猫も人も幸せな未来へ (堕胎をせずに里親募集に繋げていきたい）

捕獲担当が活動を始めて、５年近くになります。

もともと、保護した猫を自宅で見守って来ていたので、猫には馴れていましたが、それでも、捕獲器を設置して、残らず手術をするのはなかなか難しい。

すぐに捕獲器に入る子もいれば、警戒心が強くなかなか入らない子もいます。

数台の捕獲器、フードや、捕獲する場所を掃除するための掃除道具などを車に積み込み、捕獲場所に向かいます。

野良猫がいる場所によっても作業の難しさは違いますが、海浜部の猫を保護した時は、波消しのテトラポットの間に隠れている猫のために、海際の障壁を捕獲器を抱えて越えての作業になりました。依頼を受けた時、波にさらわれた仔猫がいると聞き、何としても助けてあげたいとの気持ちでいっぱいでした。猫を見守られている方がいらっしゃる場所なので、皆さんに助けて頂きながら、何とか障壁は越えましたが、設置は自分でするしかないので、海に落ちないように必死でしたが、２時間余りで捕獲することができました。

テトラポットの隙間で出産する猫もあり、仔猫は波の被害にあうことは珍しい事でもありません。

この時に捕獲できた子は、里親さんに見守られて幸せになりました。

この海浜地帯は、見守りをされている方々がいらっしゃるので、すでにTNRをされている猫も多くいました。でも、毎年、新しい猫が現れます。

迷子猫かもと、問い合わせますが届けは出ていません。

そんな子は人懐っこいことが多いですが、だからと言って簡単に素手で捕まえることは難しいことも多いです。見守られている方がいるから、餌ももらえると、場所を選んで捨てられたのかもしれないですが、猫のコミュニティに入るのはなかなか難しいものです。

餌も食べられず、ガリガリの子や、喧嘩をして傷だらけの子もいます。

そんな子を、たも網で捕まえたり、捕獲器を設置し、捕まえたこともあります。

６キロを超える大きな子もいました。傷だらけになり、体は悲惨な状況でしたが、何とか保護できました。

捕獲するときは、現地を訪れ、猫の様子を観察し、捕獲器の設置場所をきめます。

念入りにシュミレーションをし、特に、餌やりの見守りの方がいないところは１匹残らず、捕獲しなければならないという思いから、捕獲前夜はほとんど眠ることができないという緊張感があります。それは、数匹でいた猫が、１匹取り残されると不安になり、生きていく事も難しくなるかもしれないと思うからです。そのためには自分の目で、周囲の様子を観察する事と、周囲の方々にお話を聞くことが大切になります。

海浜地帯は工場も多く、トラックなどの交通量を多いこともあり、ほとんどの猫が、薄黒くなっています。みんな、保護したあと、見違えるように毛艶がよくなります。

青い空は素敵だけれど、野良猫で生きていくのはそれでも過酷です。

TNR活動や、保護活動がしっかり根を張り、猫にも人にも幸せな、素敵な環境になりますように。