タンザニアの孤児院が新設する幼稚園にスクールバスを届けたい

▼自己紹介

JAMBO! （こんにちは）

　私は小林フィデアです。母国タンザニアの孤児を支援するNPO法人ムワンガザ・ファンデーションの代表です。来日から25年、タンザニア人である私が日本に暮らしていることの意味を考えています。その答えのひとつが、母国の孤児支援です。

　ムワンガザ・ファンデーションは私の郷里ソンゲア近郊で孤児院 Kijiji Chema を建設、運営しています。子どもたちは誰でも等しく学ぶことができるはず。そう信じて、その実現を目指しています。Kijiji Chemaで育った子どもたちの中には、大学や専門学校で学ぶ子や就職して自立できた子もいます。タンザニアの子どもたちの暮らしと学びを支えてくれる日本の皆さんに心から感謝しています。

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

　スワヒリ語に Polepole ni mwendo という言葉があります。「ゆっくりゆっくりも速度」という意味ですが、私たちも一歩ずつ前に進んでいます。

　　現在、ムワンガザ・ファンデーションはタンザニアの孤児院の隣に幼稚園を建設しています。日本のご支援者から寄付をいただいて工事を進めていますが、円安の影響もあり何期にも分けて少しずつ形にしていくつもりです。2021年秋の着工から1年、屋根ふきまで終わり、いよいよ内外装の工事が始まります。

　建設費の募金活動の中で、偶然にも私が暮らす長野県飯綱町から廃車となった保育園の送迎バスをいただけることになりました。私の娘もお世話になった思い出深いスクールバスです。今度はタンザニアの子どもたちが安全に通園できるよう走り続けてほしいと思います。

　スクールバスをタンザニアまで届けるために、クラウドファンディングに挑戦します。皆さまのご協力をお願いいたします。

▼プロジェクトの内容

　タンザニアの公立小学校は無償化されていますが、制服や教科書、給食費などの費用がかかるため、家計が苦しい家庭では入学できない子や中退する子もいます。およそ3割の児童が卒業しないといわれています。

　孤児をめぐる就学環境は厳しく、里親の元で暮らす子でさえ農作業や家事のための労働力として扱われる場合が少なくありません。女子の場合はさらに過酷で、妊娠のために退学する小中学生は珍しいことではありません。孤児が孤児を産むという悪循環を、私は何とか変えたいと考えてきました。

　ムワンガザ・ファンデーションは、2棟の孤児院で暮らす身寄りのない子たちと里親の元で暮らす子たちの学費を全額支払ってきました。今年は合わせて60名です。来年大学を卒業する子や、首都の中学校に奨学生に選ばれて通う子もいます。将来、孤児たちが自立して幸せな家庭を築いていけるようになるには教育が最も大切だと考えています。

　私たちはタンザニアの学校にはない音楽や美術、体育といった授業を取り入れて、子どもたちの情操を育てる学校づくりを始めました。その第一歩が幼稚園の建設です。

　感受性の豊かな幼児期に、動物や音楽、芸術とふれあうことで心が育ち、才能を見つけることができると思います。孤児たちには生きる力が必要です。

　私たちの学校には孤児だけでなく、誰でも通うことができます。遠くから歩いて通わなければならない子たちには、送迎バスのサービスがあるといいです。そう考えていた折に、地元飯綱町の保育園バスが廃車になり、ご提供いただけることになったのです。なんという幸運でしょうか。

　タンザニア政府は製造10年以上の中古車に対しては輸入規制をしていて、関税のほかに追加消費税が課せられることになります。場合によっては、現地で中古車を探した方が安価なことさえありますが、町のご好意に応えたいし、何よりたくさんの人たちが協力してこのバスを届けてくれたのだと子どもたちに伝えたいのです。

資金の使途

　名義変更一時抹消など手数料　10,000円

　国内移送（長野ー名古屋）40,000円

　海上輸送（日本ータンザニア）400,000円

　関税ほか現地手数料　850,000円

▼プロジェクトの展望・ビジョン

 　孤児院Kijiji Chemaの子どもたちに、将来の夢を尋ねると「医者になりたい」「先生になりたい」と答える子がほとんどです。ほかに看護師、運転手。皆さんはどう思いますか？向上心があって偉いわねっておっしゃる方が多く、私もそう思います。この子たちが孤児院に来る前の夢はといえば、「学校へ行きたい」とか「おなかいっぱい食べたい」だったり、HIV に母子感染して生まれた子は「長生きしたい」と言っていたのですから。

　でも、孤児たちが限られた職種を選ぶには理由があるのです。Kijiji Chemaでの暮らしを綴ったドキュメンタリー『普通の日々』をご覧ください。施設と学校を往復する毎日。休日は畑で作業して、日曜日は教会へ。病気にならなければ病院のある町まで行くことはありません。

　里親らからの虐待から保護された子たちもいて、孤児の社会との関わりは希薄になりがちです。この子たちにとって身近な大人たち、あるいは職業とは学校や病院の職員なのです。

　日本の子どもたちだったらタレントやスポーツ選手、宇宙飛行士、パティシエ、ユーチューバーなどなど多彩な夢が語られるでしょう。タンザニアの孤児たちにだって、音楽や体育、美術を学ぶ環境があれば、自分の才能や可能性を信じて未来を思い描くでしょう。社会科見学や体験学習、遠足などの機会があれば、視野が広がり積極的に社会と関わろうという意識が生まれるでしょう。スクールバスがあれば、子どもたちの安全な通園、通学のためだけでなく、校外学習でいろいろなところへ出かけることができます。

　孤児だからという理由で、あきらめなければならない夢はありません。私たちは子どもたちの生きる力を育てる新しい学校づくりを始めました。その第一歩が幼稚園です。来年の竣工、再来年1月の開校を目指しています。