内田鋼一作品「土層の小屋」について

本日は実行委員会のメンバーである伊藤逹信からみなさんへ

 

内田鋼一作品「土層の小屋」についてご報告です。

 

制作過程や進捗に関する内容となっておりますので、ぜひご一読ください。

 

 

 

写真：完成真近の土層の小屋

 

 

 

昨年の展示において、みなさんに完成形をお見せできなかった作品がひとつあります。

 

ギャルリ百草と百草の森にある、内田鋼一氏の「土層の小屋」です。

 

会期中に制作作業を行なっていたので、目にされた方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

 

内田さんは、2008年の土から生えるにて大川採土場で「クレの小屋」という作品を制作されました。

 

 

 

写真：内田鋼一 2008年制作 クレの小屋

 

 

 

この時には地元をはじめとした多くの方々のご協力を得て、日干しレンガを使って建設されました。

 

個人的にも父親が制作に携わっていたので、大変思い出深い作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この作品はアイコニックな存在でしたが、移設は不可能であったので

 

これに代わる作品を新たに制作する運びとなりました。

 

 

 

それが今回ご紹介する「土層の小屋」です。

 

 

 

 

 

 

今回は日干しレンガではなく「版築」と呼ばれる、

土を型枠に流し込んで上から押し固めて層を積み上げていく工法を採用しました。

 

これは古代から見られるとても原始的な方法ですが、スタッフ総出で地道に作業を続けて、

壁を積み上げていきました。

 

 

 

 

 

 

全員がはじめての経験だったので、予想よりはるかに大変な作業で途中心が折れそうになった

時期もありましたが（笑）、今回も多くの方々のご協力いただきながら制作を進めていきました。

 

 

 

 

 

 

壁は型枠を外すまで見ることができず、全員が不安な気持ちで作業していましたが、

はじめて型枠を外して土の表情が姿を見せた時は、本当に感動的な瞬間でした！

 

 

 

 

 

 

予定よりも大幅に工期が遅れてしまい、会期中には完成させることができませんでしたが、

会期終了後も少しずつ作業を進めていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開口部には内田さん所蔵の建具を使い、枠も鉄板で自ら制作してくださいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、瓦もこの作品のために焼いてくださり、とても雰囲気のある建築に仕上がりました！

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラファンのリターンとして、「土層の小屋」でのお茶会を企画しています。

 

お披露目のイベントも開催予定ですので、引き続きご注目ください！