「うるさいんだよ」・・涙ぐむC君

　C君は、今日はやって来たときからなんだか機嫌が悪いのです。みんながおやつを食べて談笑しているときも、部屋の隅で黙々と勉強をしています。

　誰かがおかしなことを言ってどっと笑ったときには「うるさいんだよ！」と一人で怒っています。

　7月に野外体験するからね、とみんなに話しかけていたら、遠くからたまりかねたように、「オレいけない！」「だって転校するんだ！」と向こうを向いて涙を拭いました。

　Bremenのお兄ちゃんとして、小さい子のお世話をする優しいお兄ちゃんに成長してきました。とうとう本決まりでしょうか？

　ひとり親の保護者の転勤でC君も遠くに転校することは4月から決まっていたのですが、Bremenみたいに安心して育ててくれることろが見つからないからと言ってずうっと延期していたのです。

　誰も知らない町へ、周りに頼る人のいない町へ転居・転校するのはどんなに不安なことでしょう？

　手続きが終わったら行くといいますが、入学したときから毎日見守ってきたC君が幸せに成長するようにと願うしかありません。