東京佼成ウインドオーケストラ｜ニュー・サウンズ・イン・ブラス再始動

吹奏楽業界発展のために

私たちが考える「3つの意義」

 

吹奏楽業界は鑑賞人口もさることながら、大人から子どもまで演奏人口が非常に多い業界です。人口減少の著しい日本で、これからも吹奏楽が発展していくためには、演奏活動の活性化がより一層大切になってくると考えています。

 

舞台芸術としてもハイクオリティな大編成の楽譜から、30人以下で演奏する小編成に対応する楽譜まで、演奏のレパートリーを増やしていくことも私たちの役割です。

 

日本吹奏楽業界の発展、そして東京佼成ウインドオーケストラの新たな挑戦として、NSBの再始動に向けた本プロジェクトには3つの意義があると考えています。

 

 

 

戦後の全盛期から、1960年代のエレキサウンド移行期に急速に減ったビッグバンド。そのダイナミックなサウンドを残すため、吹奏楽にそのスタイルを持ち込むことで新しい演奏スタイルを生み出したのが、吹奏楽ポップスの父こと故・岩井直溥氏でした。

 

吹奏楽といえば“マーチ、吹奏楽オリジナル、クラシックアレンジ”が中心で、ポップスの演奏が珍しかった当時、吹奏楽にビッグバンドスタイルを持ち込むことへの反対意見も強い中、1972年5月16、17日に記念すべき第一集の録音が東京杉並公会堂で行われ、NSBシリーズが誕生しました。

しかし、学校や市民バンドなどにポップスの基本的な奏法が知られていなかったり、ポップスへの理解不足（スローナンバーのアルトサックスソロに対し「夜のネオンサイン的な表現はやめて健全なものに」というリクエストがあったり、世界共通であるにも関わらずポップス特有の記号や奏法について「勝手に作らないで欲しい」などの声があったり）など、苦労も数多くありました。

 

これらを全国行脚のポップス・クリニックなどを通して乗り越え、多くの人に愛され、長年続くシリーズを作り上げた岩井直溥氏の功績を称えるため、NSBを絶やすことなくこれからも多くの人に届けます。

 

 

 

 

吹奏楽の魅力を余すことなく伝え、毎年多くの楽曲を送り出し、吹奏楽コンサートのエッセンシャル・レパートリーとなったNSBシリーズ。古き良き名曲はもちろん、NSBシリーズを通して世間へ広まった曲も少なくありません。

 

 

例えばヴァン・マッコイ&ザ・ソウル・シティ・シンフォニーによる「アフリカン・シンフォニー（岩井直溥／NSB1977）」はNSBによるアレンジを通して日本で認知されるようになり、現在では高校野球応援の定番曲となっています。

 

また「宝島（真島俊夫／NSB1987）」はTHE SQUARE（現T-SQUARE）による爽やかなインストゥルメンタル曲が真島俊夫氏による名アレンジで吹奏楽の定番曲となりました。アゴゴベルが鳴り響くイントロを聴けば、誰もが本曲を演奏しはじめるというほどに、吹奏楽経験者の心に刻まれた一曲でしょう。

 

時代の流行にとらわれることなく、後世に残すべき名曲たちを吹奏楽ポップスの新たなレパートリーとするため、星出尚志氏による編曲統括のもと、豪華なアレンジャー陣と天野正道氏による指揮で「NSB2024」を制作いたします！

 

 

 

 

東京佼成ウインドオーケストラが2022年4月に一般社団法人として新たな船出を果たし早一年余。NSB＆TKWOの強力タッグで社会に新たな吹奏楽ポップスのレパートリーを送り出すため、新体制となったTKWOの新たな挑戦としてこのクラウドファンディングに踏み切りました。

 

1960年、宗教法人立正佼成会の附属事業部門として発足した東京佼成ウインドオーケストラは、2022年4月1日より「一般社団法人 東京佼成ウインドオーケストラ」として教団から独立し、事業を展開することとなりました。

 

 

独立に伴い、これまでよりも柔軟に事業を企画することが可能となりました。現在は教団から3年間の移行期間助成を受けつつ、今後世界有数のプロ吹奏楽団としての責務を果たしてまいる所存です。

 

60年の歴史と伝統をもとに、業界を牽引する団体であり続けるために。

今回のプロジェクトをはじめ、吹奏楽オリジナル作品はもとよりアニメ・ゲーム・ポップスなど幅広いジャンルでの吹奏楽の可能性を追求し、創立時より培ってきたレパートリーと芸術性をもって、音楽芸術を通した⻘少年の健全育成・情操の涵養に取り組み、世界人類の文化向上に貢献し続けていきたいと考えています。