人とペットが共存できるシェアハウス。

私の利用者の方で、高齢者夫婦で生活をされている方がおられる。

夫婦ともに８０歳前の人で夫は、介護認定が要介護２。妻は、介護の認定を

受けていないがメニエル病が酷く急にめまいがしたり、息苦しく成ったり動けなくなったりされる。妻の介護負担が大きく夫婦での生活が困難となり介護施設の利用について検討をしてきたが何処も長続きをしない。

 

住宅型有料老人ホームに入居をしたら、２週間ぐらいで退去された。

特別養護老人ホームの短期入所の利用を月に２回ほど利用してきたが帰宅願望が強く、施設職員のすきを見ては、黙って施設の外に出て家に帰ろうとするので、施設から利用を断られてしまった。ヘルパーさんが心配されて、

「奥さんの様子が変です。」と報告があったので、妻に電話をするが中々

　電話に出れないことが多くなった。娘さんも「　何とかならないか　」と

　言われるので、私の所のシェアハウスの空き部屋に泊まって頂いた。

 

　夕方、家に向かいに行き、私の行きつけのお好み焼き屋さんで一緒に夕食を

食べてからその後、施設へ。

　施設利用中は、シェアハウスの飼い猫と遊んだり、テレビを見たりして

　ゆっくりと過ごして頂いた。　帰宅後は、利用者と妻と三者で相談をしたら、　「今まで利用してきた介護施設と比べて私の所のシェアハウスの方が落ち着くので良い」と言う話をされた。

 

　私の所のシェアハウスは、ベッドは、折りたたみベッドで約２万円の物。

エアコンとテレビは、備え付きであるが昔ながらの古い住宅で、時々、木の

きしむ音がする。雨が降れば、雨音もひどい家。それでも私の所のシェアハウスの方が良いと言われるので、私も介護の本質を勉強させられた思いがした。

 

　シェアハウスの飼い猫が一役かってくれた面もあるように思える。

 

　年を取って高齢化し、体が不自由になって、一人でトイレに行けなくなったら、猫と離れた生活をしなければならないのが今の日本の現実。

　私は、今回の利用者のシェアハウスの体験入居を通じて知ったことは、

　「人は、安心できる。いごこちが良い所に住むことが一番である。」

　ということを理解したような気がした。

　決して、施設が綺麗だとか職員が揃っているとかの理由は、二の次であると

　思った。

　私は、今回の件で、猫などペットと一緒に住み続けられるシェアハウスを

　作りたいと思う気持ちが強くなった。

　（写真や文面については、利用者と家族の同意済み）