 2人
- 在庫数
- 制限なし
300,000円
新宮公演チラシ(1万枚配布)裏面に6分の1スペースに広告掲載
新宮、東京公演パンフレット3分の1ページに広告掲載
東京公演8枚又は新宮のチケット12枚プレセント
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 完売