入力スイッチの開発プロジェクト、目的達成で終了致します!
皆さんこんにちは。この度はクラウドファンディングプロジェクト「身体障害者の機器操作に有効な入力スイッチを商品化したい!」にご支援いただき、本当にありがとうございました!
コロナの影響などでリターンの一部(ご訪問による入力スイッチ導入支援等)がまだ完了出来ておりませんが、出荷も軌道に乗ってきたことから、プロジェクト完了のご報告をさせて頂きます。
(成果報告レポートも、このご報告で兼ねさせて頂きます。御了承下さい。)
今回のプロジェクトのきっかけはこれまで長年、市販されていた入力スイッチのいくつかが廃番となり、後継品が無くなることへの危機感でした。特に、パーキンソン病、多系統萎縮症など、震えがある方にとって有効であった「トリガースイッチ」は海外の商品のため、輸入を行う業者様ではどうしようもない状況でした。この状況を改善できないかと多くの関係者に相談する中で、新しい入力スイッチのアイデアがまとまってきて、今回のクラウドファンディングの実施となりました。
結果としては事前の予想以上に使いやすい「入力スイッチ3種類(フィンガースイッチ、ロングスイッチ、ハーフスイッチ)」とその練習用ツールである「ブザーライト、ブザーライトプラス」を完成させることができました!
いずれの製品も大好評で、11月から本格的に出荷を開始しましたが、入力スイッチ3種類だけで既に合計で100個以上(クラウドファンディングのリターンを除いて)も注文を頂いております。なかには、お一人でハーフスイッチを複数個、同時に(それぞれ別の指で操作)使っている方もおられると聞いています。本当にありがとうございます。
個々の製品の特徴はこれまでのご報告でご紹介してきたので、そちらをご覧ください。また、アクセスエール社のホームページでもご紹介しています。
製品紹介 アクセスエール社 ホームページ
ご購入先 アクセスエール社 ネットショッピング
ここでは、新しいスイッチのご利用者様の様子をいくつかご紹介します。
【1】咲耶(さくや)ちゃん
18トリソミーの障害がありますが、絵の才能があって、”塩絵”というカラフルな絵を描いています。一昨年には初の個展も開催されたほどです。
【お母様から頂いた絵本と個展の小冊子】
それでもスイッチの操作には苦労していて、なかなかコミュニケーションも取れませんでした。以前はセンサースイッチを試していたのですが、押した瞬間が判らなかったのです。今はハーフスイッチでオタマトーンをならす事から練習を始めています。これなら小さな手でも安定するし、押したときの感触もあってタイミングが取れるので使いやすそう!とのこと。近い将来、ファイン・チャットでお話をしてくれるのが楽しみです!
ぜひ、お母さんのブログもご覧ください。
人生まるっとAngel's life
【2】太田メリサちゃん
脊髄性筋萎縮症1型で人工呼吸器を装着されているお子さんです。 ハーフスイッチを使い、iPadを操作してカメラや動画、ゲームなどをして楽しんでいます。 ハーフスイッチは、薄くて、小さく、とても軽いです。 マジックテープなどで、好きな土台に固定し、さまざまな姿勢や方向からも設置しやすいそうです。 メリサちゃんは楽々と連打押しなどができ、iPadを上手に使いこなせるようになりました。 そして現在、ファイン・チャットの導入に向けて、練習を頑張っています。 春から小学生になられるので、これからお友だちや先生たちとのコミュニケーションの方法として、たくさん活躍することを願っています。
【3】M.S.様
ALS(筋萎縮性側索硬化症)で気管切開される直前からファイン・チャットを練習されました。その中でいくつかの入力スイッチを試して頂いた結果、ロングスイッチの試作品が一番押しやすかった!とのことで、試作品の評価段階から導入頂きました。
ALS等の難病では拇指内転(親指を人差し指の方へ寄せる動き)が維持できることが多いそうなのですが、この写真のように狭い範囲に「薄くて」「立てて設置できて」「弱い力で操作出来る」入力スイッチは市販品ではありませんでした。そのため、以前は「ピエゾセンサースイッチ」をご提案していたのですが、やはりセンサースイッチのため「クリック感」が無く、タイミングを取るコツが難しかったのです。
しかしロングスイッチならこの課題を全てクリアして、非常に簡単に押せるようになりました。ちなみにこの方は、しばらくして「病気が進行したためか、親指を人差し指に寄せる動作が難しくなってきた・・・」との相談がありました。
ところが、写真のように手のひらの下に滑りやすい「スリングシート」を敷くだけで解決できました。写真はスリングシートを敷いて滑りやすくなったところです。この方も今、どんどんファイン・チャットを使いこなして下さっています。
なお、これらのご利用者様の様子も「マイスイッチ」のホームページで適合事例として順次ご紹介予定です。
皆様へのリターンですが、前述のようにコロナの影響による訪問サポートのみが未完了ですが、それ以外の方へのリターンはすべて完了しております。万一、リターンが届いていないという方がおられましたら、恐れ入りますが弊社までご連絡をお願いします。
ご支援頂いた3,533,000円はREADYFOR事務局へお支払いした手数料 ¥544,082円を引いた全額を新しい入力スイッチの開発費(設計、金型製作、試作、製造設備等)に充てさせて頂きました。不足分はアクセスエール社の資金から補填させて頂きました。
発売前後の弊社の活動ですが、コロナ禍の中、お陰様でファイン・チャットと併せて入力スイッチの販売も何とか軌道に乗りつつあります。昨年はその開発の過程を共同通信様に長期にわたって取材いただき、10月には全国に記事として配信頂きました。ネットにもアップされておりますのでご覧ください。
■2022/10/4 共同通信記事 → こちらをクリック
また、同様に10月には朝日新聞社のSDG's活動の一つである「第1回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」で【福祉の部】を受賞しました!
■2022/10/22 朝日新聞SDG's岩佐賞・福祉の部 受賞 →こちらをクリック