プロジェクト終了報告

≪感謝御礼申し上げます≫
行く夏を惜しむかのように、ひぐらしが鳴き始めましたが、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
ここ天川も、新秋の涼風が肌に心地よく感じられ気持ちの良い季節を迎えております。
さて、こうして皆さまとのご縁を繋いでいただきましたこのクラウドファンディングの終了から約1年半の月日が経ち、我々がこのクラウドファンディングを通じて実行したかった取組も無事に全て全作業が完了しました。
この場をお借りして感謝申し上げますとともに、本日はこれまでの取り組みを再度お伝えさせていただきたいと思います。
|| 支援金使途について
皆さまからいただきました支援金は、目標に掲げていた取組みに全て使用させていただきました。(なお、Readyfor様への手数料を差し引いた額になります)
・防鹿柵の購入・設置費用
(使用理由については「こちら」をご覧ください)
・樹木の伐採費用(人件費・燃料費・機材購入費)
(使用理由については「こちら」をご覧ください)
・ヘリコプターを使用した出材費用
(使用理由については「こちら」をご覧ください。)
作業報告は随時こちらの新着情報内でもご報告させていただきましたが、下記に再度一覧にまとめました。
①防鹿柵の設置
https://readyfor.jp/projects/yuniwa/announcements/185267
②【作業報告2】船岡山の樹木の伐採作業について
https://readyfor.jp/projects/yuniwa/announcements/189103
③【作業報告3】船岡山の樹木の伐採完了
https://readyfor.jp/projects/yuniwa/announcements/190565
④【作業報告4】ヘリコプターによる樹木の搬出作業完了
https://readyfor.jp/projects/yuniwa/announcements/191217
⑤【作業報告5】約300本もの苗木の植樹作業完了!
https://readyfor.jp/projects/yuniwa/announcements/204864
https://readyfor.jp/projects/yuniwa/announcements/226972
作業内容の詳細は各ページ内にてご確認いただければと思いますが、こうして無事に我々が取組として掲げていた目標計画を無事に全て遂行できたのも、ご支援をいただいた皆々様の御力なしでは実行することができました。重ね重ね、深く御礼を申し上げます。
|| クラウドファンディングの実行の前と後
こうして、取組を行うことができ、我々が住まう天川村坪内の景色もこのように変わりました。
【取組前:船岡山の下からみた全景 2020/08】
【取組完了後:船岡山の下からみた全景 2022/08】
全体的に開放感と明るさが拡がりました。
船岡山の全貌に対して、一方で、実際に登った山の斜面の変化はこのようになりました。


















画像だけでどこまでこの状態がお伝えできるか些か心許ないところがありますが、新たな生命が吹き込んだかのように坪内の景観に明るさが戻ってきたようにも感じております。
|| 木も命、山もまた命。
伐採したこれらの樹木は我々の先人たちがかれこれ60年以上前に植えた大切な生命。これらの樹木を植えた我々の先達も、時代の流れの中で「致し方がなく」というのもあったのかもしれません。
されど、時代が進む中で、今度は元の山の姿へ戻すということは、今の我々がやらなければいけないことだったと思っています。
元々は船岡山の麓の一部を危険木伐採を行ったところから、その後代表の西岡が一人で植樹の活動を始めたのが2015年。そこから、こうして2020年6月に「斎庭」を結成し、今に至るまで約7年。
この数年があっという間に感じるほど短く感じる時もあれば、ここまでようやくきたかのように長く感じる時もあります。(それは、おそらく1人で先に動いていた西岡が一番感じることなのかもしれません)
|| 中今(なかいま)
ただ、船岡山の頂上から俯瞰して景色を眺めていると、私たちはこの悠久の時の流れの中にいるに過ぎず、永遠にも感じる長いこの時の流れの中では“今”はきっと“一瞬”でしかないのだろうなと感じています。

『この山のこんな中腹の斜面になんでこの銭があるのか・・。ここに墓があったのか、それとも、何か賽銭としてなのか』と、あれこれ思いを巡らせながら話ていたことがあったのですが、銭があるというのは使い方はどうであれ、船岡山に何かしらのかたちで江戸時代に人が登り、いたということはきっと間違いないのでしょう。また、天河神社の社史を見ると飛鳥時代に遡り記録もあるほど。
今回、こうして皆さまから多大なるご支援をいただきながら無事にやり遂げることができたこのプロジェクトは、この悠久の流れの中では“一瞬”の束の間なことなのかもしませんが、この時代に、”今”に生きる我々がどう取り組み、どう生きるかによって、結果的に未来も、そして過去も・・・、長い長い生命の繋がりが紡がれていくと信じています。
|| 森と人のつながりを再度認識できるような架け橋に
そして、我々の取り組みは、坪内の里の周囲に広葉樹を1000本植樹して、秋になると色鮮やかな紅葉が楽しめる等、四季折々の神羅万象の景観を感じられる地へ、そして、様々な種類の木々が折り合いをなしながら動植物から土の中のバクテリアなどの自然生態系が機能する多様性豊かな杜へ回帰する100年後を見据えた大きな取り組みを掲げております。
その第一弾である今回の船岡山での取組は無事に完了しましたが、これで無事にようやくスタートラインに立てたという至福の思いと、同時にこれからがいよいよ本番だと、兜の緒を締める思いでもあります。


また、今回の取り組みの中に弥山にある天河神社の奥宮の遥拝所の整備もありますが、様々作業を進めていく中で、口伝で伝わっている話や、古地図もでてきたりしました。
その中で、遥拝所は坪内の別のところに在ったとのこと。そのため、船岡山の頭頂部を無理に遥拝の場所にするべきなのではという意見もあがってきております。
一方で、船岡山から見える景観というのは想像以上に素晴らしく、この場所に登りこの森羅万象を、五感全体で自然の命の鼓動を感じていただくことで、現代生活に疲れた人々の心のふるさとに、また、森と人のつながりを再度認識できるような架け橋になるとより強い確信をえています。

そのため、現時点では基礎となる道なども含めて最低限の空間は整備ができましたが、遥拝という言葉に縛るのではなく何かこの場所を多くの皆さまにも開放できるような仕組み・場所になれればと現在思案をし、議論を重ねております。
こちらはまた引き続き詰めていき、状況等々もまたご報告させていただきたいと思っております。
|| 最後に
代表の西岡一人の行動から、村の仲間たちの賛同を得て「斎庭」が結成された後、このクラウドファンディングを通じて一気に298名の方からのご支援を、そして直接のご支援等々も賜り、現時点で500名以上の方々からのご賛同・ご支援を賜りましたが、こうして顧みると、天台宗開祖の最澄が説いたと言われている「一燈照隅、万燈照国」と言う言葉が思い浮かびます。
(あくまでも意訳になることをご容赦いただきたいのですが)各々の一人一人の行動・力から放たれる灯りは一隅しか照らすことはできないが、その灯りを目指して人々が集まり、さらにその灯りが伝播し拡がり照らされていく、という意味があります。
まさにこの言葉を彷彿させるかのような動きを目の当たりにしているかのように、大変ありがたいことをさせていただいていると、ただただ感謝の気持ちでいっぱいでおります。
何よりも、 皆さまが綴ってくださる応援コメントをはじめ直接お寄せいただきましたお言葉の数々に我々一同大変励まされると共に、感動しておりました。
また、取り組みを実行していくうえでも、ご支援いただいた皆々様の美しい心の音が、天河の里の地に常にも鳴り響いてるように感じ、人間の身勝手な思いなのかもしれませんが、今回取り組ませていただいたことは、きっと、弁天さまをはじめ、山々の神々もお悦びいただいている、と強く確信しております。
最後になりましたが、重ね重ね、この度は本当にありがとうございました。
この報告をもって、今回の我々のクラウドファンディングの実行完了報告とさせていただきます。
上述の通り、我々の取組みには終わりがありませんので、またこちらの場をお借りして状況等々なども引き続きご報告させていただきたいと思っております。どうぞこれからも「天河 斎庭」をどうぞよろしくお願いいたします。
〜追伸〜
実施作業等が今春まであったのと、コロナ禍ということもあり、支援いただいた皆さまとの交流する機会を自ら設けてすることができずにおりました。
しかし、ぜひこれからも我々の取り組みをはじめ、実際に見て体感していただきたいという思いもあり、何かイベントかお話会等を企画したいと思っております。
色々と考えを膨らませていますが、もし何かご希望の内容や知りたいこと、見たいことなどありましたら、お声をお寄せ頂けますと大変助かります。
・メールの場合:yuniwa.tenkawa@gmail.com
・アンケートフォーム:https://forms.gle/kksT28mgik2Dbxnr6