ツバメの子育てを守る活動2025報告
ツバメの子育てを守る活動に支援をくださり、感謝申し上げます。おかげさまで、130名の皆様から520,500円の支援をいただきました。今年からはバードリサーチと社団法人Tsubame Japanとが共同でツバメの調査・保全活動を行い、活動の幅が広がっています。今期の活動について、ご報告します。
ツバメ-軒下から大空へ(Tsubame Japan)
ツバメ観察全国ネットワーク(バードリサーチ)
【ツバメのフン受けの配布】
ツバメの子育てを受け入れてくれる全国の施設を支援するため、ツバメのイラスト入りのフン受けおよそ1500枚を配布しました。バードリサーチからは主に道の駅、サービスエリア、首都圏の私鉄などへ配布し、フン受けの印刷費を寄付してくださっている株式会社シー・アイ・シーからも、ツバメが巣作りしている全国の施設に配布していただきました。さらにクラウドファンディングの返礼品としてフン受けをお渡しして、支援者の皆様にも設置にご協力いただきました。
この写真は東京の多摩地域を走る京王電鉄の駅のようすです。京王電鉄ではツバメが巣作りした駅にフン受けを設置していただいています。

【地域のツバメを守る活動】
1)2021年からツバメの見守り活動を続けている東京都八王子市南部のJR駅前で、今年もツバメの活動を継続しました。20カ所ほどの巣にはすべてカラス避けのひもを約20cm間隔で張り、フン受けを設置しています。ひも張りの効果でカラスの被害はほぼなくなっていますが、昨年から小型の猛禽「ツミ」が巣を襲うようになりました。

ツミは身体が小さいので、ひも張りで防ぐことがむつかしいのです。いろいろな対策を試しましたが、そのひとつが巣をすっぽり覆って見えなくする方法です。親ツバメが巣に戻っているときは写真のようにヒナが出てきていますが、ヒナが姿勢を低くしていれば、ツミが天上ギリギリを飛ばない限り、そこに巣があるとは気付かないでしょう。今年は覆いを付けた2巣ではツミの被害はありませんでしたが、効果がある防ぎ方について今後も試行錯誤を続けていきます。このような天敵を防ぐ手法のノウハウについては、ツバメ軒下から大空へのWebサイトで紹介しています。

2)JR中央線の立川駅と国立駅で、巣から落ちたヒナを救助しました。7月になると巣から落ちるヒナが増え、バードリサーチの事務所に連絡が入るようになります。巣から落ちるのは小さなヒナが多く、弱いヒナが死んでしまうのは自然界ではやむを得ないことでもあります。しかし巣が狭かったり、壊れたりしてヒナが落ちてしまうこともあります。そのようなときはすぐにヒナを巣に戻すか、戻せない場合は巣に近い高所にヒナがいられる場所を作ってあげると、親が餌を運び続けることもよくあります。私たちは東京の多摩地域でしか救護はできませんが、メールや電話の問い合わせがあると救護方法のアドバイスをしています。
この写真は立川駅自由通路です。上部の巣が小さくて成長したヒナが入りきらずに落ちてしまったので、人工巣(※)を付けてヒナの居場所にしました。

つぎの写真は国立駅です。カメラ上の巣が崩れてヒナが落ちたので、近くの壁にバスケットを付けてヒナの居場所にしました。少し離れているように見えますが、親ツバメは巣の周囲も見ていますので、このくらいの距離であれば自分のヒナだと気付いて給餌をします。このヒナは無事に巣立ちました。

【展示・教育活動】
1)名古屋市科学館でツバメの生態や、フン受けと人工巣を使った保全活動について展示をしました。
2)国立駅前の旧国立駅舎で、ツバメの生態について展示をしました。国立駅と旧国立駅舎には毎年数カ所にツバメが巣を作り、私たちはフン受けの提供や、駅のツバメへの対応への助言などをさせていただいています。旧駅舎ではツバメが巣作り場所を探して室内に入ったり、無理な場所に巣を作ってヒナが落ちたりしたため、2024年から人工巣を設置させてもらいました。そして今年は人工巣での子育てや、ツバメの生態を知ってもらうための展示を行いました。

【ツバメをはじめて見た日の調査】
バードリサーチは2005年から、はじめて軒下でツバメを見た日の調査を続けています。今年は関東・新潟より南では、3月下旬に一斉にツバメの初飛来報告がありました。東北では3月下旬から4月上旬まで初飛来の報告がつづきました。
長年蓄積したツバメの飛来日のデータから、全国各地のツバメの飛来日予想ができるようになりました。こちらのサイトをご覧下さい。


【これからの計画】
ツバメを守る活動ではフン受けの配布は全国に向けて行っていますが、これからは八王子で行っているような地域のツバメを増やす取り組みを全国に広げたいと考えています。八王子では2021年にはカラスに襲われて数カ所にまで減っていたツバメの巣が、ここ数年は約20カ所で営巣するまでに数が増えました。今後、ツバメを守っていきたい地域や施設との相談窓口を作り、ツバメを守り増やすノウハウを広めていきたいと願っています。
[※]ツバメの人工巣はTsubame Japanが制作して、ツバメの見守り活動で設置するほか、必要な方に有料でお譲りしています。クラウドファンディングの支援金は、人工巣の制作費には使用していません。





















