プロジェクト60日目

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『近世漢語の新研究』第二章「異体字繋年論」第一節「小説編」2.1.1「水滸傳」の2.1.1.3「國家圖書館藏『水滸傳』殘巻について─ “ 嘉靖” 本か？」の冒頭部分は以下の通りです：

　はじめに
　0.1　本殘巻について
　中國の國家圖書館には二十種近い水滸傳が蔵されている。ここで取り上げようとしているのはその内の殘巻で、「水滸傳二十巻一百回」とされているものである。この殘巻については、鄭振鐸等1954『水滸全傳』で言及されたのが最も早いものであろう。該書では次のように述べている。
　「『忠義水滸傳』二十巻（一百回、殘存第十一巻一巻、即第五十一回到第五十五回）、明嘉靖間武定侯郭勲刻本」
　つまりこれが所謂「郭勳本」であり、殘巻は全部で五回分存しているというのである。しかし、該書出版五年後の1959年に出版された『北京圖書館善本書目』によると、『水滸傳』は二種しか著録されておらず、さらに不思議なことにこの殘巻については一言もふれられていない。

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