お米大国日本!!「もみ殻」で人と地球を元気にするプロジェクト

 

なぜもみ殻だったのか

 

 

今日は私がもみ殻にたどり着いたのは、偶然でもあり、実は私の人生をかけて、もみ殻にたどり着いた・・・といってもいいような感覚になるときがあります。

 

少しだけお話しをさせてください。

 

私は鹿児島で生まれ育ちましたが、鹿児島市でもなく、川内市（現：薩摩川内市）という町のはずれで育ちました。

祖父は自家消費用のコメの稲作をやっていました。近隣の家も同様で、特に「コメ農家」というわけではなく、それが「当たり前」の感覚でした。必然的に田植えや、稲刈りなどを手伝っていたこともあり、もみ殻にはそのころから自然に触れていたのかもしれません。

 

母も父も草木や花が好きで、出かけるときは山や海。ただドライブで四季折々を見るだけでも楽しかったのを覚えています。私も子供ながらに草木が好きで、小学校の中高学年の頃は、植物採集・岩石採集などを夏の自由研究でよくやっていたのを思い出します。

 

その岩石採集の中で「水晶・石英」という岩石に惹かれ、いつも手にしていたこと、そして今でも手元にあるこの「水晶」じつはそう。「ケイ素」が結晶化したものなんです。

 

 

 

子供のころからその手にケイ素を握りしめた少年だったんです。

本当に今に思えば不思議だなと・・・つくづく思います。

 

そんな水晶の魅力を私にさらに強めるきっかけが、図書館で見た「鉱石ラジオ」をこの「水晶」から作っている本。そして、電子部品であるトランジスタ、半導体が「ケイ素」だと知ったことです。

これが小学校高学年から中学の間。

自分で作った鉱石ラジオで、電波を受信するラジオを作った感動は今でも忘れません。

このころから電子工作など半導体や電子部品などに興味をひかれていったのを覚えています。

 

高校のころには今では当たり前のPCも開発真っ盛り。Windows95が発売されたのはちょうど高校2年の時。よく覚えています。

 

受験勉強そっちのけで、物理部や化学部といった実験ヲタク的な（他にも放送部や演劇部など・・・汗）生き方をやっていた私でした。

 

その当時は、大学に行くのも面倒だなぁとか、映画監督になりたい、天文学者、考古学者・・・。いろいろと考えていた挙句、大学ではモノづくりの道で当時一番活況を呈していたコンピューターの開発者（主に半導体の開発）を目指して進んでいました。

 

当時のコンピューターは、ケイ素を中心とする、「シリコン半導体」が重要で、IC、LSIなどパソコンの心臓部であるCPUを小さくしたり、早く計算ができるようにするにはどうしたらいいのか・・・。などの開発が進められていた時代です。

 

 

自然と材料の開発へと傾倒していくことになったのですが・・・。

 

転機になったのは大学院での材料科学の勉強と、その後の就職先である。化学・製薬メーカーでの開発者としての時代。

 

実はシリコン半導体とはまったく異なる仕事をすることになったのですが、これは大きな転換点の一つとなります。

 

というのも今回の「もみ殻からのケイ酸（ケイ素）」の抽出というのは、この「化学的」な手法を応用して生まれたものだからです。

 

化学・物理・電気などは違いが理解しにくいものかもしれませんね・・・汗　すみません。

 

化学・製薬メーカーでの勤務では、製薬という生物である人への観点から「ケイ素」をとらえるきっかけにもなっているんです。

 

水に溶ける「ケイ素」つまり生物で利用できる状態の「ケイ素」が人にはとても重要なミネラルのひとつで、大量に捨てられているもみ殻から、それを作り出そうとしている。という話しから今回のケイ素の開発にチャレンジするきっかけになったのです。

 

なんだか不思議と、人生を振り返った時、この「もみ殻の活用」を世の中に実現化するためにこれまでの人生を歩んできたのではないか・・・。と、時々感じながら仕事をしています。

 

これまで、もみ殻に含まれているケイ素は工業的な視点で、「半導体用途」など様々な利用方法が検討されてきましたが、どれも実用化には至っていません。

 

私たちが実現しようとしているもみ殻の活用技術は、もみ殻を無駄なく使い、持続可能な社会の実現と、循環型社会を実現する一つの切り口です。

 

今回は、私が「もみ殻からのケイ酸抽出」の開発に至るまでのお話を簡単にお話ししました。

わかりにくい話も多いのですが、知っていただくことを前提にこのクラウドファンディングの実施にも繋げました。

 

既にご支援をいただいた方含めて、「もみ殻の活用」や「ケイ素の面白さや重要さ」についてご理解いただける方には本当に感謝いたします。