プロジェクト概要

 

現代美術をもっと楽しみたい。「アートブックWHO」

 

はじめまして、「アートブックWHO」発行人の杉原洲志です。「アートブックWHO」は、ひとりの現代美術作家を一冊まるごと使って徹底解剖していきます。作品のビジュアル、作家が自身の作品について語るロングインタビュー、キュレーター、生物学者といったゲストを迎えての対談、そして作家のアトリエや子供時代などパーソナルな部分まで紹介していきます。

 

WHOはアート素人が作るアートブック。だから、とっつきやすく、美術の歴史や文脈など専門的な知識がなくても楽しむことができます。何かひっかかる、もっと知りたい、というところからスタートできる、作品を楽しむ手がかりが満載の本です。

 

(今回特集するのは大垣美穂子さんです。)

 

 

作家のパーソナルな部分が手がかりに。

 

僕自身以前は、たまに美術館行っては、あぁきれい、あぁ気持ち悪いなどの感想を持つ程度でした。ある時、現代美術作家のアトリエに遊びに行く機会があって、そこでたわいもない話や作品に対する考えや、最近見ておもしろかった映画や小説の話などを聞いているうちに、そこに作品を楽しむ手がかりがあることに気がつきました。彼らが語る映画の魅力からは、作品を通して何を狙っているのか、またアトリエで目にした試行錯誤の痕が残った物からは、彼らが作品のビジュアルに何を求めているのか、何となく感じとることができたのです。作品というものは、作り手である作家の記憶、経験、執着、趣向といったパーソナルな部分が、制作という過程の中で、演出、編集され、研ぎすまされてできるのだと感じました。

 

(大垣美穂子 『Milky Way -Breath 02』 最新号で特集します!)

 

(実行者の杉原洲志です。)

 

作品を言語化するということ。

 

制作上で一番大変なのは、作家の言葉をまとめるということです。しゃべり出したら止らない作家や、その他については色々しゃべってくれるのに作品についてだけはなかなかしゃべろうとしない作家や、取材する度に違うことを言う作家や、実に様々です。言葉にならないことをビジュアルを通じて伝えようとしている美術作家にとって、作品を言語化することは、簡単なことではないと感じます。また、作品を作り続けることで、彼らの中で言葉もどんどん変化していくのだと感じました。だからこそ、アートブックWHOは長期間取材することによって、じっくりと作家の考えや世界観を理解していこうと考えています。この作家の話に耳を傾ける時間が、WHOを作る中での一番のハイライトであり、一番豊かな時間だと言えます。

 

 

アートブックWHOは、これまで6名の現代美術作家を特集してきました。最初の3号は、インクジェットプリンターを使用し手作りで制作していましたが、より多くの場所で、より多くの人に手にとってもらいたいと考え、続く号から、英訳も付け、印刷にかけ部数を大幅に増やしました。それ以降、年一冊のペースで発行しています。

現在、取材を進めているのは大垣美穂子さんです。

小さな単位が集まって姿を現す彼女の作品は、とても壮大でドラマチックであると同時に彼女の死に対するエゴイスティックな部分や、どこか居心地を悪くさせるようなものが見え隠れしてとても魅力的です。

 

 

大垣美穂子さんへのインタビュー

 

「展覧会前や会期中に2,3時間のインタビューを受けたことはあったけど、制作期間中や逆に完全なオフな期間も含めて、一年を通じて取材されたのは初めての経験でした。そういうスタンスで、ひとつの物語を紡いでいくように作家を取り上げてくれるものはなかったから作家にとってもすごく貴重。」と今回特集する大垣美穂子さん。

大垣さんの取材の中で一番印象的だった言葉は、「年を重ねることは、感情の粒が増えていくこと。」というものです。ねたみ、そねみ、失恋の痛手など、知りたくもない感情は山ほどありますが、彼女の作品「Milky Way」では、感情を人体にあけられた穴に置き換え、感情が複雑になっていくことを、美しいものへと転換しています。僕の中では、新たな感情を知った時に、ひとつ穴があくというか、ひとつ傷ができて、しみる言葉やものが増えるというイメージで定着し、何か辛いことがあると思い出す大切な言葉となりました。

 

(大垣美穂子さんへのインタビュー)

 

「Milky Way」の他にも、小さなビーズで覆われた実物大の宮型霊柩車など、大垣さんは、集合体をテーマに作品を作っています。この集合体というものに、日々の生活で本当によく遭遇します。国、国民、学校、生徒といった集合体を連想させる文字を新聞の中で見ない日はないです。そして、そうした記事を読むたびに、時に個々の本質を隠し、また時に個々では実現不可能なことを実現できる、集合体とは一体何なのだろうかという、彼女の作品から問いかけられた疑問を思い出さずにはいられないのです。彼女の作品を知ったことで、何か僕の中でひとつ新しい穴があいたような気がしました。

 

(大垣美穂子 『before the beginning -after the end #2- return to the source』)

 

また今回の対談には、民俗学者・写真家の内藤正敏さんをゲストに迎えました。45億年の地球生命の歴史や、修験道、即身仏といった様々な要素とリンクさせながら大垣さんの作品を読み解いていきます。

 

(内藤正敏さんとの対談)

 

印刷費の一部として是非皆様のお力をお貸しください。

 

アートブックWHOは、スポンサー広告もなく、完全実費で発行をしています。ネット上で公開するという選択肢もありますが、手にとったり、紙をめくったりする、独特の感覚を呼び起こす本を通じて作品と出会って欲しいと考えて毎号本という形で発行しています。

もっと現代美術を楽しむためのプロジェクト「アートブックWHO」への皆さまからのご支援をお待ちいたしております。

 

 

--引換券詳細--

・ サンクスカード

 

・ 『アートブック WHO』大垣美穂子号。 

(50,000円支援頂いた方には奥付に「支援者」として氏名記載いただけます)

 

・ 大垣美穂子号を含めたvol.4~vol.7までのアートブックWHO4巻

(A5・80頁-96頁・日英バイリンガル)

 

・ WHOオリジナルTシャツ※画像はイメージです。

 

 

 

・ 今回用に制作頂いた大垣美穂子さんドローイング作品

(H22.8cm×W16cm×D2cm)※作品の転売はご遠慮ください。

 

 

引換券はプロジェクト終了後に、支援者の皆さまに発送させていただきます。

 

 

○大垣 美穂子○

現代美術作家。1973年富山生まれ。愛知県立芸術大学油画科修了後、1996年に渡独。デュッセルドルフクンストアカデミーで立体を専攻。2006年の個展「ハジマリノマエオワリノアト」でデビュー以降、ドイツ、ポーランド等世界各国で作品を発表している。2010年より日本に制作の拠点に移す。

http://www.mihoko-ogaki.com

 

○内藤正敏○

写真家、民俗学者。1938年東京生まれ。東北地方の民間信仰や民俗を中心とした撮影活動を展開。『婆・東北の民間信仰』(1979)『遠野物語』(1983)等を刊行。また民俗学者として、『鬼と修験のフォークロア』、『江戸・王権のコスモロジー』(2007)、『江戸・都市の中の異界』(2009)等を刊行。

 

アートブックWHO大垣美穂子(アートブックフー オオガキミホコ)

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出版予定日:2013年4月中旬

仕様:A5変形サイズ/96頁(カラー:64頁+モノクロ:32頁)

発行部数:500部予定

販売価格:1200円(税込み)

日英バイリンガル:英訳者/国枝ジョエル・松本重誠

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