ノルウェーでスペースバルーンによる天体観測

私たちは今トロムソを発ち、空港にいます。

そして応援して下さった皆さんに申し訳ない気持ちでこれを書いています。  

 

連日、慌ただしいスケジュールが続き、記事の更新が中々できませんでした。 もっと苦戦の模様もお伝えするべきだったのですが、最後までなんとかしたいと動き回っていたため、新着情報の更新が二の次となってしまったこと、本当にごめんなさい。

今日はもう31日ですが、昨日の報告をさせていただきます。ここまでの準備や、ノルウェーに来てからの詳細は、日本に帰ってから改めてお知らせさせて下さい。  

 

ノルウェー、トロムソでのスペースバルーンの打ち上げは、結果として失敗に終わりました。天候や気流が不安定の中、なんとか方法を考えましたが、結局どうやってもそれは叶いませんでした。  

 

撮影ができない、落下してきたカメラの回収ができないなど、失敗するのがはっきり分かっている状態での無謀な挑戦はできません。

タイムリミットが迫る中で、本当は無理にでも打ち上げをしてしまいたいという思いがありましたが、この状況で打ち上げを強行し、結果、ペイロードの回収ができずに終わってしまったら元も子もありません。日本からレンタルしてきている貴重な機材を失う、ということも避けなければならない結果の一つです。  

 

自分たちも、本当に悔しい思いでいっぱいです。限られた時間と予算の中で、やれることは全てやったつもりでしたが、どうやっても天候、気象には勝てませんでした。

でも、もっとなにかできなかったかと、悔しさの中反省をしながら、今日本への帰路についています。  

 

応援して下さった皆様もいろいろ思うところがあり、 「事前に天気は分からなかったのか？」、「滞在日数が短すぎるのでは？」などご指摘はいろいろあると思います。

私たちの限られた時間と予算の中ではこの滞在が精いっぱいだったこと、天候に関しては、飛行機を予約する時点では全く読めなかったこと、また、上空に発生した気流の向きが本来の落下予測地点を大きく変えてしまったこと、など本当に自然との戦いでした。  

 

このプロジェクトをスタートする際に「必ず成功するものではない」とは書いたものの、内心では大丈夫、きっと成功する！と信じていました。ですので、今は本当に残念な気持ちでいっぱいです。  

 

しかし、このまま失敗のままで終わらせてしまったら、宇宙開発の民営化の動きを入り口に私たちがお伝えしたいと考えていた「宇宙はこれからもと身近な世界となる」という事実から遠ざかった印象をみなさまにお届けしてしまうと感じました。また、皆さんにお礼のリターンでお送りするプロジェクト報告書や写真は、成功させて必ず届けると心に決めています。

そこで私たちは今、春のテスト休みを利用しての再挑戦を考えています。次の旅費は、これまで貯めたアルバイト代と18年分のお年玉を使うつもりです。  時間はかかっても、必ず成功のご報告をしたい、そしてなにより自分の夢を形にしたいと思っています。  

 

日本から、1～3月の間も、新着情報は更新し続けます。 私たちのチャレンジはまだ終わっていませんので、どうか引き続き見守りと応援いただけたら幸いです。

 

これからオスロ、モスクワを経由し日本へは年明けのお昼頃に到着予定です。

日本の皆さんはこれから大晦日ですね、どうぞ良いお年をお迎えください！  

 

井関彩、間宮華奈恵

心より感謝を込めて