国登録有形文化財「中原邸」を後世に残したい。地域の宝を未来へつなぐ

国登録有形文化財「中原邸」を後世に残したい。地域の宝を未来へつなぐ

支援総額

1,211,000

目標金額 1,150,000円

支援者
137人
募集終了日
2025年10月31日

    https://readyfor.jp/projects/akatsuka_nakaharatei2025?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

プロジェクト本文

 屋根の損傷が進み、公開継続の危機に直面しています。  

ご支援は1,000円から(返礼品は2,000円以上から)。

母屋西側・南側の緊急修理にご協力ください。

 

実行者:赤塚・中原邸保存会(任意団体) 協力:中原家(所有者)  

 

▼自己紹介

 

 はじめまして。赤塚・中原邸保存会 会長の安澤勝男と申します。 私は、新潟市西区赤塚にある国登録有形文化財・中原邸の保存活動に、地域の皆さまとともに取り組んでいます。この中原邸では、学びの現場そのものとして、多くの子どもたちや地域の皆さまとの交流を大切にしてきました。

 

 中原邸保存会は2008年に発足し、地元の有志の手で邸内整備・竹林管理・年2回の一般公開を続けています。赤塚小学校の子どもたちの見学(11月)やたけのこ堀体験(5月)、近隣のラムサール条約登録湿地・佐潟の保全活動との連携など、次世代に向けた活動にも力を入れてきました。

 

中原邸は江戸末期の建築で、北国街道の本陣を務め、明治11年(1878)9月の北陸巡幸では赤塚行在所となりました。いまも当時の姿を伝える国登録有形文化財ですが、経年劣化への対応が課題です。本クラウドファンディングは、赤塚・中原邸保存会が実行者として実施するものであり、所有者として私は協力・賛同いたします。赤塚の歴史とともに歩んだこの邸を、現状の姿を保って後世に残したいと願っています。 —— 中原家 当主 中原 堯之

(所有者許諾について:本プロジェクトの実施および中原邸の名称・画像の掲載については、所有者である中原家 当主・中原堯之 様より許諾を得ております。)

 

赤塚小学校タケノコ堀り体験イラスト

【赤塚小学校たけのこ掘り体験】(イメージイラスト):約15年前から、毎年5月に近隣の赤塚小学校の児童の皆さんが、敷地内約4,900㎡の竹林でたけのこ掘りを体験しています。2025年は5月8日、1~4年生の約200名が参加しました。子どもたちの笑顔に、私たちも元気をいただいています。

 

 

【赤塚小学校中原邸見学】(イメージイラスト):たけのこ掘り体験と同様に、約15年前から毎年11月に6年生の児童の皆さんが中原邸を訪れ、邸内見学や郷土の歴史を学びます。

 

 

 

邸内整備の様子

【邸内整備の様子】:竹林で間引いた竹を粉砕している写真です。このほか、季節に応じて庭園の整備や建物の補修も行っています。作業日は毎週木曜・日曜の9:00~12:00で、通年で継続しています。

 

中原邸公開チラシ

【中原邸一般公開】2025年秋で29回目を迎えます。2009年春から17年間、年2回の公開を続けてきましたが、コロナ禍には約5回の公開を自粛しました。2025年春の公開は好天に恵まれ、約250名の方にご来邸いただきました。

 

 長年、中原邸を支えてこられたご当主や保存会の仲間と力を合わせ、「この場所を次の世代に引き継ぐ」という思いから、今回クラウドファンディングに挑戦します。 文化財というと「立ち入りにくい」存在に映るかもしれませんが、ここには暮らしの美しさと人々の知恵が詰まっています。それを今を生きる私たちの手で未来へつないでいきたい。皆さまのあたたかなご支援を、心よりお願い申し上げます。

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 

 中原邸は、江戸後期の豪農の館で、地域に残された貴重な歴史的建造物です。私たちは、公開や竹林整備、子どもたちの学びの機会づくりを地道に継続してきました。敷地約4,000坪中原邸は母屋・表門及び塀・離れ・煉瓦塀・裏門及び塀の5つが国登録有形文化財となっております。

 

母屋

【主屋】:旧主屋が嘉永5年(1852年)の本町火事で焼けた後、万延元年(1860年)に再建されたことが、棟札(むなふだ:建物の建築・修築の際に、その工事の記録と、建物の繁栄と工事の安全を祈願して、棟木(むなぎ)や梁(はり)など建物内部の小屋裏の高所に取り付けられる木札のこと)によって明らかになった(飯田, 2018)。

 

表門

【表門及び塀】:腕木門(うでぎもん:本体から腕木と呼ばれる横材を突き出させ、その腕木で屋根の桁を支える構造の、瓦屋根付きの門)は、以前よりあった冠木門(かぶきもん:2本の門柱の上部に横木(冠木)を通した、屋根のない門)に腕木を通し屋根を付けた中原邸正門です。手の込んだ細工の彫子塀は高価で珍しい。門の脇の彫子塀の裏側には昭和10年に建前としたと書かれています。かつては主人と同格以上の客が来訪されたときにのみ開門されました。現在は、一般公開の来場者みなさまにお通り頂くことができます(飯田, 2018)。

 

離れ

【離れ】:建立時期ははっきりしないが、幕末から明治時代にかけて建てられたもの。当時としては高価なガラス戸が使われていることは貴重である(飯田, 2018)。

 

煉瓦門

【煉瓦塀】:防火のために造られたもので、当時流行っていたイギリス式の積み方である。旧吉田町の今井家と並んで近郷では見ることが出来ない貴重なもの(飯田, 2018)。

 

裏門

【裏門及び塀】:表門と同じ腕木門(うでぎもん)である。建立時期は不明であるが幕末から明治時代の建立と思われる。勝手口へ通じており、出入りの人々の通用門であった(飯田, 2018)。

 

【歴史ハイライト】

 明治11年(1878)9月、北陸巡幸の途上に明治天皇が中原邸に立ち寄られ、主屋の「上段の間」で昼食を召し上がりました。邸内には「明治天皇赤塚行在所」の石碑も残ります(新潟市西区, 2024;新潟市, 2022)。

 

【中原邸の美術(作者とゆかり)】

 中原邸の座敷には、江戸末~明治に活躍した新潟ゆかりの絵師、行田魁庵(なめた・かいあん)と松川藤蔭の作品が、襖や欄間としてまとまって伝わっています(新潟市歴史博物館編, 2022, pp.44–47)。また、地域の文人文化の文脈では円山応震の名も確認されます(岡村, 2013, pp.4–6)。

 中核をなす魁庵は、万延元年(1860)に再建された母屋の内装装飾を手がけ、「富士の間」「鶴の間」(「二の間」「三の間」)の襖絵や、母屋の間東側の小禽図欄間(しょうきんずらんま)など、複数の部屋に作品が残ります(新潟市歴史博物館編, 2022, pp.44–47;飯田, 2018)。さらに、魁庵の子は中原家と婚姻しており、家縁の近さが作品がまとまって伝来した背景として示されています(新潟市歴史博物館編, 2022, p.44)。

 

 このような長い歴史を刻む中原邸ですが、近年、主屋西側・南側の屋根の劣化が深刻になりました。瓦のずれ・崩れや庇(ひさし)の破損で雨漏りが進行し、一部はビニールシートでの応急処置を余儀なくされています。このままでは内部の木部・構造材に被害が及び、文化財としての価値が損なわれかねません。

 

 私たちは可能な限り自助努力を続けてきましたが、今回は専門業者による修理が不可欠です。「一度壊れたら戻らない」——そうなる前に修理を実現し、未来へつなぐため、初めてクラウドファンディングで支援をお願いすることを決めました。

 

応急処置が施された屋根の頂部:痛みが激しく一部はビニールシートで応急的に覆われている状態です。このままでは雨漏りが進行し、建物全体の劣化につながりかねません。早急な修理が必要です。

【例①応急処置が施された屋根の頂部】

痛みが激しく一部はビニールシートで応急的に覆われている状態です。このままでは雨漏りが進行し、建物全体の劣化につながりかねません。早急な修理が必要です。

 

崩れ落ちた庇(ひさし)部分の屋根:すでに木部がむき出しになっています。このままでは風雨による侵食が進み、建物全体に深刻な被害を及ぼすおそらがあります。

【例②崩れ落ちた庇(ひさし)部分の屋根】

すでに木部がむき出しになっています。このままでは風雨による侵食が進み、建物全体に深刻な被害を及ぼすおそらがあります。

 

【例③ 西側屋根の破損箇所。瓦の崩落と木部の劣化が進行】

 

 

▼プロジェクトの内容

 

 本件では、母屋の西側・南側(頂部・庇)の応急修繕(一次対応)を最優先で実施します。老朽化により一部で木部が露出し、雨水の侵入が懸念されるため、建設当時の完全復元ではなく、被害拡大の抑止を目的とした専門業者による応急修繕を行います。被害抑制の観点から西側から先行着手していましたが、9月の新潟市における度重なる豪雨の影響を踏まえ、南側も同一工程で連続施工を開始しました。工事は景観と歴史的意匠に配慮した方法で、必要手続きを経て実施し、降雪・強風など天候悪化前の完了を目指します。

 

 

【支出計画(手数料は入金側で控除)】

 

工事費小計:3,547,500円

・主屋南側・西側屋根(頂部・庇)修繕費:945,000円

・足場設置費・木材・職人費など工事関連費:2,280,000円

・工事費消費税:322,500円

 

広報・返礼品関連(概算):106,000円

(返礼写真・見学時の経費・御礼状/報告の送付等。件数に応じて増減

 

支出合計:3,653,500円

 

 

【入金見込みと差額対応】

 

目標額:1,150,000円

手数料(14%):161,000円

同消費税(10%):16,100円

振込見込み(入金額):1,150,000 − 161,000 − 16,100 = 972,900円

 

支出合計:3,653,500円(※手数料は入金側で控除済み)

不足額:3,653,500 − 972,900 = 2,680,600円

 

*差額2,680,600円は、保存会が706,000円、ご当主の中原氏が1,974,600円を補填する計画です。

※本プロジェクトは、支援総額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、自己負担するなどして、必ず予定していた規模の実施内容の通り実行致します。

 

 

 施工は地域の信頼できる業者に依頼し、景観と歴史的意匠を損なわない工法で行います。必要な手続きは新潟市歴史文化課を通じて確認済みです。 この修理は将来の全体保存に向けた第一歩です。どうかお力をお貸しください。中原邸を、次の世代へ。

 

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン

 

 今回の修理は、最も緊急度の高い箇所に対する”第一歩”です。私たちが目指すのは、建物の保存にとどまらず、ここに集う人・学び・自然とのつながりを未来へ継承すること。 これまでの小学校見学・タケノコ体験・佐潟の保全活動やまち歩きをさらに深め、地域の誇りとしての中原邸の役割を強化します。体制強化や必要に応じた法人化や美術館としての公開も視野に、持続可能な維持管理の仕組みをつくります。今後は屋根以外の老朽化箇所の計画的修理、公開日・体験イベントの拡充、情報発信の強化にも取り組みます。

 

 人と人、地域と自然、過去と未来をつなぐ“場”としての中原邸を守り、育てていく。そのための最初の一歩に、皆さまのご支援を心よりお願いいたします。

 

 

新潟市西区役所のご協力で作成した中原邸のガイドマップです。中原邸一般公開の日時が掲載されています。

https://niigata-nakaharatei.com/

 

 

 

参考文献

・飯田 哲男(2018)「富士の間・鶴の間襖絵作者 行田魁庵(なめた かいあん)」『赤塚・中原邸保存会会報』第30号(平成30年春)。

・岡村 鉄琴(2013)「赤塚郷ゆかりの書画の分析」『赤塚地域の魅力とお宝』新潟:赤塚郷ゆかりの文人展実行委員会,pp.4–6。

・新潟市(2022)『市報にいがた』第2779号(2022年11月20日)、4面。

・新潟市西区(2024)『中原邸ガイドマップ』新潟:新潟市西区〔PDF〕。

・新潟市歴史博物館(編)(2022)『にいがた幕末の絵師:港を描いた魁庵・文昌と同時代の絵師たち』新潟市歴史博物館。

 

プロジェクト実行責任者:
安澤勝男(赤塚・中原邸保存会・会長)
プロジェクト実施完了日:
2026年3月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

実行者は赤塚・中原邸保存会です。国登録有形文化財「中原邸」(新潟市西区赤塚)の母屋西側と南側(頂部・庇)の屋根について、被害の拡大を防ぐための応急修繕をプロジェクト実施完了日までに行います。集まった資金は工事費に全額充当し、職人費・資材費・工事に係る消費税など必要な費用に用います。返礼や広報に要する費用は保存会が別途負担し、本プロジェクトの支援金からは充当しません。

リスク&チャレンジ

プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
目標額1,150,000円。手数料14%161,000円と同消費税16,100円を控除し、振込見込み(入金額)は972,900円。支出合計は3,653,500円(手数料は入金側で控除済み)で、不足額は2,680,600円。入金972,900円は全額工事へ充当し、工事費残2,574,600円は保存会600,000円と中原家1,974,600円で補填します。返礼・広報・呈茶等106,000円は保存会負担とし、変動が生じた場合は都度精査・調整します。 ※本プロジェクトは、支援総額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、自己負担するなどして、必ず予定していた規模の実施内容の通り実行致します。

あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!

    https://readyfor.jp/projects/akatsuka_nakaharatei2025?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

プロフィール

あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!

    https://readyfor.jp/projects/akatsuka_nakaharatei2025?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

リターン

1,000+システム利用料


alt

1,000円:返礼なし(任意支援)

本プロジェクトの趣旨にご賛同いただき、
「返礼品は不要」というお気持ちでご支援いただける方向けのプランです。

いただいたご支援金は、全額を中原邸の屋根修繕費に充てさせていただきます。
修繕完了後、活動報告書(PDFまたは郵送)をお送りします。
保存会一同、心より感謝申し上げます。

申込数
326
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年2月

2,000+システム利用料


限定復刻写真(2L判)2枚セット・送料込

限定復刻写真(2L判)2枚セット・送料込

「明治天皇巡幸期」に関わる貴重写真から、2L判プリント2枚をセットでお届けします。折曲防止の台紙+封筒で発送します。
図柄は保存会セレクト。発送はプロジェクト終了後にまとめて順次。
※個人鑑賞目的に限ります(転載・二次配布・商用利用不可)。
 国内発送のみ。

申込数
28
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年2月

1,000+システム利用料


alt

1,000円:返礼なし(任意支援)

本プロジェクトの趣旨にご賛同いただき、
「返礼品は不要」というお気持ちでご支援いただける方向けのプランです。

いただいたご支援金は、全額を中原邸の屋根修繕費に充てさせていただきます。
修繕完了後、活動報告書(PDFまたは郵送)をお送りします。
保存会一同、心より感謝申し上げます。

申込数
326
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年2月

2,000+システム利用料


限定復刻写真(2L判)2枚セット・送料込

限定復刻写真(2L判)2枚セット・送料込

「明治天皇巡幸期」に関わる貴重写真から、2L判プリント2枚をセットでお届けします。折曲防止の台紙+封筒で発送します。
図柄は保存会セレクト。発送はプロジェクト終了後にまとめて順次。
※個人鑑賞目的に限ります(転載・二次配布・商用利用不可)。
 国内発送のみ。

申込数
28
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年2月
1 ~ 1/ 5

プロフィール

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る