プロジェクト終了のご報告
クラウドファンディング
「絶滅危惧種ツシマヤマネコを守り抜くために!
保護区を整備し安住の地を」
プロジェクト終了のご報告
春の使者でもあるツルが2月5日夜、田んぼに舞い降り、一夜の休息をとり翌日に は朝鮮半島へと渡りました。飛び立つときは地元上空を旋回し、大きな声を発しながら渡 る姿は地元の皆さんにとっては風物詩となっています。今期は飛来数が少なく感じましたが、 一度は500 羽飛来したこともありました。その後も飛来し、今期は遅く3 月14 日朝に は友達と上対馬に行く途中8 羽のナベヅルが羽を休めていました。
昨年のクラウドファンデング「絶滅危惧種ツシマヤマネコを守り抜くために!保護区を整備し安住の地を」では、会員の皆様を始め、非 会員の皆様方には大変な出費をおかけすることとなり大変申し訳ありませんでした。 当初は海岸の方の植樹と古くなった看板などをやり替えられればと話していました が、ご支援金を予想以上に頂いたことで、これまでにやりたいと思っていたことまで 叶い皆様に感謝いたします。
対馬には大陸系の植物を始め、固有種なども多く1200 種以上の植物が自生している と言われていましたが、おかしな人達が島外から猪を持ち込んだことで、鹿だけの時 は見向きもしなかった植物は勿論、鹿と猪の食の競合から95%以上の下層植物が消えてしまいました。樹木も種類によっては皮まで食べられ多くの椿などが枯れています。 現在、山に入り普段に見られる植物と言えばシダ類の仲間とジャノヒゲ、ヒトリシズ カくらいでしょうか?ヤブマオなども少しは見られますが地域によっては食べられて います。また、食害だけでなく糞害などでも枯れています。山は下層植物が無くなっ たことで、地肌はむき出しになり雨が降る度に土が海に流れ込むため、海岸は海が荒 れると泥水で濁っています。 地肌がむきだしになると山の中は先の方まで見通せるため小動物にとっては隠れる 場所もなく大きな影響が出ていると考えられます。特に害獣となるのが猪とツシマテンで、一時期、増えていたコウライキジが近年、また少なくなっているのがわかります。
このようなことから、保護区の中の一部をメッシュワイヤーなどで取り囲み、面積 はわずか100m四方になりますが、以前の植物が再生できればと、山の整備も行っ ています。 作業は、人力だけでできる物ではなく資材を上げるにも軽トラの通るような道も必 要になります。このため小型の重機を借り上げ作業してもらいました。山には昔、木 庭を作っていた場所もあり整地するには人力ではできませんが、重機の力でそれなり に整地もできました。 うっそうと茂っていた山も間伐などしたことで明るくなりました。 また前回、井戸を作り替えていましたがカナテコなど使い大きな石で作り替えてい たが、作業は人力だけに井戸が小さくなっていました。こちらも今回の支援で重機を 使い作業させて頂いたので思い道理の井戸も出来上がりました。
当初、支援金を頂けるのは1 月、と聞いていたので作業の中には肝心の植樹もある
ため、仲間の先輩と昨年の12 月に3 月から始めれば良いのではと話すと先輩が話すには、3 月になると田植えなどの準備で作業に来る人はいないのではとのことでした。考えてみると確かにその通りで、作業内容など考えるとボランティアでできる作業ではなく、日にちもそれなりにかかるので少しでも早く始めないといけないことがわかり、早速、12 月3 日から作業を始めました。
最初は4 名で始めるも大変で他に一人の方がいることを聞き、7 日から5 名で作業を始めました。重機での作業も山仕事など重機に乗れる親戚がいたので助かりました。山を伐採するのでチェーンソーは2 台で作業をしましたが、相手が馴れている人で助かりました。
山の間伐が少し残っていますが、作業は一応3 月17 日に樹木の植樹で終わりましたが、苗木と場所が海岸沿いだけに枯らさない様これからも頑張ります。
沢山のご支援、ご協力有難うございました。
NPO法人ツシマヤマネコを守る会 会長 山村辰美
【プロジェクトの結果】
今回のプロジェクトでは以下の項目を実施致しました。
各項目別にご報告致します。
1.海岸への植樹
当初のプロジェクトである海岸への植樹を実施しました。
サンゴジュとカイヅカイブキを植樹しています。
2.看板の設置
当初、ペンキで描いて貰っていた看板が色褪せたので作り替えたいと話していた。此処は保護区の入り口になりロケーションもよく初めての皆さんはこんな所があったのかと話す人も。小さなベンチも設置しているが、足元にはジャノヒゲなどが生えているため暖かくなるとダニがズボンなどに這い上がることがあり、そのため、今回コンクリートで整備させて頂きました。
また、リターンでご希望されたご支援頂いた方々のお名前を掲示した看板も立てています。
3.井戸の整備
最初に杉ノ木で枠を作っていましたが、水に浸からない部分が痛み始めたことから大きな石をカナテコで動かし作っていたが、井戸が小さくなっていました。
何とかしたいと思っていましたが、これ以上どうすることもできませんでした。
今回のご支援で大きな石を重機で集め、思い道理の井戸が出来上がりました。場所は昔から湧き水が出ていた場所で、地元住民が昭和40(1965)年代まで利用していました。当初作ったときから作業の終わらない内にヤマネコが水飲みに来ていました。勿論、野鳥から小動物ネズミまで設置している自動カメラに撮れています。
井戸の中にはツシマサンショウウオも見られることから、井戸の中には野鳥の留まり石とサンショウウオの産卵用の石を今回は2 個置いています。
4.新しい木庭の整備
今回の作業は、2021年12月3日から、自分を含め5名で行いました。最初は現場の測量から始め、伐採などしました。その後、重機がいないと作業道も作れないことからある程度の間伐もしてから重機を入れ、作業道だけでなく昔から木庭作りされていた場所もあるので新たに整地も行いました。
整備が終わった木庭にはヤマネコの糞が見つかりました。
【今回のプロジェクトの収支報告】
皆さまからご支援頂いた資金は、下記の通り全額保護区の植樹、木庭の整備、看板の設置、水飲み場の整備のために使用させて頂きました
樹木代 338,250円
木杭 85,770円
看板 385,220円
メッシュワイヤー 619,110円
重機リース代 415,085円
備品(ポンプ) 86,000円
コンクリート代 74,844円
ガソリン・軽油代 59,500円
作業代(人件費) 1,924,005円
READYFOR様へシステム手数料 912,747円
合計4,900,531円(オーバーした531円は会の資金でまかないました)
【今後について】
植樹してから1ヶ月経ちました。
海岸の土は水がすぐ涸れてしまうので、ほぼ毎日のように水まきを継続しています。
カイヅカイブキは順調に育っていますが、サンゴジュのほとんどが、シカの食害に遭っています。特に新芽を食いちぎられていました。今後は網で囲うなどの対策が必要です。
また木庭では今後、ソバなどを植えていきたいと思います。
下記のプロジェクトで継続したご支援をいただければありがたいです。