プロジェクト終了報告
吉備中央町教育委員会から、令和5年8月から開始したプロジェクトの実施報告をいたします。
【吉備中央町】次世代へ繋ぐ文化財を元の姿に甦らせ活用したい!
プロジェクトを応援していただいた皆様へ
◆はじめに
この度は「天籟庵」茶庭の竹垣修復を目的とする「【吉備中央町】次世代へ繋ぐ文化財を元の姿に甦らせ活用したい!」プロジェクトを応援していただき、誠にありがとうございました。
本プロジェクトは、101名の応援者から、合計1,280,000円の御寄附をいただき、めでたく成立いたました。遅ればせながら厚くお礼申し上げます。
そして、令和6年3月末に竹垣の修復が完了いたしましたことを御報告いたします。
〈修復工事概要〉
天籟庵及び茶庭の全体を囲う竹垣(建仁寺垣)と茶庭中央部の竹垣(四ツ目垣)について、既存の竹垣を撤去し、新たな竹垣を組み付け、防腐処理を施しました。
三玲がデザインを施した部分については、当初の写真等に基づき復元に努めました。
◆収支報告
皆様からいただきました寄附金合計1,280,000円のうち、システム利用手数料として211,200円が差し引かれ、残額の1,068,800円が吉備中央町の寄附金収入額となりました。
こちらは竹垣修復工事費用として全額充てさせていただきました。
また、寄附金受領証明書につきましては、令和5年11月にすべての寄附者へ送付させていただきました。
◆おわりに
重森三玲は、『日本庭園史大系』の天籟庵のページにて、茶室や茶庭についての考えを述べていますので一部引用してご紹介いたします。
茶室や茶庭というものが、只単に従来の伝統的な古典的なものであってはならない。茶の湯そのものが、あらゆる美の縮図化であり、その縮図化の上に立って、あらゆる美を生活の中に溶け込ませたものであるから、現代から未来に向って、前向きな立場で、高度な生活そのものの発展を志すところに茶の湯本来のものがあり、その為にはあくまでも創作による発展がなければならない。それを念願するところに、この茶席や露地のモダンさがあるのである。だからこの茶席や露地を中心として、今後の新しい文化の生れることを私としては希望している。
(重森三玲・重森完途著,日本庭園史体系,1972,第28巻p157)
このように、新しい文化を天籟庵から発信してほしいとの願いを込めて当時の賀陽町へ寄贈された重森三玲の思いを大切に繋いでいけるよう、吉備中央町では天籟庵をはじめとする文化財の全般の整備活用を推進してまいります。
ぜひ完成した竹垣を間近で見学していただけたら幸いでございます。
職員一同、心からお待ちしております。
吉備中央町教育委員会
重森三玲記念館