幻の勧工寮葵町製糸場が、3D映像・模型になりました!
こんにちは、東京農工大学科学博物館です。
2019年4月からプロジェクトを開始し、1年が経ちました。
図面との格闘の末に3D映像と明治初期の製糸場模型が姿を現しました。感無量です。
皆様のご支援のおかげです。本当にありがとうございます。
手描き図面の多くの謎と対峙し、学生と共に悶々とする日々もありました。
勧工寮葵町製糸場の明治6年の設立から147年ぶりにその姿が形になったといえます。
日本の近代化を明らかにするための貴重な資料となりました。
3D映像、模型として姿を現した勧工寮葵町製糸場
1/100模型(建物部)
1/10模型(繰糸器・台)
「蒸気動力を使わずに、量産化するには?」
勧工寮葵町製糸場は、水車と竈の姿が特徴的で、蒸気で稼働した富岡製糸場と設計思想の違いがよく分かります。繭を煮るためには、窯ごとに薪を使わなくてはならず、ずらりと窯が並んだ状況から、室内の換気と煙突機構の重要性を感じました。
そして室内に煙を持ち込まない蒸気機関のメリットも理解することができました。
図面を組み立てる追体験をしたからこそ、今回気づくことができたことです。
また、学生有志の参加により、大学ならではのプロジェクトの発展がありました。
学生は工学部の視点を生かし、歴史や建築の専門家の皆さんに支えられながら、手書きの図面と格闘してくれました。このことが大学博物館を大きく活性化させました。
学生による図面の読み取りの様子
ブログやメールで活動の進捗をお伝えし、プロジェクトの成り行きを皆さんに見守っていただく形でプロジェクトが進みました。
その結果、支援者の皆さんとも意見交換ができ、農工大学卒業生の皆さんが声をかけてくださり、製糸学科の大先輩からのアドバイスもいただきました。
学生が富岡製糸場へ出かけワークショップに参加するなど活動が大きく展開し、農工大と蚕糸の縁を改めて強く感じています。
今回クラウドファンディングを通じてみなさんと交流を深められたことは、大学博物館として大きな財産となりました。
皆様の温かいご支援によって復活しましたこの3D映像と模型は、
4月ににプレ公開ののち、11月に博物館において企画展を行う予定です。
皆様にお見せできることを楽しみにしています。
(※現在臨時休館です。昨今の状況により予定が変更する可能性があります。)
このたびは「幻の製糸場を追え!明治初期赤坂の勧工寮葵町製糸場を3D復元へ」プロジェクトを応援いただき誠にありがとうございました!
令和2年4月吉日
東京農工大学科学博物館